建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
先日3月16日(水)午後6時30分に熊本県天草市下浦コミュニティセンターにて「天草・下浦フィールドワーク2015成果発表会が行われました。

今回の発表会では、昨年9月19日(土)から23日(水・祝)4泊5日間、行われた「天草・下浦フィールドワーク2015」の成果やその後の各地との交流や研修など様々な成果が報告されました。

当日の参加者は、本フィールドワークの総監督である藤原惠洋先生と門下の博士課程の2人(岩井、ジャン)、地元の実行委員会のメンバたちはもちろん、住民の方々、約40人近くが参加しました。さらに、2015年度フィールドワークに参加してくださった小野裕幸さんや中村圭一君、泉​佳那さんの3人が懐かしい顔を見せてくれました。

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今回の成果発表会では、なにより地元の住民たちによる、地元の住民のための、地元の報告会であったことに大きな意義があると思われます。
今回の発表会を準備してくださった下浦フィールドワーク実行委員会のみなさまは、今回の発表会を迎えまして、発表会のポスタを作成し予め地元の方々に広報したり、会場設営をしたりし、現地は発表会のスタト前から大変盛り上がっていました。

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<2015年12月3日(木)~ 6日(日)「韓国ヨミリ村との交流」 &
 2016年2月27日(土)〜28日(日)「長崎研修」の写真展>

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地元のポンカンジュースや手作りの軽食まで

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沢山の地元の方々が参加され、現場をぽかぽか暖める!


今回の成果発表会は、宗像和久さんの司会により、下浦フィールドワーク実行委員会の松岡政幸会長の主催者あいさつからはじめ、第1部では、九州大学方からの報告、第2部では、地元の方々の発表で構成されました。

内容は以下の通りです。

1.開会 (司会:宗像和久)
2.主催者あいさつ:下浦フィールドワーク実行委員会会長 松岡政幸
3.報告会
(第1部)九州大学より成果報告
①挨拶: 九州大学大学院芸術工学研究院教授 藤原惠洋先生
②天草・下浦フィールドワーク2015成果報告
     九州大学大学院藤原惠洋研究室 岩井千華(博士課程)、張慶彬(博士課程)
③天草・下浦フィールドワーク2015に参加して 久留米大学 中村圭一さん
                       首都大学 泉​佳那さん

(第2部)地元実行委員会より成果報告
①フェースブック「ひょっこりポンカン島」の運営と展開
     下浦フィールドワーク実行委員会委員 森本千佳
②民泊受け入れ体験談
     下浦フィールドワーク実行委員会委員 近藤康彦
③韓国ヨミリ村との国際交流
     下浦フィールドワーク実行委員会委員 佐々木安子
④長崎軍艦島を訪ねて
     下浦フィールドワーク実行委員会委員 千葉友平
⑤人的交流成果「くるモン」誕生
     下浦フィールドワーク実行委員会委員 湯貫秋男
⑥下浦ガイドブックの発刊について 
     下浦フィールドワーク実行委員会委員 松岡政幸

(第3部)
①天草・下浦フィールドワーク2016の実施について
     九州大学大学院芸術工学研究院教授 藤原惠洋先生

5.その他
①質疑

6.閉会


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まず、九大の方からは藤原先生から下浦フィールドワークの趣旨や今までの成果のまとめに対するご報告がありました。藤原先生は地域再生デザインというのは、普遍的な価値や地域の課題やある地域のものを磨いていくなどの総合的な発想だと言われました。その一環として、藤原先生は、ながらく文脈、矜持、紐帯が循環させる地域再生を先導されてきました。下浦はその可能性を実現させる学び場だとおっしゃいます。地元の先達からまちの歴史を伺い、今まで残っている先達の知恵や暮らしを学びさせ、そこから地域資源を掘り出し、現実化させていくのが大切とのこと。それで、今まで
下浦を学びたいという全国からのデザイナー、実践家などや韓国の仲間たちが沢山参加することになりました。それがきかっけになり去年の12月は、韓国のヨミリ村との国際交流がおこなったり、学術調査も続けていくなかで、沢山の方々に日本の近代を支えて来た下浦石工の活躍などを多くの方々に知らせていくこになりました。

詳しい内容は、以下の2016年3月4日に西日本新聞に載せられた藤原先生の記事をご参考ください。
(クリックすると拡大されます。)

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<天草の未来、2人の若者>

続きまして、藤原研究室の岩井さんとジャン(私)から2015下浦フィールドワークの振り替えや成果報告があり、さらに、去年の参加者である中村圭一君と泉​佳那さんから報告や感想の発表がありました。
中村圭一君は、天草人であるが、下浦フィールドワークに参加してから下浦町に対する歴史認識が高まることになったということで、天草の小・中・高の学校教育を通じて、より多くの人が日本の近代を支えて来た地元の歴史知って欲しいと言われました。泉さんは下浦がフィールドワークが終わってもフェースブックで、地元の方々がどんどん情報を発信していることをみて、地域振興のあるべき姿だっと思ったそうです。しばらく日本を離れ留学をする予定ですが、何年か後には自分が学んできたことで地域に貢献できる人材になりたいという心強い感想を伝えてくれました。
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また、熊本市から参加してくださった小野裕幸さんは、2015年下浦フィールドワークで大活躍し、下浦フィールドワーク写真コンテストでは入賞までしました。それで、ポンカン2箱をもらい、自分の楽しみにとどまらず、近所の方々に配りながら下浦町の魅力をどんどん発信したそうです。
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次は、本格的に地元の方々からの成果報告会がありました。
最初は埼玉から下浦に移住して1年半が経っている、森本千佳さんからの発表がありました。森本さんは、天草・下浦フィールドワーク2015の成果物として作られた「ひょっこりポンカン島」というフェースブックの運営を担当していて「ひょっこりポンカン島の運営と展開」について発表を行いました。
現在、フェースブック「ひょっこりポンカン島」は現在まで「いいね」という感心表明を293人で閲覧平均は500人くらいで、今年3月4日に西日本新聞に載せられた下浦に関する藤原先生の記事によりいきなり1,200人へ増えたそうです。また、
森本
千佳さんは「人に見てもらいたい、来てもらいたいと思った時に、まず地元の人が楽しんで行かなければならない」と考え、現在は森本知佳さんはもちろん宗像和久さんと宗像桂子さん、松岡政幸会長のような地元の方々が地元の楽しい日常生活の様子をどんどん投稿していると言われました。これからもポンカン、バンカンなどの農業の様子や石工の歴史などを発信しながら将来はホームページを作り、フェースブックと連携していきたいと抱負を語ってくれました。

<ひょっこりポンカン島フェースブック>
https://www.facebook.com/ponkanjima

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2番目は「民泊受け入れ体験談」ということで近藤康彦さんからの発表がありました。
近藤さんは、日本のみならず海外からの学生さんが自宅に泊まり、お父さん、お母さんと呼んでくれたり、最後は、お礼のメッセージを書いてもらったりしてとても嬉しかったそうです。
実際に学生さんからもらったお礼のメッセージを持ってくださった近藤さんの発表では、愛が溢れている近藤さんのご家族の皆様の暖かい思いやりが伝えてきました。
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3番目の方は
佐々木安子さんの発表で「韓国ヨミリ村との国際交流」に対する報告がありました。
佐々木さんは、雲山農協訪問を通じて学んだ韓国農協の運営や仕組み、ヨミリの村の歴史や文化を振り替えながら
キムチ作りによる韓国文化体験や内浦フォーラムでの藤原先生の天草・下浦に対する発表や交流会まで、自分が感じた感想を丁寧に伝えてくれました。佐々木さんは、藤原先生により下浦町が韓国へ紹介され、地元のすごさというのを知るようになったそうです。以前は、下浦はどういうところですかと聞かれるとなかなか答えられなかったが、これからは、沢山説明できると言われました。
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4番目の選手は、いつも藤原研究室と下浦との連絡系担当を努めている
千葉友平さんで、2月27日(土)〜2月28日(日)に行われた「
長崎軍艦島を訪ねて」という発表がありました。
下浦住民の方々は、藤原先生のご案内により長崎のオランダ坂やグラバー邸、軍艦島まで長崎の様々な所で日本の近代を支えてくれた下浦の石の跡を調査してきました。下浦の石工である千葉さんは、地元の石工として時間が経つと皮が抜けるように風化される下浦石や靴底を通して感じることができる下浦石のなりの特徴を生き生きと描写してくれました。また、藤原先生の物語がある現地の説明や下浦からの参加者のみならず、他の観光客の興味を引いたと言われました。
最後に千葉さんは今回の研修を通じて地元に対する「
愛情の種が心の中で葉をひろげ、そして次は、われわれが自分のまちにその種をまく環境はなかろうか」と研修で得た感想を伝えてくれました。それで今年は、どんな人と出会うのか、昨年仲良くなったあの人はまたきてくれるのかとても期待しているそうです。

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続いて、5番目に
湯貫秋男さんから「人的交流成果「くるモン」誕生」というテーマで発表が行われました。今年1月5日から走り出した「くるもん」は、天草市と天草市社会福祉協議会とJAが地域福祉ネットワーク事業の協定により誕生した移動販売車です。湯貫さんは、グロバル世界や情報化社会に入り、地方はどんどん人口減少や高齢化していく中で、今までのお客さんを待っていることから離れ、出向こうという考えからくるもんが始まったそうです。コンセプトとしては、出会いと幸せを運んでいくということだそうです。驚いたのは、この車のラッピングをデザインした方が、下浦フィールドワークに参加してくれたパワープレイスのデザイナである倉内 慎介さんとのことでした。湯貫さんは、倉内さんに厚い感謝の気持ちをもち、下浦フィールドワークを通し、人々が集い、みんなでつながることができたのではないかと思ったそうです。

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最後に下浦ガイドブックの発刊について松岡政幸会長からの発表がありました。2年間に渡って行われた天草・下浦フィールドワークの大きな成果の一つとして、今年4月から天草市の支援をいただき、下浦ガイドブックを作り始めるようになったそうです。藤原先生が長年行われきた研究者としての下浦の歴史調査研究が、より多くの人々に知らせていくことで、沢山の人々が下浦に興味関心を持ち、下浦の持続的な発展のための確かな基盤になると期待されます。

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成果発表会が終わったからは、下浦の女性の方々が用意しれくださった、地元の手作り感たっぷりの美味しい料理を食べながら懇親会が行われました。

藤原研究室の九州大学社会連携事業で行われている天草・下浦フィールドワークは2014年度から2015年まで総2回目行うことにより、地元の方々の村に対する愛着を高め、地元の方々の本格的な参加を導き出したのが大きな成果だと言えます。

今回の「天草・下浦フィールドワーク2015成果発表会」でも地元の方々が広報や、会場設営、発表まで自ら用意して頂きました。また、地元の方々の発表は、これから自分の町をどう発展させていけるかとうい悩みや覚悟がたっぷり見えて来たので今までの文脈再生、矜持再生から本格的に紐帯再生の段階に繋がっていると思います。

2016年度の天草・下浦フィールドワークは暫定的に8月19日(金)〜21日(日)の2泊3日にかけて行う予定です。もうすでに下浦は、大盛り上がり、皆様をお迎える準備を着々進んでいますので、ぜひ「天草・下浦フィールドワーク2016」をお楽しみに。

D2ジャン
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