建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 以前ご一緒したことのある演出家・小布施まちとしょテラソの前館長・まちづくりまちづくりも手掛ける花井裕一郎さんと、まちライブラリー提唱者の礒井純允(いそいよしみつ)さんのお二人が直方市中央公民館に来てフォーラムをするということを知り、これは是非とも行かねばという思いで早速行ってきました。

   地方創生フォーラム まちの新しい使いかた~本で結ぶまちと人
   
   日時:2016年2月19日(金)14:00~17:00
   会場:直方市中央公民館1階大会議室
      お話とパネリスト:磯井純充 花井裕一郎
   主催:直方市、直方商工会議所

 まずは私にとって初めての直方市訪問で見た面白いものから
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 たくさんのサトちゃんがいました。↓
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 中央公民館で早速始まりました。↓
 礒井純充(いそいよしみつ)さんのご紹介。大阪出身。一般財団法人森記念財団普及啓発部長、大阪府立大学観光産業戦略研究所所長補佐・客員研究員、一般社団法人まちライブラリー代表理事。
 1981年森ビル株式会社入社、社会人教育機関アーク都市塾、産学連携・会員制図書館「六本木アカデミーヒルズ」などを立ち上げる。文化活動に従事、2011年より「まち塾@まちライブラリー」を提唱、大阪・東京をはじめ全国260か所以上で展開。
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 その礒井さんが、次々繰り出すかかわった事例や取り組み事例の数にびっくりです。

 はじめに「まちライブラリー」とは?以下いただいたリーフレットより。
「まちライブラリーとは、町のカフェやギャラリー、オフィスや住宅、お寺や病院などの一角に共通の本棚を置き、そこにメッセージ付きの本を持ち寄り、交換しながら、人の縁を紡いでいく活動です。2011年春からスタートし、現在、東京、大阪、埼玉、名古屋、兵庫、奈良など260か所で展開しています。この活動の提唱者・礒井純充は、かつて森ビルの教育・文化活動(アーク都市塾、アカデミーヒルズ)にかかわり、六本木アカデミーヒルズえ日本初の有料会員制ライブラリーを立ち上げましたが、より身近で顔の見える関係を大切にしたいと個人の力でできるまちライブラリー活動を呼びかけています。」 
 まちライブラリーは本を通じて人と出会う・人の輪が生まれる。そこでは可能な限りお互いの顔が見える規模とそれぞれの感性が伝わるように工夫したい。学縁を目指している。

 六本木アカデミーヒルズとまち塾@まちライブラリー誕生の背景として
 1987年のアーク都市塾、1996年のアカデミーヒルズ大学院村、2003年六本木アカデミーヒルズ会員制ライブラリー、3000坪の場所でいつも大勢の方と交流していたそうです。しかし、多くの人と名刺交換だけに終わることに疑問を感じ、顔の見える関係がないことがわかりました。目線の乖離、予算制度の徹底、先進性より実益的なものの管理に終始していたそうです。2010年大学を出た後全国80の限界集落を歩き回っていた友廣裕一さん(当時26歳)に出合い、ともにあちこち見て回り、友廣さんのゼミの先生である元通産省の友成真一先生とも出会い、マクロからマイクロ 自分経営のyoumeゼミ友出会ったそうです。
 そして知った ミクロ(個人)の視点、個人の思いをどう実現するか、お互いに考えていることを学縁で結びつけることの重要さ。たとえ講演に有名人をよんでも、参加者は結局は「講義は終わった。さて何食いに行く」でおわってしまう。行動に移せる学びの場の必要性。

 まちライブラリーのしくみ
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 まちライブラリーは、棚に本が無くても、お互いに持ち寄り、寄贈してもらいその本の感想をかきあうことでつながります。
 一番最初は礒井さんの実家の酒屋さんでしたそうです。せっかくなので楽しいこともしようということで、毎月第3土曜日は本とバルの日を開催。世代や性別立場を超えて図書館家族がうまれつつあるとのことでした。
 このまちライブラリーをしている元はお寺、歯医者、病院、自然の中、個人の家、障害のあるかたのところ。公共図書館とのコラボでもしています。伊丹市立図書館カエホン部、ぎふメディアコスモス、恵庭まちじゅう図書館(50館)、商店街事例(岡本まちライブラリー)、銭湯ふろまちライブラリーそしがや温泉、小学校でもしているそうです。気持ちのやりとりをこのまちライブラリーを通じてしているとのこと。小学生もできます。
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 アメリカではトッドさんという方が巣箱のようなものをつくり、本を入れてリトルフリーライブラリーをしているとのことです。
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 大阪府立大学ではこんなことをしています。棚はあっても本がないので植本祭。
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 本を集めるには、イベントを開催して本を持ち寄る→本棚をつくる→読み重なって図書館ができる ということで現在大阪府立大学のまちライブラリーには9000冊の本と1200人の会員がいるそうです。立命館大学の大阪いばらきキャンパスにもまちライブラリーはあるとのことです。
 ショッピングセンターの事例としては、森ノ宮キューズモール。2013年にはグッドデザイン賞(公共のためのサービス・システム)を受賞。同じく2013年にはライブラリーオブザイヤー優秀賞を受賞しました。
 大阪ではホンとバルの日、ビートルズを語ろう、大人の遠足をしているそうです。
 マイクロライブラリーサミットも開催され、その中でタイプ別分類もされました。
 ①図書館機能優先型
 ②テーマ目的志向型
 ③公共図書館連携型
 ④コミュニティ形成型

 この中で久留米の古賀さんによって営まれているマイクロライブラリーではあるが、その専門性から県外からも専門家が訪れるという「古賀河川図書館」も紹介されました。↓は久留米から来た古賀さんご本人です。
 久留米は歴史的に ブリジストンのゴム、久留米絣、松田聖子などを出してきた町、これだけで各々専門の図書館ができるのではないかと、ご自身の考えを話されました。-非常に良いアイディアだと思います。
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 まちライブラリーの目指すものは、参画意識と自立した個人になる場の醸成。人の発酵を目指しているとのことでした。

次は花井裕一郎さんでこれまでのテラソでの取り組みと現在のお仕事のことが述べられました。
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 花井裕一郎さんは、元まちとしょテラソの館長で、ないのに、ある 。
 小布施町の流儀は知的刺激活動を求めることがいきいきしたまちづくりであり、テーマパークをつくるのではなくコミュニティをつくるとのことです。歴史からくるアイデンティティを積み重ねることで住んでいる人間が快適になる。
 まちを元気にするワクワク演出マネジメントは、歴史に学ぶ 人は居心地のいい場所に集まってくる あいまいな空間を演出する、デザインコードを考える そしてアーカイブということです。
 本を中心として美術ワークショップや上映会、運動系ワークショップ、セミナーをする。実例として基山町でのグリム童話とマグロを楽しむ会、夕暮れマルシェ九州ブランド牛の牛串、お菓子の家づくりをつくろう!『へんてこいきものずかん』づくりワークショップなどいろいろなさっています。
目指すところは、フューチャーセンター。「創造的」「対話」「未来の知的資本を生み出す場」で、基山フューチャーセンターラボでは循環型社会を考えることがコンセプト。競争から共創力へ、協調性から多様性へ。
 
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 私はフォーラム終了後、直方をちょっと見学しました。
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初めての直方市訪問で、刺激的なフォーラムでした。花井さんは以前ご一緒させていただいたことがあるのですが、礒井さんには初めてお会いしました。礒井さんは小さな単位から始まる社会関係資本の構築が必要であると言っています。これは藤原先生と同じ着想のように思えました。
 
 質疑応答のコーナーで、

礒井さんからは、
 ・絵本ばっかり、河川の本ばっかり集めているまちライブラリーがあってもよい。そのやっている人が何について語れるかが重要である。
 ・まちづくりといっても人のことに関心を持たない人が多い、それは自分事ではないから。発信はしても自分の言いたいことだけ言うのではなく、上手な受け手がいないと無理である。
 ・本を持ってきた人の話を受け取ることそれが、箱物を人のものへかえていく。本の数ではない。
 ・人とつながろうとする場合、100人は名刺交換をしても無理である。4~5人だと話しやすい。論文も出ている。
 ・エコーチェンバーで同じグループとやっているとパフォーマンスが下がってくる。
 ・cityplanningというのはない。これは唯一神の考え方である。人間はそこまで及ばない。まちは自然発生的につくられる。社会関係資本がある町がいいまちである。


 私は、質疑応答の中で、ある女性参加者からでた言葉がとても印象的でした。
 「巣箱図書館は私自身でできることのように思えるのでやってみたい。」

 そうです。環境がどうであれ、小さな取り組みを実際にしていくことの重要性に気づかされました。それが社会関係資本につながると思います。公共と個人の取り組みの関係のあり方に考えることもありますが、個人は個人でしていくしかないのだなあと思いました。

                                             岩  井
 



 


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