建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
IMG_5497
 西日本短期大学教授で九州産業技術史研究会でもお馴染みの大石道義先生と福岡女学院大学非常勤講師も務める國盛麻衣佳さんと一緒に八女に行き、八女を愛した画家の足跡を辿るプチ・フィールドワークをしてきました。

        2015年12月23日(水・天皇誕生日) 9:00~19:00くらい
        参加者・大石先生(八女デザイン会議) 元田さん(同) 國盛さん 岩井
        天気:雨  
        
 私にとって八女は、お茶と伝統地区のイメージでしたが、八女デザイン会議の大石先生と元田さんと一緒に八女を愛した画家を辿るプチフィールドワークをして、それだけではない、豊かな農業の地ということがわかりました。この地があったからあの絵になったのだと納得するものであり、尊敬の念を抱かせるものでした。
IMG_5454
 まず、坂本繁二郎のアトリエ跡に行きました。ここで元田さんとお会いしました。
IMG_5458
IMG_5462
IMG_5468
 繁二郎はここから見える山(ヒガタ山?)を描いていたそうです。
IMG_5474
IMG_5486
 この近くで櫨(はぜ)摘みをしました。
 櫨は、農作物の主役ではありません。冬の農閑期の農家の収入のひとつです。櫨は強いので特別な場所を必要とせず、川端でも育ちます。農家は一年を通して収入源となる仕事を自らで作り出しますがそれが櫨です。怠けていたら収入が得られません。
IMG_5492
 今回は、櫨摘み体験で、仕事ではなく、収量や効率性、スピードは求められませんので、楽しく摘ませていただきました。
 私は北海道で農業関係のバイトもしたことがあるので農業の仕事に求められることが少しわかります。優雅な仕事ではありません。
IMG_5495
 國盛さんは上手くとれたか?!―なんとか採れました~。
IMG_5497
                    ハイチーズ。
IMG_5498
 次は坂本繁二郎の銅像にあいに行きました。この像は大きくてどこかの方角をみているようです。台座は八女の緑泥片岩で平らな石が何層にも重なっていミルフィーユ状になっていました。
 緑泥片岩はここらへんではよく見るそうです。
IMG_5507
  繁二郎の直筆で「空~くう~」と読むのだそうです。
IMG_5519
 近くの八女公園。
IMG_5521
 八女福島出身の小説家・小島直記の文学碑がありました。2005年につくられています。

IMG_5525
IMG_5523

IMG_5526
 ↓なんと!!設計者は藤原先生でした!先生は八女に住んでいたので、小島直記氏ともお知り合いかもしれません!それで文学碑の設計をすることになったのでしょうか?――先生に聞いてみたいと思います。

IMG_5528
IMG_5529
 八女図書館では、坂本繁二郎と山本健吉の資料室があり4人で、資料室をみて堪能しました。私は山本健吉を知りませんでしたが、これをきっかけとして知ることができました。

IMG_5534
 冷えた身体を図書館という暖かい場所で若干暖め、休憩したのち、次は櫨に竹炭やりです!
 坂本繁二郎像の近くにある櫨の木が弱っているので、根の先の方に竹炭を入れます。
IMG_5557
IMG_5565
 雨が降っており、寒かったのですが、それがなければもうちょっとできたかと思います。
IMG_5567
 また、寒くなりました。昼食はうどんということで、桐乃家へ行きました。
IMG_5578

IMG_5577
IMG_5576
 すっかり暖まったところで、八女の伝統工芸館にも行きました。
 八女には八女福島仏壇、八女提灯、八女石灯籠、八女矢、ひな人形、八女すだれ、八女和こま、八女竹細工、桶、やきもの、そして八女灯篭人形。
IMG_5589
IMG_5595
IMG_5597
IMG_5599
IMG_5614
IMG_5622
IMG_5623
伝統工芸館の外の櫨の木です。かなり傷んでいます。
IMG_5637
IMG_5638
 ↓お茶屋さんの「矢部屋許斐(このみ)本家」に行き、お茶を飲ませていただきました。
IMG_5642
 ↓この黒いカバーは何か?


IMG_5641
 入れてもらったお茶をいただき、お茶は本来こんなに美味しいものだということに初めて気づきました。
IMG_5647
IMG_5650
 2階に上げていただきました。↓坂本繁二郎のような色使いの絵がかけてありました。
IMG_5662
 「八女茶」という名前を作りだし、つまり、八女のお茶をブランド化したのは、ここの初代・久吉氏だそうです。
八女は寒暖の差が大きく、よく霧が発生する、良質の茶の生産にもっとも適した土地だそうです。特に玉露は葭簀の上にわらを敷いて手摘みとのことでした。
IMG_5659
IMG_5663
 ↓外からみて黒の覆いがかけられていたところです。この場所で以前、お茶の品評会をしていたそうです。
 覆いで光を遮りしていたとのことです。
IMG_5666
IMG_5675
 高島野十郎の絵に出てくる和ろうそくです。和ろうそくと、輸入物のろうそくでは、後者の方が断然安く、和ろうそくはお高いのですが、しかしながら、和ろうそくは明るい灯で、100円ショップで買うロウソクのようにダラダラ蝋がたれないのです。燃え方をコントロールするには芯をつまんだり、消すには芯をはさんで消すということをします。匂いも変なにおいはしないし、過剰な煙もでません。
 野十郎のろくそくの絵は、確かに 蝋がダラダラたれてはいなかった。上品な灯りでした。
 自らが和そうろくを実際に使うなんて考えてもいませんでしたが、野十郎の絵をみたり、このように実際に使っている生活の場面を見ると、自分でも使いたくなります。
 
IMG_5680
IMG_5685
IMG_5688
 許斐家は文化財とのことで修理も大変のようです。
IMG_5689
IMG_5691

IMG_5700
IMG_5702
IMG_5705
IMG_5706
IMG_5710
 昨年7月に建立された青木繁の生家跡の碑。
IMG_5714
IMG_5716
 青木繁の生家と大石先生の生家はお向かいさん同士だったようです。

IMG_5718
IMG_5721
IMG_5724
IMG_5730
 最後に画家・青木繁がアレキサンダーになると言った高台に連れて行っていただきました。
 筑後平野が見渡せます。
IMG_5735

 八女をゆっくり見たのは初めての気がします。農業や、ものづくりの土地柄からか、人間生活の基本である衣食住の全てがあったように思えました。自給自足の地と言ってもいいかもしれません。このような土地柄で、坂本繁二郎も青木繁も生まれ育ちました。豊かな地にあって、でも自らは画家になりたいと決心し、その方向へ進んでいきました。繁二郎の絵ですぐ思い浮かぶのは淡いピンクの馬なのですが、あの淡いピンクも、馬もこの八女にあったものだと思いました。画家はイマジネーションで描いたのではなく、(八女の中にある)目のまえにあるものを描いたのだと思える八女の小旅行となりました。


 國盛さんの感想
「ここはお茶と𥽜(はぜ・和蝋燭などの原料)、それから、竹細工 和紙 雛人形 久留米絣 仏具 すだれ彫刻 酒蔵などなど 沢山の伝統工芸の産地、そして文化人を輩出してきたところ、𥽜の実をちぎったり、アトリエや生家を訪ねたり、300年続くお茶屋のご主人からお茶を淹れてもらいすばらしい調度品なども見せてもらいました。

繁二郎の淡いロマンティックな色彩は八女の田園風景から生まれたのだということがわかりました。
 坂本繁二郎は東京 フランスに渡ったけれど、帰国して八女に住み続けました。今回、八女を訪ねて、繁二郎を想い、以前聞いた九州派の前衛芸術家・菊畑茂馬氏の言葉が思い出されました。
 『人は表現をする けれどやがては その表現が人を支配する 決して逃れることはできないものです。あなたが居るべき場所は、その表現の最も根源となる場所ですよ。どこでもいい、原風景のある場所です。』とてもいい旅でした。大石先生ありがとうございました。」


                                        岩   井 
      

Add Comments

名前
URL
 
  絵文字
 
 

Trackback URL

livedoor プロフィール
『日田ラボ』 最新記事
『きくけん』 最新記事
カテゴリ別アーカイブ
月別アーカイブ
記事検索
ギャラリー
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 平成29年4月15日(土)16日(日)牛深ハイヤ祭りに参加しての感想文
  • 続・桧原シュタイナー土曜学校新6年生による「家づくり」
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ