建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 「社会にある格差を芸術や文化の力で取り戻していくことはできないか」
 先生のそんな問いかけで始まりました。
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 この建物は↓ベルフィル・ファーモニー。ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の本拠地です。
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 ↓設計者はハンス・シャーロン。客席はぶどうの房状になってます。観客は自分の席を見つけるのが難しいとのことですが。
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  当日チケットを購入。
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 ベルリンフィルハーモニーは、ミッテ区のポツダムプラッツという地域にあります。                     垂直ではない、有機的モダニズム。
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 この他にベルリンのゼンパーオーパーが紹介されました。このオペラハウスは当初は19世紀にゴットフリート・ゼンパーによって建てられました。その後、火災やドレスデン爆撃で焼失するも再建。こちらはネオクラシシズムの建築。
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 そして、岐阜県可児市の可児市文化創造センター・アーラの紹介がありました。

 2015年4月16日文化審議会総会での青柳正規文化庁長官の発言が紹介されましたが、旧来の「文化」「芸術」の概念とは違うものでした。はじめてこの発言を聞いた人はびっくりしたかもしれません。

 「我々を取り巻く環境は変化している。(中略)文化概念の拡大を。日常ギリギリの生活をしている人々をどのように助けていくか、既存の事業の見直しが必要」

  可児市文k創造センターアーラは、2012年度統計値で、市民一人が年4.2回この施設を使い、客席稼働率が84.8%。
  可児市民の2.4人に1人がアーラで舞台鑑賞をしています。パッケージチケット数が好調で2007年には163だったのに、2012年には1426に売り上げがあがっています。経済波及効果は12億2200万円。

 館長の衛紀生さんは、「私たちは興行師ではない」とし、
 ・一部の愛好者は特権階級だけの為に税金を費やすことは社会正義に叶うのか。
 ・大量のチラシをばらまき、ポスターをはって、テレビスポットをうつことが鑑賞者開発につながるのか。
 ・動員でもなく、集客でもない、新しい鑑賞者開発はどのような仕組で実現できるか。

 ~創客経営へ~
 瞬間最大風速としての集客から、劇場ホールの社会的価値のブランディングをてことした継続客の創出。

 
~ハコモノからの脱却は:cost(負担)から  investment(投資へ)~
 ・従来型の興業型事業運営からの脱却
 ・社会包摂型施設経営へのシフト
 ・地域社会の将来デザインへの戦略的投資行為としての劇場設置と経営手法
 ・OECD加盟先進国は、社会矛盾の噴出で孤立する弱者が増大している。劇場ホールが、文化芸術の社会包摂機能を利活用して、地域課題の解決に向かうようにする。
 ・英国では、社会的処方箋という用語が使われている。

~鑑賞者開発と社会包摂事業~
 ・第3次基本方針及び劇場法、大臣指針によって示された文化芸術の社会包摂機能を活用するコミュニティプログラムの実施によって劇場音楽堂等のブランディング(社会的信用)を促進する。


~ 経営とは、新しい価値の創出~
 20世紀では、成長重視の社会で経営の経済的側面(経済的利得)ばかりが強調されてきた。21世紀では生活重視による人間的な生きる価値とコミュニティの再構築を図ることが地域経営に必要となる。

 21世紀jは、 人間の世紀であり、人間の生き方に対して新しい価値を提案し社会の分断化から来る閉塞感から地域住民を救済し、きずなの回復による地域社会の活力と発展と健全化という変化をもたらす時代である。


 ~劇場経営の軸にすえるものは~
 ・「何を観ていただくか」「何を聴いていただくか」ではなく、「どう観て・聞いていただけるか」「どう過ごしていただけるか」

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 ・自分が音楽を聞くことが社会に貢献する。

 ・劇場が社会的チャンスを提供する

 ・アーラは英国のヨークシャープレイスの劇場を習っている。(OH HEY DAYS)

 アーラの館長・衛紀生さんは、アーラを芸術の伝統ではなく、人間の家を目指しておられます。
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 聞けば聞くほど、劇場経営は図書館に通底するものがあるのだと思いました。
 
 図書館は興行師ではありませんが、書店経営キューブリックの大井さんの話にありましたように、イベントをすることはお客様との絆になることもあるかもしれません。
 
 この施設論の授業を聞いて、
 「劇場は誰のものか」
 「誰が責任をもつのか」
 「市民の潜在的要望をどのように引きだし、見える化して叶えるか」、
 「人間の家にするには何が必要か」ということを学びました。
 
 劇場も図書館も文化や芸術を担う機関であるかもしれませんが、機能だけを行う機関ではなく、人間の家になることがこれからは求められているのだろうと思いました。


                                 岩 井




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