建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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下浦フィールドワーク2015のグループ活動プログラムE「おためし移住」に参加しました。

   プログラムの活動期間は、2015年9月22日(火)-23日(水)

このプログラムの参加者は、
          市原彰さん イ・サンユン君、津高守さん、若杉浩一さん 岩井の5名.


      20日の13時からのグループ活動では市原さん、イ・サンユンくん 岩井で自転車に乗り、周囲を少しウロウロしました。何かヒントがみつかるか。
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 いざ出発!でも自転車がうまく動かず、市職員の井上さんに動かすのを手伝っていただきました。
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 地域の課題を知るヒントはどこに。
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 ウロウロしていると、地元在住の千葉順次さんと会い、この辺りでも空き家が増えているという現状を
聞くことができました。家を継ぐ人がいないとのことです。
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 ここで、埼玉からの移住者である森本ちかさんと連絡がつき、お話を伺うことができました。

 森本ちかさんは、1年前にご主人と一緒に埼玉から天草市下浦に移住。移住の動機は「生活を見直すこと」が主な理由とのことです。東北大震災や原発事故をみて、お金を稼ぐための生活に疑問を持ち、首都圏の高額な家賃に給料が消えていく、交通機関がストップした時何もなくなる、自分の生活にかかわるものがどこからくるのか等々を感じていたそうです。ちょうどご主人も彫刻をしたいという希望を持っていたそうです。その結果、必要最小限で生活していきたいということを選択しました。

  はじめは御主人の実家がある熊本県の八代にしようかと思っていたのだそうです。しかし、空き家バンクなど移住希望者への情報提供がなく、空き家バンクがあり、東京で移住セミナーを開催した天草市に決めました。リタイアして先に天草に移住した先輩移住者の方の話も聞くことができたそうです。

 そして森本さんは、天草市下浦に対して、「やりたいことを表明すると受け入れてくれる先がある」ということを思ったそうです。
 ご主人は山に関係するアクティビティが好きで、ちかさんは海が好きということで、その両方を持っている下浦が移住先になりました。下浦は内海で落ち着いていてよかったそうです。

 現在住んでいる家は、古い家でご主人がこつこつ一人でリフォームしながら住んでいるとのことです。

 森本ちかさんは移住に関しては、「価値観の転換がないと移住はできない」という言葉をいただきました。
お金ではない価値観をもつことと、都会では隣に誰が住んでいたのかさえ知らないでもよかったが地方に来るとそういう姿勢ではいけないこと、自らがコミュニティの中に入り、自分を見せていくことで周りの人々も自らの生活をみせてくれるというライフスタイル。
 森本さんは何回も、下浦の方たちを大きな家族の様だと言っていました。

 私はお話を聞いてみて、生きづらさのような何かが本州での生活にあり、生き直しの場として天草市下浦に住むことを選択したのではないかと思いました。森本さんご夫妻のような希望を持っている人に対して地方公共団体や移住を支援する団体、中間支援組織がいかに移住者一人ひとりの希望に沿うサポートできるかがカギなのではないでしょうか。


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 9月22日(火)になり、JR九州の津高守さんと 内田洋行の若杉浩一さんもこの「移住班」に加わわってくれたので、そこから更に調査をしました。ー私たちの班は多くを調査に費やしました。

 コミセンに大阪からの移住者の布施玲子さんに来てもらい、ご主人のダンさんとの生活の様子をお伺いしました。ダンさんはダン・スパクラーさんといい、アメリカ人でオハイオ州の出身。お仕事はシステムエンジニアで、天草に来る前は大阪にいたとのことです。仕事は日本のように会社でガッツリ働くというスタイルではなく、SOHOの働き方です。アメリカの会社の仕事をしているため、時差がある仕事になり、つまり、アメリカ時間で働くので、日中はダンさんの好きなこと、したいことに使える時間があります。ダンさんは、日本の野鳥の会や探鳥の会に入り、カヤックやサイクリング、山登りを楽しんでいます。この他に土からつくって無農薬の野菜を栽培しています。
 奥さんの玲子さんは、8.5㎞先の農園で仕事をしています。自転車で通っているとのことです。
移住に際しては、2年前グリーンライフ天草の金焼きにある宿泊施設にとまり、実際に動いてみたそうです。天草は空港に近く便利とのこと。JR九州のA列車を使っているとのことでした。

 布施さんによりますと、移住の決定打は、テレビでみたイチゴ農家のご夫婦の様子がとても良かったとのことで、移住してからこの御夫婦に会いにいったそうです。

 ↓布施玲子さんから話を聞く「移住班」の面々。 IMG_6374
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 そうこうしているうちに、森本ちかさんと森本大祐さんの作ったアートを見るために、本渡の丸尾焼に行く時刻となりました。
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まず22日の休日に仕事のため出勤していた森本大祐さんの職場に大祐さんを迎えにいきます。

 大祐さんは、下浦の石場地区から天草・本渡の職場まで自転車通勤しているとのことです。
私たちは若杉さん運転の車で移動したのですが、結構な距離がありました。

 蓮池鶏卵といい、鶏肉加工の工場です。ハラルに使う肉の加工をしているとのことです。
 ハラルとは、イスラム教徒が食べていい食品。特別に聖別されたもので、この鶏肉加工工場の一部はこのハラルのための棟があります。
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 森本ちかさんとこの蓮池鶏卵の社長について話している内に、ひとつのことがわかりました。

 蓮池鶏卵の社長は若杉浩一さんの熊本高校時代の同級生でした。熊本高校から一橋大学に入り、
その後は実家であるこの蓮池鶏卵を継ぎました。

 若杉さんもビックリ!!!!37年ぶりの再会となりました。
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                再会うれしい!!
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 感激の対面を終えた後は、森本大祐さんの作品を見るために丸尾焼へ向かいます。

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 見慣れぬものがあります。↓
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               これは楽焼の窯です。↓
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       火がついたまま もみ殻の上に置きました。
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                 そして水の中へ
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 アマクサローネ(天草+サローネ:見本市)http://amakusalone.com/about/という
 まちじゅうギャラリーが2015年10月31日(土)〜 11月4日(水)に開催されるのですが、
 そのプレイベントとして楽焼体験やバーベキューが9月のシルバーウイークに開かれました。
 この楽焼作品は、その時のものです。

                  楽焼完成!!
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    「移住班」メンバーは森本ちかさんの詩や森本大祐さんの作品を鑑賞。
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  森本大祐さんからお話を聞いたところ、はじめは天草で作品を創ることができるとは
 考えていなかったそうです。もともとアート作品を創っていた大祐さんですが、
  来てみたら、環境があったのでつくり始めたということでした。

        「移住して来てみたら自分が心の中で求めていた環境があった」

 環境を自分一人で創りだすのはなかなか難しいと思います。それが移住先にあったので
 自分のしたいことをすることができたというのは、森本ご夫妻と天草の相性がよいのだろうなあと
 思いました。

  丸尾焼での楽焼やアート作品を鑑賞後、次は 布施玲子さんとダンさんご夫妻の活動の地へ。
 
 そこは、私の民泊先である近藤康彦さんのお宅の目の前の桟橋から下りていく
 内海でした。
 
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 若杉さんとイ君もシーカヤックにちょっと乗らせてもらいました。
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 その後は、ダン家に行きました。
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       小鳥のためのエサ台です。↓。
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 森本ちかさん 布施玲子さんの話を聞き、蓮池鶏卵に行き、丸尾焼で森本夫妻の作品をみたり楽焼の仕上がりをみたり、ダンさんのシーカヤックに乗ったり、ご自宅に入れてもらったりと盛り沢山の調査になりました。

 充実した調査になりました。

 次の日の発表風景。イ君が韓国語でリード。
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 移住班の発表より、移住者お二人の気持ちを聞かせていただいたことの方が価値があったというご意見?!
もありました。
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  首都圏や政令指定都市に人口、働く場所、教育施設等必要かつ便利な機関が集中し、その結果交通網がよくなり、都心回帰がある一方、地方というか田舎の人口が減少して、地方公共団体の機能が縮小したり、地方には仕事がないと言われているかと思います。

 しかし、今回の2組の移住ご夫妻からお話を伺うと、地方に移住して自分に合う安心安全の充実した生活をしたいと希望していました。この2組のような方方は他にも多いのではないでしょうか。

 森本ちかさん 布施玲子さんと話をしてみて、移住者には、価値観の転換と、(移住前)ライフスタイルのイメージつくり、地元の方と一緒にやっていこうとする姿勢、なんでも受け入れる広い心が必要なのではないかと思いました。

 このような人々に対して、地方公共団体は、空き家情報や、仕事情報、先輩移住者の話が聞ける会など様々な選択肢を提供することが移住者の安心につながるように思えます。
 
 課題は移住者同士のネットワークをつくることだということでした。

 今後は移住者がまちや地域を救うのではないかと思います。

 人がたくさんいるところではone of themの感覚を持つ人もいるかと思いますが、
 田舎では一人ひとりが地域の主役!

 森本さんや布施さんをみると、自分たちだけでなく、周りの方、天草で出会う方もハッピーにしてあげたいという気持ち、自分たちの住む地域を何とかよくしたいという気持ちが伝わってきました。お二人とも今回の下浦フィールドワークの民泊先になって参加者を受け入れてくれています。

 私は今後増える可能性があるこのような移住者の方たちにとって、地方で心豊かに生きるための機関としての図書館(私の研究テーマが図書館なので)の在り方を考えていく必要があることを知りました。

                                岩   井 

 











 

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