建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
日時:2015年7月30日(木)
会場:天草市の下浦地区コミュニティセンター

天草下浦フィールドワーク2015第4回研究会(第4回事前勉強会)が多数の下浦住民の方々の参加により開催されました。

今年は「天草下浦フィールドワーク2015」を9月19日(土)〜9月23日(水・祝)に開催することとしています。例年より長丁場ですが、そのための準備を今年2月より着々と進めてきました。

さらに驚くなかれ。今回の事前勉強会にはスペシャルゲストが下浦地区コミュニティセンターにきてくれました。
あのアカデミー賞受賞『おくりびと』の脚本家としても知られ、熊本県営業部長として大活躍のキャラクター「くまモン」の生みの親としても名高い放送作家の小山薫堂さんがついに下浦にきてくだったのです。

もともと小山薫堂さんは天草ご出身です。そして言わずと知れた天草下島の御領大島を治めた大庄屋の国民屋(くたみや)小山家の惣領の流れをしっかりと汲まれた末裔。
一方、わが国はおろかいまや世界をまたにかけて、脚本家、放送作家、デザイナー、料亭のオーナー、数々のラジオ番組のパーソナリティー等、多彩で幅広い活動を展開しています。

今回は、TOKYO FMのラジオ番組の取材として小山家九代として名高かった普請棟梁小山秀之進の時代から数え100余年の時を経て下浦石工との再会を果たされた、というストーリーで登場されていたのです。

そこで下浦地区へご案内したのは小山秀之進研究者として御縁とこだわり一杯のふ印ボス先生。その一環として下浦石工の方々と対面を果たされ、そこで小山薫堂氏を囲んで下浦石工のみなさんやふ印ボス先生たちとの対談がなされたのです。

いつかは下浦へ小山薫堂さんを連れて来ることになると思います、とふ印ボス先生はかねてより伝えていたのですが、それがほんとうに実現して一番喜んだのは当の下浦石工の方々だったようです。

ふ印ボス先生は20代終わりの頃より師匠だった村松貞次郎先生に小山秀之進の存在を示唆されて以来、機会があるごとに小山秀之進研究を進めてきたのですが、天草市本渡町の小山家を探訪したことが契機となり近年は小山家墓所調査や長崎市のグラバー邸やオルト邸、リンガー邸に用いられた下浦石の遺構調査から小山秀之進主導下で行われた普請にどのように下浦石工が貢献したのか、実証的な再評価を進めています。
本格的な人物調査を重ねるうちに意外なことから小山秀之進のヤシャ孫が有名な小山薫堂さんに当たることが判明、邂逅への紆余曲折はあったものの、今回の対談につながりました。 
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小山秀之進が普請棟梁をつとめた「浦島屋」。現在は復元されたもの。
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まず、2015年7月30日(木)午後4時に熊本県宇城市の「三角西港」で小山薫堂さんと待ち合わせをしました。
当地は、2015年6月〜7月にドイツのボンで開催されたユネスコ世界遺産会議を経て、見事に世界文化遺産に登録された『明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業 』のシリアルノミネーション(ネットワーク型構成資産)のひとつとして高い評価を受けています。

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この日、すでに東京から来島したTOKYO FMの取材クルーを午前中からあちこち案内していた下浦石工の末裔千葉友平さんが、ついに三角西港で小山薫堂さんと邂逅しました。

明治期の西洋式港湾として重要な役割を背負っていた三角西港の創建当時のジオラマ模型を見ながら対談収録が行われました。その後、目の前の重厚感溢れる石造りの港湾施設を歩きながら、二人の対談が展開していきます。
それにしても流石は小山薫堂さん。話題の聞き出し方がゆったりと優しくソフトで、とてもお上手です!

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小山薫堂さんへの説明は、そのままFMラジオのリスナーに届けられることとなるのでしょうが、お話とともに、併せて潮流の流れや行き交いする船舶の雰囲気等が鈴木ディレクターの巧みな録音技技で集められていきます。ふ印ボス先生の説明もまた、いつもにも増して熱がこもっていきます。

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さて、三角西港から天草へ。約1時間の移動となりました。下浦石工の千葉友平氏の運転する軽ミニバンにTOKOYO FMクルーも乗車。なんと助手席には小山薫堂さんが乗車することとなり、運転する千葉君の真剣な横顔を見ていると、いつもとは違った緊張の趣きです!

ようやく下浦地区へ近づいていきました。
まずは下浦地域の入り口のある「下浦石工の記念碑」拝見しました。

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そこから下浦地区コミュニティセンターに無事到着。
すでに下浦石工や下浦にお住まいの方々がたくさん集まっていました。
みなさんを交えたラジオ収録が始まります。
そこでは、これまでの下浦石工の歴史や世界での活躍の様子や今までの暮らしぶり等、たくさんのエピソードが飛び交います。
ふ印ボス先生のお話や下浦古老のお話を聞いていると、下浦石工は天草を離れて、日本国内だけではなくマカオや東アジアにまで仕事の現場が及んでいたとことがわかってきました。
このお話には、世界をまたにかける小山薫堂さんも感嘆の声。
どんな話が実際に行われたのか、興味がある方はぜひともTOKYO FMのラジオ番組をお聞きください!!
2015年8月22日(土)夜の放送となります。

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 小山秀之進の末裔小山薫堂さんと下浦石工の方々の再会は百年余ぶりとも言えるのですから凄い!そこで記念写真を撮影することになりました。(この中に、くまモンのモデルとなった人物が数名紛れ込んでいます!というにはきつ〜いジョーク!一同爆笑)
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下浦名物のお祝い赤飯は、なんとふ印ボス先生の「還暦お祝い」。佐々木さん、ありがとうございました。
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小山クルーが帰られた後は、しっかりと今年の天草下浦フィールドワーク2015開催へ向けた勉強会が行われました。
下浦実行委員会からも積極的な意見が出て、九大チームと活発な議論が行われました。

「今年は取り組んだ成果を、表にわかりやすくお見せできるような形に残したいですね」とふ印ボス先生。

天草下浦フィールドワーク2015も、2015年9月19日(土)開催まで残り2ヶ月を切りました。
ここからが正念場です。気合いをいれていきましょう。

ちなみに小山薫堂さんとふ印ボス先生のラジオ対談は、2015年8月22日(土)夜10時より東京FM系列のラジオで聞けるはず。
福岡はFM FUKUOKA。
熊本はエフエムクマモト。
となります。御期待乞う!!

取材記者・アートプロジェクトを支える創造人材派遣ならおまかせ!藤原旅人拝
 

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