7月27日、学部「芸術文化環境論」の授業ではTOTOギャラリー間について筏久美子氏からお話をいただきました。
筏久美子さんはTOTOギャラリー・間の副代表、文化推進部の企画主幹でいらっしゃいます。
TOTOギャラリー・間は1985年、TOTOの文化活動として誕生し,今年で30周年になります。
建築・デザイン文化の育成を目的とした展覧会・講演会を展開し、TOTO出版と連動して出版活動も行なっています。
「間」というのは人間・時間・空間そしてそれぞれの間合いをあわらす日本特有の概念を名称化し、それらすべてを包括した文化表現・情報発信のプラットフォームを目指しています。
そして、TOTOギャラリー・間の設立は、日本のバブル経済の時代に、建築の文化的・社会的価値への認識が拡大し、浸透した時期を背景としています。
1)バブル景気の追い風により、建築の文化的、経済的、社会的側面が発達。
●公共建築コンペの活発化、コミッショナー制度による若手建築家の機会拡大
●外国人建築家登用によるポスト・モダン建築の最盛期
●建築の投機的側面の拡大
2)社会の成熟化にともなう企業メセナの活発化。
●企業パトロンによる芸術文化育成の機運が高まる→1989年に東急bunkamura、セゾン美術館が開館。
●公立美術館での建築展の開催増加
3)建築メディアの多様化および一般認知が進んだ。
TOTOギャラリー・間は・運営委員会を設けて出展者を選定し、設立当初は名称にTOTOの冠を付けず、企業色を排除したニュートラルな活動体としました。設立当初の運営委員は安藤忠雄、川上元美、黒川雅之、田中一光、杉山貴志の各先生たちで、2015年現在の組織構成には特別顧問に安藤忠雄氏、委員としては岸 和郎、内藤 廣、妹島和世、エルウィン・ビライの各氏になっています。TOTOギャラリー・間のミッションは空間(展覧会)、言葉(講演会・シンポジウム)、テキスト(書籍出版)この3つの表現媒体によって建築家に発表の場を提供することです。
多くの展覧会が開催されており、現在は台湾の地方都市・宜蘭(イーラン)を拠点に活動する設計集団、フィールドオフィス・アーキテクツによる展覧会「フィールド・オブ・アーキテクツ展」います。
次回は、TOTOギャラリー・間30周年記念展として民族、歴史、国境、経済、気候などさまざまな要素が作用し合い、ダイナミックに流動するアジアの現実の中で、
5人の建築家は CHATアーキテクツ(タイ・バンコク)、チャオ・ヤン(中国・大理)、大西麻貴+百田有希(東京)、ボチョン・ギア(ベトナム・ホーチミン)、リン・ハオ(シンガポール)になります。そして今度は5人の建築家から日本を縦断して各都市で単独講演会をします。特に九州での講演会はヴォ・チョン・ギア氏からの講演会を10月20日(火)に聞くことができます。
ヴォ・チョン・ギア氏のプロフィールは次のようになります。
ヴォ・チョン・ギア Vo Trong NGHIA (ベトナム、ホーチミン)
今度の特別講義をとおしてTOTOギャラリー・間、TOTOという会社の文化的活動についても詳しく知ることができました。
私は東京に行った時に様々な美術館に行きましたが、TOTOギャラリー・間は、まだ行ったことがないので、
次回、東京に行ったら、必ずTOTOギャラリー・間に行ってみようと思います。
また、10月20日に行われる九州での講演会、ヴォ・チョン・ギア氏の講演会も運営スタッフとして展覧会企画に関わり、自らの研究活動の糧と出来ることを楽しみにしております。
(M1張 榮)
2.社会の成熟化にともなう企業メセナの活発化。