(「おいでよ!絵本ミュージアム」開会のテープカット)
福岡アジア美術館で開催されている「おいでよ!絵本ミュージアム2015」のオープニングに参加してきました。一昨年からこの特別展は見ており、今年も期待して行ってきました。これは絵本にでてくるキャラクターや設定を実際につくり展示したり、絵本の原画をみたり、あちこちにある絵本を子どもたちが勝手にみたりするもので、今年は谷川俊太郎「ほしにむすばれて展」、五味太郎「ひろがるあそびの世界展」、いわいとしお「うみの100かいだてのいえ展」、わたなべちなつ「かがみのえほん展」、内田麟太郎・山本孝「おばけのきもだめし展」「すくすくそだてこどもたち展」、おおでゆかこ「シロクマくつや展」、わかやまけん「しろくまちゃんのほっとけーきとあかちゃんのえほん展」があり、この他中央には絵本のひろばがあります。
オープニングでは、この前のアメリカ図書館研修で知り合った児童書専門の偕成社・今村正樹社長と再びお目にかかりました。この他に「100かいだてのいえ」シリーズのいわいとしおさん、「かっぱのこいのぼり」「おばけのきもだめし」の絵本画家の山本孝さんもみえていました。
いわいとしおさんは、九大芸術工学府の知足先生と知り合いで、この大学にも来たことがあるとのことです。
「100かいだてのいえ」シリーズのカニの前で喜ぶこどもたち。
ipadで子供たちが描いた星やキャラクターがそのまま大画面にでてくるというしくみは大人気でした。
↓は絵本作家の山本孝さん。
山本さんは飾らない自然体の方のように見えました。着ているシャツにお化けがプリントされていますが、これはこの後のワークショップのための衣装とのこと。↓は山本さんの画。絵に余白がないのは、余白恐怖症とのこと!? 大きくてゆったりした絵。でもイキイキとしていて活動的な印象です。
↓これもデジタルコンテンツで、水の中(という設定)に顔を入れたら自分の顔がカッパになって見えるというもので、子どもたちはすぐさまカッパになることができるこの箱に顔をだし、楽しんでおりました。
この展覧会の楽しみ方は人それぞれです。
テレビの取材が来ていました。
↓はつ「しくみデザイン」の中村俊介さん。
この展覧会を通して、子どもたちは絵本のある場面の展示物やキャラクターの展示を喜んでいたように思えます。絵本の中のものが実際に自らの手で触れることができることが楽しかったのかと思います。しかし、公共図書館と同じようにあちこちに座って絵本を読むということはしていました。見知らぬ大人を含む沢山の人の中にあっても子供たちは本を読むということは忘れてなかったのが印象的です。また、幼稚園の先生が園児たちを連れて来ていましたが、子どもたちは集団で先生の後につき、皆で一つのものを見て楽しさを分かち合っていました。この「絵本ミュージアム」を見ていると、公共図書館の児童室でも取り入れられることがあると思えるのです。平面のものを立体にしたり、ちょっとハラハラするものや素早い変化が感じられるもの、集団で一つのものを分かち合うという行為を公共図書館でも取り入れることができたら、子どもたちはもっと生活の中に図書館を取り入れるのかと思いました。
岩 井