建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
毎日新聞より転載。

新国立:「費用拡大、承知せず」安藤審査委員長が会見

毎日新聞 2015年07月16日 11時29分(最終更新 07月16日 11時53分)


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建設費が高騰して批判を高まっている2020年東京五輪・パラリンピックの主会場の新国立競技場のデザインを選定した建築家の安藤忠雄氏(73)が16日、東京都内で記者会見。安藤氏は文書で見解を発表し、7日に了承された実施設計で総工費2520億円に膨らんだことに関し「大幅なコストアップにつながった項目の詳細について承知していない」との立場を強調した。 

建設費が高騰して批判を高まっている2020年東京五輪・パラリンピックの主会場の新国立競技場のデザインを選定した建築家の安藤忠雄氏(73)が 16日、東京都内で記者会見した。安藤氏は文書で見解を発表し、7日に了承された実施設計で総工費2520億円に膨らんだことについて「消費税増税と物価 上昇に伴う工事費の上昇分は理解できるが、それ以外の大幅なコストアップにつながった項目の詳細について、また基本設計以降の設計プロセスについて承知し ていない」との立場を強調した。

 安藤氏は、建設主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が国際デザインコンクールを実施して12年11月、イラク出身の女性建築家、ザハ・ハ ディド氏のデザインに決めた際の審査委員会の委員長。安藤氏は実施設計を了承した7日のJSCの有識者会議は欠席しており、新国立競技場の批判が高まって から見解を述べるのは初めてとなる。

 巨大な2本の弓状のキール構造で開閉式屋根を支えるデザインの選定を安藤氏は改めて「大胆な建築構造が表れたアリーナ空間の高揚感、臨場感、一体感が際立っていた」と説明した。

 当時は1300億円の予算を前提に選定。だが技術的に困難な構造である上、資材や人件費の高騰を受け、総工費は昨年5月の基本設計時の1625億 円から2520億円に大幅に膨らんだ。しかし、安藤氏は「設計チーム、建設チームが知恵を可能な限り出し合い一丸となって取り組むことで、未来に受け継が れる新国立競技場が完成することを切に願っている」と説明した。【藤野智成】 


新国立:経緯に関する説明文…安藤審査委員長が配布

新国立競技場の設計をめぐる問題について、基本構想国際デザイン競技審査委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏が16日午前、東京都内で記者会見を開いた。報道各社に配布した経緯に関する説明文は次の通り。
 

 新国立競技場改築について、国際デザイン競技審査委員長として、ザハ・ハディド氏の提案を選んだ審査の経緯をここに記します。

 老朽化した国立競技場の改築計画は、国家プロジェクトとしてスタートしました。「1300億円の予算」、「神宮外苑の敷地」、オリンピック開催に 求められる「8万人の収容規模」、スポーツに加えコンサートなどの文化イベントを可能とする「可動屋根」といった、これまでのオリンピックスタジアムには ない複雑な要求が前提条件としてありました。さらに2019年ラグビーワールドカップを見据えたタイトなスケジュールが求められました。

 その基本デザインのアイデア選定は、2020年オリンピック・パラリンピックの招致のためのアピールになるよう、世界に開かれた日本のイメージを発信する国際デザイン競技として行うことが、2012年7月に決まりました。

 2013年1月のオリンピック招致ファイル提出に間に合わせるため、短い準備期間での国際デザイン競技開催となり、参加資格は国家プロジェクトを遂行可能な実績のある建築家になりましたが、世界から46作品が集まりました。

 デザイン競技の審査は、10名の審査委員による審査委員会を組織して行われ、歴史・都市計画・建築計画・設備計画・構造計画といった建築の専門分 野の方々と、スポーツ利用、文化利用に係る方々、国際デザイン競技の主催者である日本スポーツ振興センターの代表者が参加し、私が審査委員長を務めまし た。グローバルな視点の審査委員として、世界的に著名で実績がある海外の建築家2名も参加しました。

 まずはじめに、審査委員会の下に設けられた10名の建築分野の専門家からなる技術調査委員会で、機能性、環境配慮、構造計画、事業費等について、 実現可能性を検証しました。その後、2段階の審査で、デザイン競技の要件であった未来を示すデザイン性、技術的なチャレンジ、スポーツ・イベントの際の機 能性、施設建設の実現性等の観点から詳細にわたり議論を行いました。2012年11月の2次審査では、審査員による投票を行いました。上位作品については 票が分かれ、最後まで激しい議論が交わされました。その結果、委員会の総意として、ザハ・ハディド氏の案が選ばれました。

 審査で選ばれたザハ・ハディド氏の提案は、スポーツの躍動感を思わせる、流線型の斬新なデザインでした。きわめてインパクトのある形態ですが、背 後には構造と内部の空間表現の見事な一致があり、都市空間とのつながりにおいても、シンプルで力強いアイデアが示されていました。とりわけ大胆な建築構造 がそのまま表れたアリーナ空間の高揚感、臨場感、一体感は際だったものがありました。

 一方で、ザハ・ハディド氏の案にはいくつかの課題がありました。技術的な難しさについては、日本の技術力を結集することにより実現できるものと考 えられました。コストについては、ザハ・ハディド氏と日本の設計チームによる次の設計段階で、調整が可能なものと考えられました。

 最終的に、世界に日本の先進性を発信し、優れた日本の技術をアピールできるデザインを高く評価し、ザハ・ハディド案を最優秀賞にする結論に達しました。実際、その力強いデザインは、2020年オリンピック・パラリンピック招致において原動力の一つとなりました。

 国際デザイン競技審査委員会の実質的な関わりはここで終了し、設計チームによる作業に移行しました。

 発注者である日本スポーツ振興センターのもと、技術提案プロポーザルによって日建設計・日本設計・梓設計・アラップが設計チームとして選ばれまし た。2013年6月に設計作業が始まり、あらゆる課題について検討が行われ、2014年5月に基本設計まで完了しました。この時点で、当初のデザイン競技 時の予算1300億円に対し、基本設計に基づく概算工事費は1625億円と発表されました。この額ならばさらに実施設計段階でコストを抑える調整を行って いくことで実現可能と認識しました。

 基本設計により1625億円で実現可能だとの工事費が提出され、事業者による確認がなされた後、消費税増税と物価上昇にともなう工事費の上昇分は 理解できますが、それ以外の大幅なコストアップにつながった項目の詳細について、また、基本設計以降の実施設計における設計プロセスについては承知してお りません。さらなる説明が求められていると思います。

 そして発注者である日本スポーツ振興センターの強いリーダーシップのもと、設計チーム、建設チームが、さらなる知恵を可能な限り出し合い一丸となって取り組むことで、最善の結果が導かれ、未来に受けつがれるべき新国立競技場が完成することを切に願っています。

2015年7月16日 安藤忠雄



新国立:「安藤氏の1票重い」 審査会、3作品同点の中

毎日新聞 2015年07月16日 11時40分(最終更新 07月16日 11時54分)


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報道陣に公開された新国立競技場の実施設計段階の模型=東京都内のホテルで2015年7月7日、竹内幹撮影

新国立競技場を巡り、デザインの基本構想を選定する審査委員会で委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏が16日、東京都内で記者会見に臨んだ。実際の建 設にあたり、巨額のコストがかかることが判明した英国の建築家、ザハ・ハディド氏の作品が選ばれた経緯をたどると、審査の過程で安藤氏が強く推していた様 子が浮かび上がる。

 「日本の技術力のチャレンジという精神から17番がいいと思います」。2012年11月7日。日本スポーツ振興センター(JSC)が基本構想のデ ザインを募った国際コンクールの最優秀賞を選ぶ審査委員会で、安藤氏が発言した。委員の一人でもあるJSCの河野一郎理事長が「いかがでしょうか」と尋ね ると、「賛成」の声が上がった。17番はハディド氏の作品だ。

 情報公開請求で開示された議事録によると、2次審査に残った11点のうち、委員長を含む委員10人による投票では、ハディド氏の作品を含む3点が 同点。だが、他の委員から「委員長の1票は2票か3票の重みがあると判断すべきかと思う」などと促され、安藤氏がハディド氏の作品を選んだ。審査委員会 も、募集要項などを了承したJSCの国立競技場将来構想有識者会議も原則的に非公開だった。

 同年11月15日、審査結果を発表する記者会見で安藤氏は強調した。「流線型のデザインには躍動感がある。造り上げるのは大変難しいが、日本の土木、建築技術は世界最高レベルにあり、乗り越えていける」

 だが、13年の五輪招致段階で1300億円とされた総工費は、実際の建設段階に向かうと見積もり額が2倍以上に跳ね上がり、計画への反対論は高ま る。建築家の槙文彦氏らのグループは先月5日、昨年5月に公表された基本設計段階の1625億円以内に収まるとする代替案を提言。今月14日の参院内閣、 文教科学両委員会の連合審査会では、民主党の蓮舫代表代行が「(計画を)見直すことなく予算を膨らませてきた」と政府を批判した。

【武本光政、山本浩資】

 

 

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