建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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2015年6月8日月曜日、学部の「芸術文化環境論」授業では特別講義が行われました。
 藤原先生の授業では各地のアートやまちづくりの現場で働いている方々をお招きし、その実際の様子をうかがう機会を設けています。それにより学生は座学以上の現場の様子を学ぶことができます。

 今回の講師は本学のOBで福岡市文化振興課勤務の日下部創さん(芸情卒事務職)、松尾 勝義さん (環境設計卒建築職)です。OBの話ということで学生は親しみをもって講義をきくことができました。

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日下部さん松尾さんは「福岡市の文化政策の展開と課題に関して」というテーマで個人のお話として以下の内容についてご紹介下さいました。

福岡市の文化環境の特徴

② これまでの文化政策

③ 現在とこれから

具体的取り組み

お役所が文化芸術?

まず、福岡市文化芸術振興財団についてなんですが、
・福岡市の外郭団体(市の出資で設立)

    ・主に舞台芸術(演劇,ダンス)
    ・施設を持たない組織(ソフトに特化)
           ⇒市の文化施策の実行部隊

そして福岡市文化芸術振興財団のホムページには次のように紹介されています。
公益財団法人 福岡市文化芸術振興財団(FFAC)は、福岡市における文化芸術の振興を図るための事業を行い、市民の充実した生活の実現と薫り高い市民文化の創造に寄与することを目的に、1993年3月に設立されました。
文化芸術は、すべての人の生活の中にあるもの。「アートと市民をつなぐ」を目標に、発足以来、1人でも多くの方が身近に文化芸術に触れ、感動し、熱くなれる“きっかけ”を提供しています。
(出所:
福岡市文化芸術振興財団ホームページ

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講義の内容ついてに話を続けて行きます。
まず、日下部創さんから聞いた1番目の話は福岡市の文化環境の特徴だったんですが、
福岡市の文化環境は民間の力で盛り上がって来て民間主導の文化で市民の文化活動が非常にできているということでした。例えば、市内の劇団:ギンギラ太陽’sなどがあるということでした。その以外にバレエ、能楽も活躍されています。そして福岡市には西鉄ホール、イムズホール、エルガーラホール、JR九州ホール等の民間ホールも多数がありました。

つぎには2番目でこれまでの文化政策について話をつづけます。この段階では貸館中心の市の文化施設を紹介してもらいました。貸館中心の市の文化施設は福岡で一番古い文化施設・福岡市民会館(1963)、福岡サンパレス(福岡勤労者福祉センター、1981)、千代音楽・演劇練習場(パピオビールーム、1991)、祇園音楽・演劇練習場(ポンプラザホール、2000)、大橋音楽・演劇練習場(ゆめアール大橋、2005)  があります。

 自主事業中心の市の文化施設としては1999年にできた博多座がありました。博多座は福岡市民以外にも有名で、外国人の私も知っています。博多座は1454席の演劇専用劇場として福岡市,東宝,松竹,地元の経済界が出資して設立された「株式会社博多座」が運営しており、公演はミュージカル、ジャニーズ、歌舞伎、宝塚等が1か月単位の公演をしています。これ以外の市の文化施設として、福岡市美術館や福岡市博物館、アジアの近現代美術を専門とする世界で唯一の美術館・福岡アジア美術館があります。アジア美術館では福岡アジア美術トリエンナーレが有名ですが、そのトリエンナーレは去年5年ぶりに開催されました。私もその時参加して様々な作品を鑑賞したり、アーティストたちに会ったりして、日本に留学して非常に良い経験だと思ったのを思い出しました。

 その後は3番目の話現在とこれからということで話が行われました。
まずは福岡市文化芸術振興ビジョンについてでした。基本理念としては全ての人々にとっての文化芸術,未来へ向けての文化芸術を、基本目標としては文化芸術による,元気で,多彩な人々が集う街を目指しています。でも福岡市文化芸術振興ビジョンは多くの文化関係者の意見を集約してつくられたので、市民に伝わりにくい面があるとのことでした。
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つづいて4番目には具体的な取り組みでした。役割分担としては音楽の場合、アクロス福岡(県)、舞台芸術の場合には福岡市文化芸術振興財団、博多座。美術の場合には市美術館,博物館アジア美術館。興行の場合にはサンパレス,市民会館、博多座です。そして福岡市文化芸術振興財団では様々な公演等を行われてきました。その中ではプロデュース公演として既存の劇団やプロモーターのもっているレパートリーではなく,財団自らが演出家,脚本家,俳優などを選定し公演を制作する「プロデュース公演」をおこなっています。昨年実施したプロデュース公演「パンチネロ~たいせつなきみ~」という公演は絵本を原作とした公演として今年も再演の予定です。そしてコンテンポラリーのプロデュース公演の「韓国-日本 共同制作プログラム」として、日本と韓国のアーティストが、福岡と釜山を行き来しながら作品制作を行うというのもあります。おととしは日本で,昨年は釜山で公演をしました。

最後にお役所が文化芸術?ということでした。
その中でどうしてお役所が文化芸術に携わるのかということがありました。理由としては民間だけでは,本当に芸術を必要としている人に手が届かないから、生活に余裕のある人々しか文化芸術を享受できないのはよくない、文化芸術は「趣味」ではないので多くの人々が享受すべきである等の理由がありました。
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 その同時に九州大学芸術工学部芸術情報学科出身の日下部さんは、学生たちが芸工で学んでいることを活かす職種には 学芸員,建築職,事務職等があることではないかということでそれらの職種についても説明していただきました。
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 次に建築職の松尾さんが、九州芸術工科大学卒で学部では環境設計学科で、大学院の時は宮本雅明先生のところに所属していたこと、担当した主な工事:福岡市臨海工場グリーンパーク、今宿にある地域交流センターさいとぴあ、舞鶴小学校・中学校であること、工事の時の様子を教えて下さいました。
 また、現在の福岡市の職員が約1万人いること、九州大学芸術工学府のOBOGが52名ということも知らせてくれました。

 この授業で2つのことがわかりました。
 一つは福岡市の文化政策がどのようなものであるのか、そして、教育文化にかかわる施設の建築現場の様子、もう一つは、芸工を卒業して市役所に進みたい人にとっての市役所での仕事の様子です。

 最近、20代の大学生だったら誰でも悩んでいる卒業したらどんな仕事ができるか、どんな仕事をしたらよいのかということで悩んでいると思っています。でも、今度の特別講義で福岡文化振興課の日下部創さん、松尾 勝義 さんからの話を通して現在芸工を学んでいる学生たちは少しでも自分の将来の道を詳しく考える機会ができるようになったと考えられます。


M1 張 榮

 

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