建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

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【御礼】

「2015年度 第1回、九州大学芸術文化環境学会」にご出席いただいたみなさま
ふ印ラボ(九州大学大学院芸術工学研究院藤原惠洋研究室)をご支援いただくみなさま

お世話になっております。
「2015年度 第1回 九州大学芸術環境学会」 幹事役の張慶彬(ジャン・ギョンビン)と申します。

昨日は、平日の夕刻というお忙しいお時間の中、
「2015年度 第1回 九州大学芸術文化環境学会」へご参加いただき、どうもありがとうございました。

日々、同じ暮らしを過ごしている私たちにとって地元の情報や小劇場、パブリックアートというのはいったい我らの暮らしにどんな意味があるだろう?といった根本的な質問から始まった今回の学会は「文化資源への省察と活用への挑戦」というテーマで行うことになりました。

未熟な学生たちの発表でございましたが、ゲスト対論者の大澤さんからはじめ今回の学会に出席していただいたみなさまのおかげで既存の欧米社会のシステムを真似てきた我らにとって東アジア3カ国における文化資源活用の実態を振り返りつつ、3カ国のそれぞれの独自な文化資源の活用に関して意見を交わしあう有意義な時間になったと思われます。

拙い部分も多々ございましたが、発表者3人のみならず参加した学生たちはみなさまのご意見を心に刻み、これからも芸術文化環境の発展を通して地域社会の貢献できるよう研究に尽力していきたいと思っております。

変わらぬご支援、ご指導ご鞭撻をどうぞよろしくお願い致します。



2015年第1回九州大学芸術環境学会 幹事役
九州大学芸術工学府 環境・遺産デザインコース 藤原惠洋研究室 博士2年

張 慶彬(ジャン ギョンビン)拝




【報告 】

201569日(火)午後6時半から、九州大学大学院芸術工学府(九州大学大橋
キャンパス)5号館3階531教室を会場に、2015年度第1回九州大学芸術文化
環境学会を開催しました。

 

「九州大学芸術文化環境学会」は、2009年より包括的な芸術文化環境に関する
実証研究と、より創造的な芸術文化の在り方を議論するために創設されたものです。
母体となる九州大学大学院芸術工学研究院環境デザイン部門藤原惠洋研究室は
地域固有資源、文化財、文化資源、文化遺産、軍監島研究、都市再生、創造都市、
地域再生、地域づくり、まちづくり、アートフェスティバル、アートプロジェクト
といった複眼的で多様な視点を有しながら「創造性による地域再生への挑戦」
という通底したテーマで、社会と実際に関係性を築きながら実証的な
研究を行っています。

 

 

本年度の第1回目となる当該研究会では、「文化資源への省察と活用への挑戦」
として、2つのセッションを設けました。パネリストには、日中韓、各国の
芸術文化環境について、創造都市政策や地域情報化といった視点から研究を行う
3名の方に登壇していただきました。

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佐藤忠文氏(公立大学法人熊本県立大学特任講師、九州大学大学院芸術工学府

博士後期課程)の「自治体におけるオープンデータの広がりと文化資源情報の活用」
というタイトルのもとご発表をいただきました。

佐藤さんは、長らく熊本県菊池市のまちづくりに、携わっていらっしゃいましたが
2014年度には地域おこし協力隊として実際に移住し、まちづくりに携わって
こられました。その中で発起人となって取り組んだ事例の一つが、オープンデータ
事業だったとのこと。オープンデータに関する社会的背景から、先駆的な事例で
ある福井県鯖江市、横浜市の事例、ライセンスフリーで爆発的な普及を見せた
熊本県のゆるキャラ、くまモンの事例等をご紹介いただきました。

防犯、防災といった視点からは活用がなされているオープンデータですが
まだまだ文化的な視点においては黎明期であるとのこと。今後の可能性や
課題が述べられました。

 
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中国内モンゴル自治区出身の馬麗那氏(九州大学大学院芸術工学府博士後期課程)
からは、「北京における文化資源の活用~民営小劇場の事例を通して~」という
タイトルのもと、中国初の民営小劇場への踏査およびインタビューから浮かび
上がってきた、中国の芸術文化環境の最前線をお話いただきました。

中国における演劇は、長らく行政主導の中で創出、公演がなされてきましたが、北京には近年
「蓬蒿劇場」という民営劇場が誕生しています。行政の支援や管理下にありながらも
人々の自発的な活動、表現を支援する公共の場として、その需要はますます
高まっています。

その他、上海の田子坊や北京の798芸術区の事例を挙げながら
中国における芸術文化と公共性について論じられました。

 

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韓国の事例としては、張慶彬氏(九州大学大学院芸術工学府博士後期課程)から
「韓国パブリックアートの意味変容と地域社会とのつながり〜釜山を事例として〜」
というテーマのもと発表をいただきました。韓国におけるパブリックアートの変遷を
日本統治時代の銅像彫刻に始まり、近年行政の支援を受けた地域再生としての
アートプロジェクトといった事例までの一連の流れから捉え直す試みをされました。

特に、近年地域と関わりを持った地域再生型のアートプロジェクトが実施されて
いる甘川文化村、ゴサッギルプロジェクト、アンチャンゴプロジェクトの事例に
対する評価と課題が、張さんの独自の視点と丹念なフィールドワークから
考察され明らかにされました。

 

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後半のセッション2では「東アジアにおける芸術文化環境の課題と展望」という
テーマを設け、ラウンドテーブル形式で、芸術文化環境としての人・モノ・制度を
巡り討論が行われました。

ここでは福岡在住の大澤寅雄氏(株式会社ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室准主任研究員、NPO法人アートNPOリンク事務局、NPO法人STスポット横浜監事)を特別ゲストに招いて、セッション1のそれぞれのテーマを改めて掘り下げると共に、今回のテーマに関係するキーワード、文化資源、公共性、公益性、といった視点から、改めて文化や芸術の役割地域との関係性といったものが考察されました。

日本が近代化する過程において入会地という概念を失ってしまったことに対する危機感や、芸術文化がそのような概念を担保することができるのではないか、といった可能性が述べられました。

ユネスコが制定した国際協定の文化的多様性と文化的権利の行使に関する規定の中で、文化という概念の一つは、共生の方法であるということが述べられています。

芸術の定義は時代の中で絶えず変化しているものですが、この言葉を一つの基軸に手段としてのアートでも、目的としてのアートでも、両方の価値が絶えず行ったり来たりを繰り返し、循環することができれば最も望ましいのではないか、というお考えをいただきました。

 

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研究会後は恒例の赤木酒店へ。日本、中国、韓国のそれぞれの学生の参加もあり
引き続き熱く議論が交わされました。大澤さん、ご参加くださった皆さま、
パネリストのみなさまどうもありがとうございました。

 

國 盛

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