建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
産經新聞

明治時代に建設の奈良少年刑務所を重文に 奈良市に保存団体が発足、ジャズピアニストの山下洋輔さんが会長に就任



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明治時代の姿を残す、奈良少年刑務所の庁舎=奈良市(上條道夫氏撮影)

明治政府が建設した「五大監獄」の一つで、奈良少年刑務所(奈良市)として現存する建物の保存に取り組む団体が奈良市に発足した。ジャズピアニストの山下洋輔さん(72)の祖父が建物を設計した縁から、山下さんが会長を務め、重要文化財への登録を目指している。

 団体は「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」。平成26年10月に設立され、地域住民や作家、研究者ら約40人が参加する。

 刑務所は明治41(1908)年に完成。山下さんの祖父で、旧司法省技官だった啓次郎さんが欧米の監獄を視察して設計した。屋根をドーム状にした表門や、事務所だった2階建ての庁舎。集中管理しやすいように庁舎から5棟が放射状に広がる受刑者収容の舎房。重厚なれんが造りの建物は、五大監獄の中でも明治時代の姿を一番よく残している。

 100年以上たった今でも現役だが、文化財指定はなく、修理や建て替えに制約がない。法務省の担当者は「当面は建て替えの計画はないが、老朽化が著しく耐震性も万全ではない」と話す。

 会は結成したばかりで、署名活動とともに、専門家による勉強会を開き活動方針を探っている。

 11月には、重文指定され今でも小学校として使われている「旧高野口尋常高等小学校校舎」(和歌山県橋本市)の保存に関わった京都大の神吉紀世子教授(都市計画)を招いて勉強会を実施。神吉教授は「いろいろな立場の人が意見を言える場をつくることが必要」と助言し、実際に使う人たちと一緒に将来を考える重要性を指摘した。

 会長の山下さんは会を通じ、「過剰品質ともいえる立派な建物を造った明治の日本に思いをはせた。そのままの姿で後世に伝え、大切にしていく方法を探っていきたい」とのコメントを寄せた。 


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https://www.facebook.com/naraprison
歴史的にも重要な明治の名建築、奈良少年刑務所の建物を後世に伝えたい。「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」のFacebookページです。

4/4の毎日新聞夕刊(東京本社版)に、奈良少年刑務所の写真特集が掲載されました。すばらしい撮り下ろし写真が満載です。Web紙面でも公開されています。ぜひご覧ください。

http://mainichi.jp/shimen/news/20150404dde012040003000c.html



毎日新聞

eye:奈良少年刑務所 世紀超え「監獄」今も

毎日新聞 2015年04月04日 東京夕刊

「二つの円形ドーム屋根を持つ重厚なれんが造りの表門や、中央看視所から放射状に配置された五つの舎房−−。奈良少年刑務所(奈良市般若寺町)は明治政府が全国で建てた「五大監獄」の中で唯一、完全な形で当時の姿を残しており、市民有志による保存運動も起きている。日本の近代化の歩みを今に伝えるとともに、受刑者が暮らす現役の施設でもある建物の内側に入った」

二つの円形ドーム屋根を持つ重厚なれんが造りの表門や、中央看視所から放射状に配置された五つの舎房−−。奈良少年刑務所(奈良市般若寺町)は明治政府が全国で建てた「五大監獄」の中で唯一、完全な形で当時の姿を残しており、市民有志による保存運動も起きている。日本の近代化の歩みを今に伝えるとともに、受刑者が暮らす現役の施設でもある建物の内側に入った。

 明治政府は1908(明治41)年、監獄改良の一環で千葉、金沢、長崎、鹿児島とともに奈良で監獄を建設した。トイレが水洗式に改装されているが、表門、庁舎、舎房などはほぼ当時のまま残っており、木製扉の独居房が並ぶ姿を目にすると過去にタイムスリップしたような感覚になる。定員は726人。2階の看視所から五つの舎房が一望できるだけでなく、床の一部が格子になっていて1階の様子も確認できる。

 主に犯罪傾向の進んでいない少年受刑者と26歳未満の男性受刑者が暮らし、就業日の起床は午前6時50分。点検後、同7時10分に朝食。同8時から正午の昼食をはさんで午後4時40分まで作業し、同5時10分から夕食をとって同9時に就寝する。

 昨年10月には、設計者の故・山下啓次郎氏の孫でジャズピアニストの山下洋輔さんを会長とする「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」ができ、国の重要文化財指定に向けた勉強会を開くなどしている。山下さんは「近代日本発足の象徴として、歴史的価値のある建築物。保存のためにあらゆる努力をしたい」と話している。<写真・文 貝塚太一>

 写真はすべて3月に撮影


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木製扉の上にある部屋番号表示板=貝塚太一撮影
 
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表門にある奈良少年刑務所の表札=奈良市の奈良少年刑務所で、貝塚太一撮影

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上空から見た奈良少年刑務所。手前中央が表門。中央が庁舎、放射状に延びるのが受刑者が生活する舎房=本社ヘリから貝塚太一撮影

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受刑者が生活する舎房内部。放射状に45度の角度をつけて2階建ての「第一寮」から「第五寮」が配置されている。2階の中央看視所(中央)からは格子越しに床下の1階も見える=奈良市の奈良少年刑務所で、貝塚太一撮影
 
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独居房が並ぶ第三寮の1階部分。建設当時からの重厚な木製扉が左右に並ぶ=貝塚太一撮影

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木製扉の上にある部屋番号表示板=貝塚太一撮影

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奈良少年刑務所内に保存されている奈良奉行所の牢舎の一部=貝塚太一撮影
 


奈良県)奈良少年刑務所が移転候補地の調査 開示文書で判明 明治のれんが建築どうなる @
 ニュース「奈良の声」2015
 




奈良少年刑務所。明治のれんが造りの
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建物の老朽化で施設の移転候補地の調査が行われた。写真は表門=2014年12月26日、奈良市般若寺町


明治のれんが造りの建物を現在も使用している奈良市般若寺町の奈良少年刑務所が、建物の老朽化などから移転候補地の調査を行っていたことが、記者が法務省矯正局大阪矯正管区に対し行った行政文書開示請求で開示された文書で分かった。同建物は近代化遺産として貴重とされ、保存運動を展開する市民団体も先ごろ誕生した。建て替えや移転の動きが注視されていた。移転なら跡地利用で建物が残されるのかどうか同省の判断が注目される。

 奈良少年刑務所建物は1908(明治41)年、奈良監獄として建てられた。明治時代、国が監獄施設の近代化を目指して建てた全国の「五大監獄」の一つ。現存しているのは同監獄だけという。洋風の重厚な造りが特徴で、奈良県教育委員会がことしまとめた県近代化遺産総合調査報告書は「日本の近代化の一側面を示す遺構として貴重」と評価している。

 大阪矯正管区が開示した文書は、ことし2月から3月にかけて作成された、いずれも「奈良少年刑務所施設移転候補地の調査結果について」と題する報告書3件。1件の報告書につき1カ所の候補地の調査結果となっていた。確認できたのは報告書の題や作成日のほか、「所在地」「敷地面積」「地権者」「調査内容・調査結果(20項目)」などの項目名のみ。具体的情報はすべて黒く塗りつぶされ非開示だったが、同少年刑務所の移転が検討され、候補地が3カ所あるとみられることは分かった。

 非開示の理由については、行政文書開示決定通知書は「法務省内部の検討、協議に関する情報であり、公にすると外部からの圧力や干渉により、率直な意見交換や意思決定の中立性が損なわれる恐れや移転候補地の住民の間に混乱を生じさせる恐れがあり、移転に関する事務の遂行に支障を及ぼす恐れがある」とした。

 記者はこのほか、建物の耐震性や耐震工事、建て替えについて検討した文書なども開示請求したが、保有していないとされた。

 奈良少年刑務所用度課は同刑務所建物について「築100年以上たち老朽化が進んでいる。施設としては収容者と職員を守る義務がある」としたが、移転候補地の調査結果や跡地利用については「何も決まっていないので答えられない」とした。

 同建物をめぐっては、ことし10月、市民団体「近代の名建築 奈良少年刑務所を宝に思う会」が発足した。地元の自治会代表者や市在住の作家、まちづくり団体関係者、建築の専門家らが呼び掛け人になり、会長には奈良監獄を設計した山下啓次郎の孫であるジャズピアニストの山下洋輔さんが就任した。現在、建物に文化財保護などの規制がないことから、「いつ取り壊しになってもおかしくない状態」として、重要文化財の指定を目指し、勉強会などの活動を始めている。

 「守る会」の呼び掛け人の一人、奈良市在住の作家寮美千子さんは「移転候補地の調査が行われているのに、具体的な情報を公開してもらえないのは残念だ。少年刑務所建物の存続を考えるとき、秘密裏にして市民から遠ざけてしまうのは問題。いざ移転というときに理解が深まらず、反対運動が起こったりして困難につながる。情報を広く市民と共有して、どう臨むべきか共に考えていく姿勢が欲しい」と訴える。 

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