みなさん、こんにちは。
ふ印ラボ同人で、アートボランティア・プランナーを任じている藤原旅人です。
さて日本では、世界にも独特な現象としてさまざまなアートプロジェクトが地域再生や地域づくりと連携しあいながらも百家争鳴している時代ではないか、と批判的にも言われていますが、かく言う私も実際のアートプロジェクトにしっかりと関わりながら、アートボランティア・プランニングを展開していく所存です。どうぞみなさまのご支援や応援を待っています。
そこで、私も末座で関わろうと考えているアートプロジェクトをご紹介します。
さる2015年3月25日(水)、東京・四谷に位置する国際交流基金さくらホールにおいて、来年の2016年度に開催される「さいたまトリエンナーレ」の記者発表が行われました。
ホームページはこちらから。
総合ディレクターは芹沢高志さん。ご存知の方も多いと思いますが、九州を代表するアートプロジェクトとして大きな成果をもたらしてきた大分県別府市で開催されているBEPPU PROJECT「混浴温泉世界」芸術祭で、総合ディレクターとして活躍されてきている御仁です!
今春、神戸大学で開催されていました集中講義を拝聴する機会がありました。この集中講義は「アートプロジェクトは必要か?」という厳しい自問自答形式の問いを立てながら、きちんとアートプロジェクトの現代的意義を説き直すというものでした。これまで、そこに介在するボランティアの成長を見ながらも、同時にアートプロジェクトが有するボランティア管理を批判的に見てきた私には、たいへん有意義な集中講義でした。
その際のご縁で、今回の「さいたまトリエンナーレ」の記者発表にもお招きいただきました。普通であればそう簡単には入れない記者会見に、関係者の一人として参加させていただく機会を与えていただきました。
記者会見は実行委員長である清水さいたま市長の挨拶からはじまりました。
ご自身が他の地域で行われている芸術祭の体験を踏まえた上で、芸術活動をさいたま市でより高めていきたいとのこと。
これまでさいたま市は、Jリーグのチームが2チームあるなどスポーツの都市として理解されてきました。そのイメージを更に多様化させるためにスポーツの都市だけではなく、文化芸術の都市としてもイメージを定着させたいとのことです。
このさいたまトリエンナーレ開催までには、さいたま市が文化芸術都市創造条例」を制定したことが大きく関係しています。
さいたま市がこの条例を制定する過程には、アサヒアートフェスティバル
の加藤種男氏がアドバイザーとして大きな役割を果たされたとのこと。
この条例の制定過程については、吉田隆之氏が文化経済学会誌「文化条例の望ましい制定手法—制定過程等の調査、比較から—」において詳しく論じています。愛知県庁の吉田隆之氏は、文化経済学会〈日本〉や日本文化政策学会で討論を重ねてきた研究同士とも言えるかたです。
「この芸術祭では来場者より、どれだけ多くの参加者を出したかということ
にこだわる」という加藤氏のコメント通り、従来の都市型芸術祭とは一線を
画した芸術祭であるようです。
さて当日の総合ディレクターの芹沢高志さんの言葉を振り返ってみたいと思います。
「プログラムの内容はさいたま市の武蔵浦和、大宮埼玉新都心、岩槻駅周辺の3つの地域を選定し、3つの地域を跨ぐような活動を展開させていく」とのこと。
さらに「今回のトリエンナーレはアートのための芸術祭ではなく、総合的に都市政策の一つだと
思っている」と発言されていました。
また今回のテーマに関して「さいたまは人が生きている都市であり、生活の都市です。人がアートやアーティストに触れる事で、市民ひとりひとりが、じぶんたちが生きていいく未来を発見することを期待しています。そういう思いから、今回のトリエンナーレのテーマを「未来の発見」にした。」
と希望を語っておられました。
会期は2016年9月24日から12月11日までの開催となります。
今年は前哨戦ともなります。そこでプレイベントとして様々なイベントが開催される予定です。
たとえば、ふ印ラボでもおなじみのアーティストで東京藝術大学教授の日比野克彦さんは「種は船」プロジェクトを展開。同じく東京藝術大学先端芸術表現学科で教鞭をとられる小沢剛さんの
「あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き」といった子どもを対象にしたプロジェクトも展開していくとのこと。
今秋にはアーティストインレジデンスの大掛かりなシンポジウムも開催される模様です。
その結果、これまでの都市型芸術祭とは一風違った芸術祭になりそうです。
どうぞご期待ください。
次なる情報が分かり次第、お知らせしていきたいと思います。
文責:藤原旅人
ふ印ラボ同人で、アートボランティア・プランナーを任じている藤原旅人です。
さて日本では、世界にも独特な現象としてさまざまなアートプロジェクトが地域再生や地域づくりと連携しあいながらも百家争鳴している時代ではないか、と批判的にも言われていますが、かく言う私も実際のアートプロジェクトにしっかりと関わりながら、アートボランティア・プランニングを展開していく所存です。どうぞみなさまのご支援や応援を待っています。
そこで、私も末座で関わろうと考えているアートプロジェクトをご紹介します。
さる2015年3月25日(水)、東京・四谷に位置する国際交流基金さくらホールにおいて、来年の2016年度に開催される「さいたまトリエンナーレ」の記者発表が行われました。
ホームページはこちらから。
総合ディレクターは芹沢高志さん。ご存知の方も多いと思いますが、九州を代表するアートプロジェクトとして大きな成果をもたらしてきた大分県別府市で開催されているBEPPU PROJECT「混浴温泉世界」芸術祭で、総合ディレクターとして活躍されてきている御仁です!
今春、神戸大学で開催されていました集中講義を拝聴する機会がありました。この集中講義は「アートプロジェクトは必要か?」という厳しい自問自答形式の問いを立てながら、きちんとアートプロジェクトの現代的意義を説き直すというものでした。これまで、そこに介在するボランティアの成長を見ながらも、同時にアートプロジェクトが有するボランティア管理を批判的に見てきた私には、たいへん有意義な集中講義でした。
その際のご縁で、今回の「さいたまトリエンナーレ」の記者発表にもお招きいただきました。普通であればそう簡単には入れない記者会見に、関係者の一人として参加させていただく機会を与えていただきました。
記者会見は実行委員長である清水さいたま市長の挨拶からはじまりました。
ご自身が他の地域で行われている芸術祭の体験を踏まえた上で、芸術活動をさいたま市でより高めていきたいとのこと。
これまでさいたま市は、Jリーグのチームが2チームあるなどスポーツの都市として理解されてきました。そのイメージを更に多様化させるためにスポーツの都市だけではなく、文化芸術の都市としてもイメージを定着させたいとのことです。
このさいたまトリエンナーレ開催までには、さいたま市が文化芸術都市創造条例」を制定したことが大きく関係しています。
さいたま市がこの条例を制定する過程には、アサヒアートフェスティバル
の加藤種男氏がアドバイザーとして大きな役割を果たされたとのこと。
この条例の制定過程については、吉田隆之氏が文化経済学会誌「文化条例の望ましい制定手法—制定過程等の調査、比較から—」において詳しく論じています。愛知県庁の吉田隆之氏は、文化経済学会〈日本〉や日本文化政策学会で討論を重ねてきた研究同士とも言えるかたです。
「この芸術祭では来場者より、どれだけ多くの参加者を出したかということ
にこだわる」という加藤氏のコメント通り、従来の都市型芸術祭とは一線を
画した芸術祭であるようです。
さて当日の総合ディレクターの芹沢高志さんの言葉を振り返ってみたいと思います。
「プログラムの内容はさいたま市の武蔵浦和、大宮埼玉新都心、岩槻駅周辺の3つの地域を選定し、3つの地域を跨ぐような活動を展開させていく」とのこと。
さらに「今回のトリエンナーレはアートのための芸術祭ではなく、総合的に都市政策の一つだと
思っている」と発言されていました。
また今回のテーマに関して「さいたまは人が生きている都市であり、生活の都市です。人がアートやアーティストに触れる事で、市民ひとりひとりが、じぶんたちが生きていいく未来を発見することを期待しています。そういう思いから、今回のトリエンナーレのテーマを「未来の発見」にした。」
と希望を語っておられました。
会期は2016年9月24日から12月11日までの開催となります。
今年は前哨戦ともなります。そこでプレイベントとして様々なイベントが開催される予定です。
たとえば、ふ印ラボでもおなじみのアーティストで東京藝術大学教授の日比野克彦さんは「種は船」プロジェクトを展開。同じく東京藝術大学先端芸術表現学科で教鞭をとられる小沢剛さんの
「あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き」といった子どもを対象にしたプロジェクトも展開していくとのこと。
今秋にはアーティストインレジデンスの大掛かりなシンポジウムも開催される模様です。
その結果、これまでの都市型芸術祭とは一風違った芸術祭になりそうです。
どうぞご期待ください。
次なる情報が分かり次第、お知らせしていきたいと思います。
文責:藤原旅人