建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

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さる2015317日(火)18302100、九州大学芸術工学部(大橋キャンパス)
7号館1階シアタールームにて、九州産業技術史研究会3月定例会が行われました。

九州産業技術研究会では、産業考古学・技術史学をベースにしながら、近代化過程の
中で生まれた様々な成果を辿り直すことを目的としています。

今回は、九州国際大学特任教授、田川市石炭歴史博物館副館長・同研究所長、そして
文化審議会世界文化遺産特別委員会委員でもあります清水憲一先生から、10年以上
継続されてきた、八幡製鐵所の創立期における研究を発表していただきました。

 

 

清水憲一先生は、元々の専門が経済史であったことから、その視点を活かし
八幡製鐵所創立期の評価について研究を行われています。九州国際大学には
蔵書に製鐵所文書の経営編が収集されているとのこと。八幡製鐵所がどのように
西洋からの技術移転操を成功させ、日本が自立して製鐵業を営むことができるように
なったのか。八幡製鐵所長官も務めた和田維四郎や野呂景義をキーパーソンに
その紆余曲折を辿り直してくださいました。

八幡製鐵所は、明治30年に野呂景義が鋼材6万tの製鐵所の創設を構想したことが
原点となります。しかし当時の世界情勢にその構想は遅れており、和田維四郎が
規模を拡大していくと共に、製鐵所の性格を再考することになりました。
日清戦争の際に露呈した自国の鉄不足をきっかけに、国は製鐵所の設置に踏み切り
結果八幡製鐵所は軍事目的と民間供給の両方を満たすことが求められました。
清水先生は文献を丁寧に辿りながら、「民事優先で始まった八幡製鐵所」という
評価に一石を投じられます。
 

さらに、1902年に高炉の操業停止といった大きな事件の原因や背景を、資料から
極めて実証的に、かつ多角的に考察され、単に高炉の機能低下という問題では
片付けられないと論じられます。製鐵所の将来をかけて結成された製鐵事業調査会が
短期間の間に製鐵所のあらゆる問題(原料調達、各設備、職工、予算、製品の質の
問題など)多々洗い出し、議会で批判を受けながらも予算を獲得し、再び八幡製鐵所
の運営を軌道に乗せるまでの大変な経緯が、文献をもとにしながらも臨場感たっぷり
に語られました。
 

質疑応答では、当時の建築の技術革新と製鐵所の関係や、炭鉱と製鐵所の関係など
九州産業技術史研究会ならではの専門的な視点の交錯から議論が生まれ、大変学びの
多いひとときとなりました。
  

清水先生、どうもありがとうございました。

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来月以降の開催は、
421日(火) 午後18302100  九州大学芸術工学府博士課程 
                   金さんによる船箪笥の研究

519日(火)午後18302100  長崎大学名誉教授 後藤恵之輔先生

               「炭鉱の坑内排水の変遷~端島坑を中心として~」

 
を予定しています。 

 

 

 

國 盛

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