建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

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2015年2月24日(火)18:30〜21:00

九州大学大橋キャンパス7号館1階シアタールームにて、九州産業技術史研究会が開催
されました。九州産業技術史研究会は毎月第4火曜日に本学を中心に定期開催されて
います。

1月から始まったスペシャリストシリーズでは、各分野の専門家を特別講師にお招き
し、講義をいただくものです。1月は元トヨタの自動車デザイナー諸星和夫氏に
お越しいただき、パブリカスポーツ復刻プロジェクトを中心にお話いただきました。

今回は、台湾・高雄生まれで、行政院文化建設委員会文化資産総管理処
(現文化部文化資産局)に勤められ、かつ藤原惠洋研究室博士に所属されている
柯勝釗 氏より『台湾における都市遺産の評価と活用』をテーマに、
柯氏が現在最も注目している都市遺産の評価と活用に関する知見を、日本を
はじめとするアジア各地の実証調査から導き、今後の台湾における文化政策や
遺産マネジメントのあり方を広く検討していただきました。


柯勝釗 氏
台湾国立台南大学(元国立台南師範学院)郷土文化大学院にて修士学位を取得。
修士論文のテーマは「日本植民時代における台南の社会活動に関する研究-
台南公会堂を事例に」。2007年、文化行政公務員の資格を取得し、行政院文化
建設委員会文化資産総管理処(現文化部文化資産局)に動務、文化遺産保存業務
などを担当。

20134月国費により日本留学を果たし東京大学大学院人文社会系研究科研究生。
201310月より九州大学芸術工学府環境・遺産デザインコース博士後期課程に
進学、同コース長で芸術文化環境論を主導する藤原惠洋教授の門下で、専ら
日本における包括的な文化遺産の評価と保存管理および再生・活用に関する
調査研究を進めている。今後は台湾という国家及び文化の主体性を構築することを
目標に都市遺産・産業遺産等を中心とした包括的な文化遺産の保護と保存管理計画
のあり方に関する研究を進展させていく。

 

台湾の歴史は、多数の外来政権が介入している為に多様性に富んでいます。
外来政権下において、各時代の政治意識やアイデンティティがどのように形成されて
来たのでしょうか。台湾における都市遺産の文化資産の保存活用に対して
考察を深められました。台湾は先史時代(1962年以前、原住民の文化)、
オランダ(16241661)、スペイン(16261642)、鄭氏時期(16611683
清朝統治時代(16831895)、日本統治時代(18951945)、中華民国の統治
といった歴史を経ています。

その中で、氏は台南という地域に注目し、台湾の重層的な歴史を物語る建築物を
活かし、地域のアイデンティティ形成を創造性によって促すことを目標としています。
 日本、シンガポール、マレーシアの文化財活用の事例を照らし合わせながら、
現在台湾が積極的に行っている保存活用の最新知見をいただきました。
台南の事例としては、高雄駅舎、 高雄市芸術特区、2003年から財団法人事保存再生
文教基金会の支援を受ける形で始まった街屋リノベーション「台南老屋」、
新たな文化的拠点としてランドマーク化されたハヤシ百貨店、文創PLUSセンター
に改装された 台南愛國婦人館、 台南芸術大学の映像学科によって運営されている
 旧台南放送局など、沢山の事例が紹介されました。 

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台湾は現在、ユネスコ世界遺産の批准国としては認められておらず、世界遺産を
保有していません。しかしながら、台湾は様々な国際宣言を受け入れた法整備と
保存活用を推進しており、将来を見据えた都市政策に踏み出そうとしています。

研究会では都市遺産の定義から、今後台湾に求められる遺産の保存活用に対する
姿勢など、様々な議論が交わされました。

日本と隣接する国でありながらも、歴史的背景は全く異なる台湾が持つ遺産の
魅力と課題を知ることができました。地域が負った苦しい経験を、培われた
文化を評価することでアイデンティティという強みに変えて行くことは、
台湾のみならず、日本の小さな地域にも共通する部分があると感じました。

柯さん、どうもありがとうございました!


D3 國盛

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