建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 唐津街道赤間宿の「赤間宿まつり」を見てきました。初めて訪れましたが、伝統的建造物群保存地区のような町並みにびっくりです。福岡市からJRで40分弱の宗像市の赤間にこのような建物群があったとは知りませんでした。平戸市大島村神浦の重要伝統的建築物群保存地区を見て以来、このような日本家屋の集合体としての美しさと人々の営みに興味を持つようになりました。
 JR教育大前駅下車です。
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 ↓城山(じょうやま)。
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 ↓須賀神社。江戸期は祇園神社。
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 ↓辻井戸。

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 以下は「唐津街道むなかた推進協議会」作成の資料からの記述です。
【唐津街道】
 九州には長崎街道、秋月街道、薩摩街道など多くの街道が通っていましたが、その中で、主に玄界灘沿岸を通っていたのが唐津街道です。この街道は福岡藩と唐津版が多く通行し、平戸藩、五島藩、大村藩など九州西側の大名もまれに通行しました。江戸後期になると、長崎街道を利用していた薩摩藩が、二日市、博多、赤間、木屋瀬、黒崎のルートをとるようになったため、赤間での交通量が増大しました。

【赤間宿】
 赤間宿は江戸時代、筑前福岡領内に27か所あった宿場町の一つで、南北500m、直線の町並みは来たから南へと緩やかな傾斜となっています。周辺の漁村や港町から三里ほどの距離にあり、知性的にも扇のかなめの位置にあったため、七浦三里とよばれ物資や魚の集散地として栄えました。明治になると、石炭産出でにぎわう筑豊地方を背景に繁栄し、農業従事者30人に対して商業者300人、工業者50人と圧倒的に商家が多かったのです。町には、大きな商店や製造元、卸業、小売業などあらゆる店がそろい、多くの人で賑わったといいます。しかし、鉄道の開通とともにその役割を失いました。

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 ↓法然寺。1575年に建てられたと言われています。
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 ↓は出光興産の創始者・出光佐三(いでみつさぞう)の家とのことです。出光佐三は1885年赤間で生まれました。神戸高商を卒業後、堺商会に入社。士魂商才をモットーに門司に出光商会を設立。1951年には世界最大のマンモスタンカー日章丸を就航させた。百田尚樹『海賊と呼ばれた男』のモデルがこの出光佐三である。
 出光佐三翁は愛郷心が強く、福岡教育大学を赤間に統合誘致。1978年には宗像町名誉町民第一号。1981年97歳で逝去。 
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バルーンアート。
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 そして、「勝屋酒造酒蔵開放」。しぼりたて新酒試飲。酒粕からのあまざけ試飲。
勝屋酒造は1790年、勝屋を名乗り、三郎丸にて創業、年貢米の余米による酒つくりを始めました。1873年の筑前竹槍一揆の後、1889年赤間の現在地に移って酒つくりを続けています。酒名の『楢の露』は宗像大社の御神木『ならの木』よりいただいたものです。
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 ひな人形や着物の展示もありました。
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 次は、赤間宿の町屋です。赤間はこれまで町を全焼するような大火がなく、現在でも町屋が残っています。間口が狭く奥行が深い、「うなぎの寝床」式になっています。これは表通りに面した間口の間数で税金をかけていたことに由来するものです。また漆喰鏝絵を施した白壁や蔀戸、千本格子風の障子戸が残っているのを見ることができます。
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 ↓この日は、年に一度、町屋を開放してくれる日です。早速、見てみましょう。写真の家は萩尾邸(あたらしや)です。家主の萩尾和彦氏は一級建築士で、この家の中が事務所です。奥さまはお茶の先生をしていて、この日はここを訪れた観光客のために呈茶がありました。萩尾さんによるとこの家は前の方が260年、後ろも方も150年は経過しているということでした。家は過去から現在までいろいろな商売をしてきたとのことで、以前はこんにゃく製造をしていたということです。萩尾氏のお父様は小学校の校長先生でした。
 登録有形文化財には申請しないそうです。
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 梁は松、柱はケヤキ、敷居は栗 とのことでした。
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 床の間が2つ。
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 ↓ここが事務所です。
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 先先代が子年とのことで、↓はその産着だそうです。
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 ↓は石松邸。明治前期の建物で以前は荒物屋。先代は金具職人として蝋燭の金具(全国にも数名しかいないらしい)を作っていました。
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 ↓石松邸(蔦屋)兜造りの屋根と蔀戸が残っており、江戸期の造作を残す建物です。
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以下は別の家の持ち送り。

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 赤間で特徴的なのが、兜造り屋根の町屋です。↓これは江戸時代、殿様の通る行列を2階から見下ろすのは恐れ多いと通りに面した家々は軒を低くし2階の窓を小さくしたためこのような形状になったと伝えられています。しかし、現在では空き家や解体される家も多く、町屋は年々減少しています。
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 この家の屋根の奥の方に藁ぶきが見える。
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 ↓の家が出光万兵衛生家。
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 ガイドの方々に伺ってみたところ、この地区の歴史的価値は認識され、ある程度認識され、景観もある程度保存されているとのことであるが、新しい建物が増え、街道景観を特徴づける建物が少なくなっているのも事実とのことです。住人の世代交代があり、家を保存するか壊すかという問題があるといいます。この他、既に昭和41年の福岡教育大学のキャンパス移転にともなう造成でここは大きく破壊されたとのことです。

 私が訪問した萩尾邸の萩尾さんは、代々続くウナギの寝床の町屋を愛して住んでいるのだと思いました。現代では耐震補強などの問題があるのに加え、現代の住まいの観点からみると、この町屋は決して住みやすい家であるとはいえないと思いますが、それでも萩尾さんは住み、ここで建築事務所をしていらっしゃいます。
 赤間宿の町並みは今後も保存されていくのか、景観を保存しながら人々の営みを守れるのか、など課題もあることと思いますが、今後を見守りたいと思います。

                                            岩  井










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