2015.2.13-14可児市での世界劇場会議の後、愛知県田原市中央図書館を訪問してきました。館長の豊田高広氏は、静岡市社会教育課・公民館等を経て94 年から図書館に。 移動図書館、中央図書館を経て、開設準備にあたった御幸町図書館で06 年4 月から10年3月まで館長。同年4月から現職。著書(共著)『 図書館はまちの真ん中』、『市場化の時代を生き抜く図書館』を送り出し、また、課題解決支援のための〈公共図書館員のタマシイ塾〉により、図書館改革を目指しております。手法や技術だけでなく、サービスをなぜ、何のために行うかという理念を支える志や姿勢、流儀や心意気といった熱、すなわち〈タマシイ〉を伝えることこそが肝要だ、そのためにもミッションと志を兼ね備えた講師を頭に据え、合宿のような濃密な空間での研修を運営しておられる方です。
平成10年に図書館の建設基本計画が策定され、平成14年8月2日に図書館はオープンしました。地元の住民のみなさんも図書館を建てるまでに延べ101回の調査をしてきております。
田原市は人口65,000人の農業と工業の町で、トヨタ自動車の田原工場があります。田原市図書館は田原中央図書館、渥美図書館、赤羽根図書館の3館で構成されております。蔵書数47万8000冊。
事業はおはなし会を始め、ブックスタート、こどもブックフェスタ、英語多読講習会、工作教室、読書感想画コンクール、出張お話会などがありますが、特に、高齢者施設8か所をめぐる元気はいたつ便ー来館が困難なお年寄りや障害がある方のために介護福祉施設を 訪問し、回想法やレクリエーション、本の貸し出しなどを行うサービスは、可児市文化創造センターで行われているアウトリーチを思い起こさせます。
レファレンスコーナー。
チャットルーム。
子どものためのお話の部屋。
にじいろサービスとは、図書館を利用したいけれど、身体が不自由だったり、活字が読みにくい人のためのサービスで、録音図書や朗読CD,音楽や落語のCDをかしてもらったり、パソコンで資料を利用できるというものです。
こんな事業もしております。
田原市は昨年11月の図書館総合展でフォーラムの一つ「教育委員会制度を問う」でのパネリスト、嶋津隆文さんが教育長をしている市、そして、公共図書館を市民にもっと近づけようとしているタマシイ塾の豊田館長のいる市、文化・芸術・教育・弱者支援など迫力を感じました。 ありがとうございました。
岩 井