建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
 
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旧九州芸術工科大学音響設計学科OBの音響設計家・豊田泰久さんが朝日新聞フロントランナー「マエストロと作る音の空間」で紹介されています!
 同氏は、昨年2014年11月にも上海交響楽団の新しいホールが完成した際の記事にも朝日新聞に登場。世界を代表する音響設計家として素晴らしいご活躍です。
 同時に、九州大学大学院芸術工学研究院の外部評価委員としても的確な御示唆を戴いてきたOBとして知られています。


以下、朝日新聞より転載(1)2014年11月11日。(2) 2015年1月31日。


朝日新聞記事(1)

 アジアの歴史あるオーケストラとして知られる上海交響楽団の新しいコンサートホールが9月、上海市に完成した。音響設計はサントリーホールなどを手がけた音響設計家の豊田泰久さん(61)、建築設計はロサンゼルス現代美術館などで知られる建築家の磯崎新さん(83)が担当した。

 新しいホールは地下4階、地上2階建てで、メーンホールは1200席。総工費は約6億3千万元(約118億円)。楽団によると中国で初めて楽団が自主管理する方式を採用した。

 オープニングの演奏会は9月6日、ピアニストの郎朗(ランラン)らを迎えて開かれた。豊田さんはこの演奏会を聞き、「オーケストラの能力を100%引き出せるホールができあがった」と話した。

 中規模のホールだが、想定しているプログラムはソロからオーケストラまで幅広い。「大編成のオーケストラの大音響を余裕を持って楽しんでもらえるよう、ステージのサイズ、天井の高さ、形状、材質などが大型ホールと同様の仕様で設計されている」

 建設にあたっては、実物の10分の1の模型やコンピューターを使って音響の効果を調べるテストを重ねた。300個の免震装置で地下鉄の振動などを遮断している。

 磯崎さんは「ホール自体が響きを生み出す楽器だと位置づけている。楽器の中に入って音楽を聴くイメージだ。19世紀と20世紀それぞれの形式の特長を統合した、21世紀の基本型というものができた」と自信をみせる。

 日中関係改善のきざしはあるが、先行きはまだ見通せない。だが、「それは一時的なことだろう」と磯崎さんはいう。「何世紀にもわたって世界で培われてきたクラシック音楽の世界に中国も日本もない。現に日本人の僕と豊田さんが中国を代表するコンサートホールの設計を担当した。このホールが文化面での日中協力の象徴的存在になってくれればうれしい」

 (上海=金順姫


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朝日新聞記事(2)

 建築家との共同作業で、ホールの形状や材質を決め、最適な音響空間を作り出す。だが、音響設計家の仕事は、それでは終わらない。

 昨年10月、東京・サントリーホール。リハーサル中の世界的指揮者ワレリー・ゲルギエフ氏が指揮台から突然、後ろを振り向き、客席に声をかけた。「これでいいか」

 第1と第2のバイオリンをステージ上で左右に配置するか、ともに指揮者の左側に置くか。打楽器奏者の位置は。演奏会場や曲目によって、手兵のマリインスキー歌劇場管弦楽団の配置を頻繁に変えるゲルギエフ氏。その音響面での相談相手を務めた。

 「多忙なマエストロとの時間をしっかり取れるのは来日ツアー。音楽関係者の多い欧州では絶対に無理」

 そのためには自らの拠点ロサンゼルスから飛ぶことも惜しまない。前日には夕食をともにした後、オケの配置について2人で約30分議論した。

    *

 「豊かな響きとデジタル時代に求められるクリアな音。それをともに高いレベルで実現したい」と話す。ロシア・サンクトペテルブルクで歌劇場の新コンサートホールの音響設計を依頼したゲルギエフ氏はいう。「しっかり響くから、楽器の数が少なくてもいい。パーフェクトな音響だ」

 ラトル、ヤンソンス、バレンボイム、メータ……。世界の巨匠たちから名指しで新ホール造りや音響改修を頼まれる。その原点となったのが、1986年に完成したサントリーホールだ。30代前半で音響設計の主担当者を務めた。サントリーから提示された条件は「ワールドクラスのコンサートホールを」だった。

 当時、メディアが盛んに流布したのが「残響神話」。82年にできた大阪のザ・シンフォニーホールは残響2秒が評判になった。でも残響の長さだけがいい音を生むわけではない。数字で表せない豊かさ、クリアな音とは何か。「ウイスキーのアルコール度数みたいなもの。43度だからいいウイスキーができました、といっても誰も信用しないでしょ」。音響の奥深さをウイスキーのコクや香りに例える。

    *

 昨年、手がけたホールが次々と誕生した。9月に完成した上海シンフォニーホールは建築家、磯崎新さんとの共同作業だった。客席数1200とやや小ぶり。どの客席からも舞台が近い。オーディオでは味わえない臨場感、観客同士と演奏家が空間を共有する一体感にこだわる。「現代のコンサートホールはCDでは提供できない社交の場。友人同士が会場で出会い、後でメシでも、となる」。それは代表作の一つ、建築家フランク・ゲーリー氏と手がけたロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホールのコンセプトとも重なる。

 12月末、上海のホールでは、指揮者パーヴォ・ヤルヴィ氏が独奏にクリスチャン・ツィメルマン氏を迎え、上海交響楽団でブラームスのピアノ協奏曲第1番を演奏した。繊細なピアノと厚みのある弦がふくよかに溶け合い、ホール全体が至福の音響に包まれた。

 (文・石合力 写真・郭允) 
 

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自ら音響設計し昨年9月に完成した上海シンフォニーホール。上海交響楽団の新拠点となる。日中関係が厳しいなか、建築設計も日本の磯崎新さんが担当し、話題になった=中国・上海市 

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