九州大学藤原惠洋+藤原研究室では、2014年秋から田川市石炭・歴史博物館と連携し
まちづくり事業を行っています。加えて、藤原惠洋先生が教鞭を取られる学部生授業
「芸術文化企画演習」でも、芸術文化の力によるまちづくりの実践的授業のいっかん
として、田川をフィールドに様々なアクティヴィティを行っています。
今回は神戸芸術工科大学の谷口文保先生を講師にお招きし、田川のシンボルである
香春岳をモチーフとしたアートワークショップと展覧会を開催しています。
田川はかつて筑豊地方最大級の炭鉱を持ち、同時に石灰岩の産出地でもありました。
昭和10年から本格的な採掘が行われます。三つに連なる香春岳のうち、一ノ岳は
豊富な石灰の宝庫として、現在も採掘が行われています。一ノ岳は上部がすぱっと
切り取られたような形になっています。
谷口先生によるアートワークショップ「香春岳プロジェクト」は“白ダイヤ”と
呼ばれた石灰岩を産出し続けている香春岳をモチーフとして想い描くという内容で
山頂から切り崩されて今では台形になってしまった香春岳(一ノ岳)の過去、現在
未来を想像して描くというものです。
参加学生は日本各地の出身者に限らず、中国、韓国、台湾、モンゴル、ニュージー
ランドの学生と国際色豊かな顔ぶれです。参加者全員があのような形の山は見た
事がない、と驚いていました。地域独自の風景がまちのどこからでもシンボル
として見る事ができ、同時に地域の人々が、香春岳をモチーフにした看板、絵画、
ポスター、昔の写真などを通して生活の中で誇りに思っている様子をフィールド
ワークで学びました。そのようなことをふまえて、私たちは香春岳をきっかけに
様々なまちの姿を想像しました。ぜひ足を運んでご鑑賞ください!
期間:2015年1月19日〜2月15日
場所:田川伊田商店街内 ギャラリーCoCoITA(おのや呉服店さん隣)
時間:9:00~17:00
(1月25日(日)、2月1日(日)、2月8日(日)休み)
▶鑑賞者参加型アートワークショップ開催!
2月15日(日)14:00〜16:00にはCoCoITAにアートプロジェクト
プロデューサーの谷口先生によるワークショップ開催!
香春岳をモチーフにした作品制作を行うことができます。(先着20名/無料)
▶あなたの心の中の『香春岳』を一緒に探してください!
田川地方ではシンボルとしての香春岳を誰もが見つめています。今回私たちは
「香春岳百景」と題して、写真、絵画、絵柄、デザイン柄、マーク、
キャラクター等、さまざまな香春岳を探しています。ぜひ、お気に入りの
香春岳を見せてください。そして思い出話をお聞かせください。
2月15日(日)14:00~16:00に、伊田商店街の市民ギャラリー
CoCoITAで「香春岳百景」へのご参加をお待ちしています。
1月18日(日)は展示作業に向かいました。九州大学芸術工学府出身で
西日本新聞社記者(飯塚・田川)の諏訪部真さんが取材と展示作業の手伝いを
行ってくださいました!
諏訪部さん。大学院の時は藤原先生の授業「芸術文化環境論」を
履修されていました。一つ一つ微妙に異なる作品の水平を取るという大役を
果たしてくださいました。本当にどうもありがとうございました!
田川市石炭・歴史博物館の野島さんも様子を見に来て下さいました。
D3 國盛
どこから入ったかわからないが、全山石灰岩の香春岳の中に自分がいる、そこは巨大な鍾乳洞で、見上げるとなぜか九州特有の夏のまぶしい日差しが差し込んでいる、中はひんやりとして気持ちよかった、という変な夢です。
私がよちよち歩きのころ、尖った香春岳をバックに三井の社宅で撮った写真がにあります。
従って当時の山容を知るので、その形を想像することはないのですが、香春岳の中に巨大な鍾乳洞があった、というのが私の想像、創造です。