建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
2014年12月11日に国際交流基金のJFICさくらホールで開催された
「Tohokuの未来を創るアートの底力」に参加をしてきました。
2011年の東日本大震災以降、東北の被災地では
地域の伝統芸能や郷土芸能、またはコンテンポラリーアートを利用した
東北のよりよい未来を作り上げる活動が行われています。

今回のシンポジウムでは、東北に伝わる伝統芸能を海外のアーティストが
習いにいくという「習いにいくぜ!東北へ!!」と、
陸前高田市で展開されている「陸前高田アーティスト・イン・レジデンス・プログラム(以降AIR)」
の関係者が集まりました。

登壇者は
「習いにいくぜ!東北へ!!」へのマネージメントを手がける佐藤範一さん
長年、青森でAIR活動を手がけ、今回の陸前高田AIRプロジェクトのディレクターを
つとめる日沼禎子さん、
また今回の陸前高田AIRプログラムの参加アーティストであるショーネッド・ヒューズさん、
コーネリア・コンラッジさん、タワチャイ・パッターナポルンさん。

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「習いに行くぜ!東北へ!!」の佐藤さんのお話では、
いま失われつつある東北の伝統芸能の重要性や、東北に赴いた
海外アーティストと東北の被災地の方の数多くのエピソードが
映像と共に紹介されました。
詳細はこちらのホーページを参照ください。
「習いにいくぜ!東北へ!!」公式ホームページ



また陸前高田アーティスト・イン・レジデンス・プログラムの報告では
多彩なアーティストと地元住民の方々の交流が報告されました。
アーティストの報告のなかで、「○○さんの唄がとてもすばらしい」だとか
「○○さんの活動はこれからもサポートしていかなければいけない」だとか
たくさんの個人の名前がアーティストの口から出ていたのが印象的で
この交流の素晴らしさを物語っていたように思えます。

3人のアーティストはみな来日直前はいろんな恐ろしさが来日する前には
あったそうです。しかしながらことも実際に現地で交流をしてみると
東北の土地の素晴らしさや人の優しさを肌で感じる事ができ、
東北への愛情が湧いたとみなさん口を揃えて仰っていました。


招待作家の一人であるシャーネッド・ヒューズさんは陸前高田で
伝承されている陸前高田の音頭に合わせてここ1ヶ月で習得した舞いを
シンポジウムの中で披露してくれました。

またドイツの作家、コーネリア・コンラッジさんは「ここにきれいなものが
あれば、またみんな来てくれるのに…」という現地の方のふとした
つぶやきから自身が思慕する松尾芭蕉の
「よくみれば、薺はなさく、垣根かな」(ふだんは気にもとめないものに
美しいものがかくれている)に表されているエッセンスを基に
陸前高田の美しい一瞬限りの風景を写真として記録することを
今回の滞在中に試みます。
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彼らのお話を聞いている中で、アーティスト独自の感受性が
被災を受けた東北の方々とこころの豊かさを創造し
素晴らしい関係や交流が生まれている事がわかりました。
またこの交流や関係性が滞在している作家の作品に色濃く
反映されていて、今回の滞在は大成功だったことを意味しているように
感じました。

今回、登壇した作家のプロジェクトはまだまだ進行中で
まだまだ思案中の作品もいくつかあるようです。今後も
彼らの活動に注目をしていきたいと思います。

「陸前高田 アーティストインレジデンス」公式ホームページ












 

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