建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 「時間があり500円持っていたらあなたはどこに行きますか?」そんな質問から始まった第2回目の芸術文化施設論。まずは、先生が行った美術館の紹介です。
 下の写真はフィラデルフィア美術館です。映画「ロッキー」で主人公が駆け上がっていた階段があります。
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 海外の美術館では館内での写真撮影OKのところが多いです。
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 ↓この美術館にはマルセルデュシャンの、「大ガラス」と「遺作」があるとのことです。この扉の後ろにデュシャンの作品があります。どのような作品なのか、この美術館に実際に行ってみて下さいとのことでした。
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 ↓の写真はドイツ・ブランデンブルグ門付近にあるホロコースト記念碑です。「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人の為の記念碑」・入場無料でいつでも入ることができます。
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↓ひとつひとつの切り出した石のようのものはコンクリートでできており、モニュメントです。
大きさは均一ではなく、バラバラ。実際に現地に行っていない私は写真でしかわからないのですが、一つ一つがお墓のように見えました。
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 この記念碑群の地下は情報センターがあり、ホロコーストの時の写真や遺品などがあり、当時の様子を伝えているとのことです。地上の石の群れを見てもよくわからない人でも地下をみるとわかるという仕組みですね。
 私もブランデンブルグ門には行きましたが、この記念公園というか、博物館というか、墓地というか、どう表現したらよいのかわからないこの場所には行きませんでした。行くべきであったと思います。
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 授業後興味があったので、この施設を少し調べてみると、広さ19703㎡、柵や門はなく、出入り自由で、石と石の間は95㎝あり車椅子でも十分に通ることができ、2711基の石のようなオブジェには何も刻まれていないということです。そして、ここはポツダム広場付近で一等地とのこと。ベルリンはドイツの首都です。その一等地にドイツは商業施設ではなく、このような無料の施設、それも過去に犯した過ちをいつも誰でも無料で見ることができる施設をたてました。この施設をみて幸せな気分になる大人はおそらくいないでしょう。それでも敢えてたてたのです。さまざまな議論の末、17年間かかってこの施設はつくられたとのことです。日本でいえば、東京の一等地、かなりの広さの場所、地上と地下の両方を人々に無料開放したことになります。日本でこのようなことができるでしょうか?-17年をかけて、ドイツにとってこの施設は必要で運営に関しても無料でいこうとの判断がなされたというところはドイツのヨーロッパにおける役割の大きさ、成熟度を感じます。-日本の市民社会にここまでの成熟度があるかなと思います。
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 続いて第3回目の芸術文化施設論では、図書館と劇場が取り上げられました。

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 話題の多い武雄市図書館。この日の受講者の中にもこの図書館に行ったことがあるという人がいました。
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 研究室では昨年の6月に訪問しました。商業施設が館内にある図書館です。
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 武雄市図書館に行ってみたいという人が2人現れました。
 ↓次に八女市町村会館が紹介されました。1972年竣工。多目的ホールでした。現在は八女市民会館・おりなす八女になっているとのことです。
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 美術館・劇場・ホール・博物館・図書館などの文化施設はなぜ必要なのでしょうか?このような施設がない市町村もあります。これらの文化施設には税金が投入されているので、もしかしたら自分の税金をこのような施設に使ってほしくないという人もいるかもしれません。
 私自身は、やはり、まず憲法にたちかえります。日本国憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」。日本に住むあらゆる人々に対し、この条項への保障がいると思います。生活に困窮している人でも文化に接する権利があります。次に、このような受け身の発想だけではなく、文化に接したことが契機になり、人生が変わる、又は積極的に変えていく可能性もあるのではないでしょうか。文化は根源的に社会的包摂機能を持っており、文化施設を利用することで、自らの潜在的能力に気づいたり、何かを発見したり、意欲をかきたてたりすることを促すのではないかと思います。このように文化に接した人々が社会を構成するということは強い社会構造の構築につながるように思われるのです。そして最後に、文化に接すること自体が理由なく楽しいことです。美術館でも博物館でも図書館でもホールでも自分のお目当てのもの(例えば絵画など)に出会えた時の喜びはひとしおです。この秋、ドイツ・ベルギー・オランダを巡った時、美術館を訪れ、それまで美術書の中でしか見たことのなかった好きな画家の絵画を直に見ることができました。私のふるさとには美術館はありませんし、ヨーロッパの絵画に直に接することは難しいことでしたので、単純にうれしかったです。本物の絵画の持つ力に触れ喜びを感じ、美術館内を長時間うろうろしておりました。
 私は文化施設の少ない地から来ましたので、文化施設に対して「敷居が高い」とか「文化施設にいく必要がない」という発想はありませんでした。文化施設は人間が生み出した文化(科学も含めて)というものに接する喜びを体験させてくれる場所であり、「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人の為の記念碑」のようにホロコーストを体験していない私に歴史や物事を考えさせる場所なのです。
   次回の講義で藤原先生の担当は終了します。受講生のみなさんがこの藤原先生の全4回の講義全体をとおして何を発見したのか、尋ねてみたいところです。

                                 岩  井




















 

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