建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

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後期 金曜日4,5限、藤原先生による「芸術文化企画演習」が始まっています。

芸術文化企画演習では、市民が主人公となる時代の芸術文化環境を背景に、
次世代型のアートマネジメント
を体験的に実践するものです。

 
 

授業目標

地域社会の巷間に潜んだ文化資源を探索・
再発見し、それらをリソースとした
企画・舞台・作品の創造を行う。芸術と社会をつなぐ架け橋としての芸術文化
環境整備の指針を、数々のフィールドワークを通して獲得する授業である。


 
 

 授業では、グループワーク・共同作業・フィールドワークを重視し行う。

・フィールドワーク:世間に隠蔽されたリソース(芸術文化資源)への気づき

・ワークショップ    :アートを用いた地域再生への働きかけを考え、企画力と
              実践力を身につける

・プレゼンテーション:重要なコンテンツを社会に対して効果的に

                                        プレゼンテーションする能力を形成する

 


授業の流れ

今回は、以下の5つのプログラムの中から、学生が最も興味のあるテーマごとに

グループに分かれ、それぞれがプロジェクトを成長させていく。

・天草プロジェクト

・日田プロジェクト

・田川プロジェクト

・平戸プロジェクト

・BFプロジェクト(ブラウンフィールド自力発掘・自力検討型)

オプションとして、阿蘇スタディツアー
 

2014年、日本には地方創生省大臣が着任。日本の地域社会は待ったなしの状態で
地域衰退が加速している。

自然環境によるカタストロフィー、社会システムの転換、人為的な事件・事故等
によって、地域社会の力を失わざることを得なくなった場所をブラウンフィールド
と称し、欧米では創造性(アート)による様々な地域再生プロジェクトが
成功を収めている。日本においても、ブラウンフィールドに働きかけることは
必要不可欠なものであり、地域の固有性を再発見し、磨き、継承していく
きかっけを見つけ出す。

 
 
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ガイダンスとして、9月26日—28日に行われた平戸FWの様子が報告された。

長崎県平戸市飯良町は、根獅子から3キロ程南下した所にある静かな
集落である。美しい砂浜と農耕地はのどかな空間であるが、地域は人口減少や
耕作放棄など様々な問題も内包している。

(平戸FWの詳細は岩井さんの記事を参照)

 

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飯良では昔、人家に家畜として牛が飼われており、古い民家には牛小屋の跡が
見られた。牛の排泄物を畑に持って行きやすいような空間も民家に
取り付けられていた。排泄物と藁などを混ぜ、堆肥として用いていたという。

高密度の集落は、家の方向が揃っておらず、建物は四方八方向いており独特の
景観を持っている。イタリア、ギリシャのような空間構成。

 
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森には椎の木、竹、杉などが混合している。椎の木の部分は天然のものであり
杉などは人工的に植樹した証拠である。棚田が一度放棄されると、空いた空間
となり、竹などが入ってくる。

飯良には狭い道が現代も残っており、おおよそ1m20cmの道幅となっている。
この幅員は現代の建築基準法に適応していない。実際は4m必要になる。
平戸では消防車が入ることができないことはデメリットであるが、400年間の間で
築かれてきた美しい景観が守られている。固有の風景・固有の空間を価値付ける
ことで、懐かしい未来が築けるのではないか。

村で生まれ育った人々に案内をしてもらうことでスタディツアーが成立し
観光とは異なる学びを得ることができる。この成果を社会に還元する
ことが必要である。

 

 

学生:飯良は耕作放棄をした地域もあったというが、世界遺産となっても耕作放棄
した土地には何も手立てがなされないのか?

 

藤原先生:棚田の活用は、様々なマネジメントがなされているが、代表的なものとしては高知県檮原町神在居(かんざいこ)の棚田保全の手法が挙げられる。棚田の維持は、オーナー制度
によって、地域外の人々と共に田んぼを活用している。地域が疲弊しても耕作放棄がされず、都会から耕作をしに来る人々によって農業やなりわいの景観が保たれている。

 


学生: 地域を再生させるプロジェクトの成功の基準は?
 

藤原先生:これまで私は多数の町や村で仕事をしてきた。重要なことは、私たちのような仕掛人がいてもいなくてもまちづくりが継続し、持続可能で自発的な活動が行われ続けていること。

学生にはこうした現場に寄り添いながら、しっかりとした地域リテラシーを身に付け、様々な現場で発揮してほしいと願っている。

フィールドワークは沢山の友達が出来る。それは普段暮らしている中では出会えないような素晴らしいものだ。

偶然の産物に出会う幸運をセレンデピティという。セレンデピティがが生まれやすくなるためには寄り道をする、沢山の者に興味関心を持つことである。

フィールドワークを通して社会にもまれることは人間を陶冶(とうや)してくれる。これから後期、学生と沢山の知見を得ることができると期待している。



授業のフレークワークに留まることのない、現代社会において重要な課題や哲学、
社会との関わり方、地域の可能性など沢山のお話をいただきました。
 

以下、授業スケジュールとなります。

 

1回 103日 ガイダンス1                      藤原・TA

2014年度地域再生創造プログラムを通して介在する地域を紹介、そのうえで田川(福岡県)プロジェクト、天草(熊本県)プロジェクト、平戸(長崎県)プロジェクト、日田(大分県)プロジェクト、それぞれに関する地域特性、地域固有資源概説、課題、そして現地へ向かう学外演習計画等を解説。

 

2回 1010日 ガイダンス2                     藤原・TA

参加型話し合い手法(ワークショップ)援用によるアクティブラーニング

 

3回 1017日 アクティブラーニング1       TA・自主活動(藤原出張不在)

芸工附属図書館を活用したプロジェクト理解のための基礎データー調べと作戦会議(成果発表は次回)

 

4回 1024日 アクティブラーニング2                藤原・TA

成果発表と意見交換:プロジェクト地域の特徴と課題を知るワークショップ 可能なら國盛さんにこれまでの研究成果より発表をしていたきながら学びを深める

 

5回 1031日 アクティブラーニング3       TA・自主活動(藤原出張不在) 

地域固有資源を活かした地域振興デザインに関するアクティブラーニング〜今夏に開催した天草・下浦フィールドワーク2014の経緯をふりかえりながら〜

 

[第1回学外演習]11月1日(土)~2日(日)天草フィールドワーク1泊2日 藤原現地案内

天草フィールドワーク1泊2日(午前9:00大橋キャンパス出発 午後、天草大陶磁器展見学、夕方から下浦コミュニティセンターで下浦フィールドワーク2014成果発表会に聴講参加。宿泊。翌日は下浦地区調査、本渡町丸尾焼見学、大陶磁器展まちじゅうギャラリー見学の後、19:00福岡へ帰着)

 

6回 117日[非常勤講師による集中講義]講師:千代田健一先生         藤原・TA

地域固有資源「杉」を活かした地域振興デザイン・アートプロジェクトの概論ならびに日田「杉」課題の提示

 

[第2回学外演習]118日(土)日田フィールドワーク日帰り      藤原現地案内

日田フィールドワーク(午前9:00大橋キャンパス出発、国選定重要文化的景観小鹿田焼きの里ならびに日田杉見学、豆田町・咸宜園見学、午後13:0016:30 パトリア日田見学ならびにやまびこホールにて開催「咸宜園世界文化遺産シンポジウム」聴講参加、17:0020:00千年明かり見学、21:00福岡へ帰着)

 

7回 1114日 アクティブラーニング4                 藤原・TA

天草フィールドワークならびに日田フィールドワークの成果ふりかえりとまとめワークショップ

 

1121日(金)は芸工祭準備日のため休講。

1122日(土)〜23日(日)芸工祭。

 

1124日(月祝)〜25日(火)オプションプログラムとしての阿蘇フィールドワーク。

阿蘇地域振興デザインセンターが主催する「阿蘇スタディツアー」へのモニター参加。目的は、阿蘇地域が長年草原の維持のため行っている「野焼き」の持続可能な維持管理を体験的に試行する、というもの。阿蘇地域には地域の人々が代々守り継いできた「野焼き」の歴史があり、現在は次世代型のNPO「阿蘇グリーンストック」などが主となり活動が継続されていますが、最近では、野焼きに参加する地域の人々や支援する野焼きボランティアも年々高齢化していく事態にあります。その対抗策として、阿蘇デザインセンターではボランティアツーリズム形態を通して、若年層や外国人向けを対象として新たな担い手ボランティアの拡大・阿蘇来訪者の増加を図ろうと構想、その可能性を試行するものです。

 

8回 1128日 アクティブラーニング5                 藤原・TA

地域の宝物とはなにか?地域固有資源の再発見手法と資源活用型地域再生まちづくりデザインに関するアクティブラーニング

 

9回 125日 アクティブラーニング6                  藤原・TA

旧産炭地理解のためのアクティブラーニング 映画上映「ブラス」「フラガール」を通して

 

10回 1212日 アクティブラーニング7                藤原・TA

田川の地域固有資源を活かした地域振興アートプロジェクトの概論ならびに田川の「まち」課題の事前調査

 

[第3回学外演習][非常勤講師による集中講義]講師:谷口文保先生 1213日(土)~14日(日)田川フィールドワーク1泊2日  藤原現地案内

田川フィールドワーク1泊2日(午前9:00大橋キャンパス出発 香春岳見学、田川市石炭産業博物館見学、午後、田川伊田駅界隈フィールドワーク、夕方現地キーパーソン達との懇親会。宿泊翌日は午前 午後、田川市フィールドトリップ「白鳥町~伊加利周辺」に参加。19:00福岡へ帰着)

 

12回 1219日 アクティブラーニング8                藤原・TA

田川フィールドワークの成果ふりかえりとまとめワークショップ

 

13回 19日 アクティブラーニング9                藤原・TA

平戸の国選定重要文化的景観を活かした地域振興デザインの概論ならびに平戸の「まち」課題の事前調査

 

 

[第4回学外演習]110日(土)~11日(日)平戸フィールドワーク1泊2日 藤原現地案内

平戸フィールドワーク1泊2日(午前9:00大橋キャンパス出発 午後、紐差教会堂、重文景根獅子地区見学、宿泊翌日は重文景飯良地区・春日地区調査、午後、田平教会堂見学後、19:00福岡へ帰着)

 

1月16日(金)は共通センター試験準備日のため休講。

 

14回 123日 アクティブラーニング10               藤原・TA

発表会成果まとめ事前準備作業

 

15回 130日 成果発表会                                            藤原・TA

まとめ 成果発表会

 

 

 

補足 222日(日)

平戸市におけるシンポジウム「第6回景観と交流を活かした根獅子食まつりシンポジウム」平戸市根獅子小学校講堂 成果発表会において体験報告

 

補足 228日(土)

田川市におけるシンポジウム「”まちの魅力”発見・まちあるき」田川市市民会館・講堂 成果発表会において体験報告

 

D3 國盛

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