建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 (↑ザクセン文化基盤研究所所長・マティアス・フォークト所長)

 9月4日以下の国際シンポジウムがベルリンの日独センターで開催されました。日本からは東京大学・神戸大学・同志社大学・獨協大学・九州大学の学生参加があり、神戸大学がマネジメントを担当。九大からは岩井・吉峰くん・旅人さんが参加しました。

シンポジウム「文化政策による中小都市の再生――ドイツ・中欧と日本の対話」

重点: 少子高齢化社会
開催予定日: 2014-09-04 ~ 2014-09-07
会場: ベルリンおよびゲルリッツ
協力機関: 日本文化政策学会(東京)、ザクセン文化基盤研究所(ゲルリッツ)

 国境を超えた経済活動と人の移動の急速な拡大に直面する現代では、とくに地方の中小都市において、産業構造の変化、若年世代の頭脳流出、中心市街地の衰退あるいは市街地再開発によるジェントリフィケーションなどの諸問題が顕著に現れている。またEU圏の拡大に伴い、旧社会主義圏に属していた中欧の地方都市では、社会や文化分野での構造転換に対処する新たな地域社会の設計が求められている。

 このような厳しい状況にある中小都市において、経済的、社会的また文化的に健全な地域社会を維持し、文化的な多様性を発展させることは、日欧共通の課題であると言える。このため、日本、ドイツおよびその他の諸国の文化政策関係者が連携し、文化政策および文化マネジメントの視点から中小都市の維持発展に果たす文化の役割について会議を開催し、その成果を各国の文化政策の充実と地域の活性化に生かしたいと考える。

 ベルリンでの会議は、とくに、1フェスティバルなどの短期的なアートプロジェクトによる交流人口の増加と地域資源の再発見、2地域内に循環型経済を生み出すことで中小都市の維持発展に寄与する文化芸術施策、3中小都市の維持発展を支える文化芸術活動のための人材育成、などの観点から議論を深める。
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 ↑9月4日、ベルリンの日独センターで開催されたシンポジウムの内容です。
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 ↓伊藤裕夫・日本文化政策学会会長。
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 神戸大学・藤野先生。
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 アンネ・ベルクマン・ベルリン自由大学教授
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 ↓マティアス=テーオドル・フォークト先生・ザクセン文化基盤研究所所長
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 ↓吉本光宏先生・ニッセイ基礎研究所・芸術文化プロジェクト室長
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 ↓イヴァン・ザードリ教授
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 ↓木村護郎クリストフ先生・上智大学
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 コーヒーブレイク
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 ベルリン在住のアーティスト・塩田千春氏が来ているということで、人だかりができました。
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 パネルディスカッションでは、前半発表した先生たちに加え、東大の小林真理先生、川島伸子先生がコメントをしました。
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 前半で木村護郎先生からは、民俗芸能からの文化再生として、被災地では早い段階で民俗芸能が復活したことと、文化庁<文化芸術の海外発信拠点形成事業>に採択されているアートインレジデンス事業の一つ、「『習いに行くぜ!東北へ!!』ー郷土芸能から受け取る東北の文化芸術、復興と新たな社会の創造を目指して」のお話がありました。海外のアーティストが被災地に1カ月滞在することによって国際的な視野で東北の郷土芸能を体験し出会うというもので、NPO法人JDCN佐藤範一代表の「このレジデンスによって未来に向けた文化芸術による復興の具体的な方向性が見えたことです。この習いに行くぜを発展させて、国際的なフェスティバルを開催することによって、海外の人たちが東北を訪れる。2000以上の郷土芸能のグループがあり、芸能の宝庫と言われる東北ならば、バリ島のように芸能を柱とした観光、産業というものがありえるのではないかと思いました。」という言葉が紹介されました。
 木村先生からは、文化活動の優先度の高さは、文化政策が地域再生のかわきりとなり、また、基盤としての役割を果たしうること、地域文化が、市民をつなぎとめ、呼び寄せる資源としての可能性を持つこと、地元市民による文化活動の支援を基盤にした外部との協議・交流による文化再生が可能であることが述べられました。
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 吉本先生からは、四国徳島・神山町の芸術文化による地域再生事例が紹介されました。
NPO法人グリーンバレー「神山をステキに変える!」で、
◎芸術文化を起点とした地域再生
 ・アーティストインレジデンスによるアーティストの招聘と地域の魅力向上
 ・何か新しいことができる、創造的な町というイメージの発信
 ・創造的な人材の誘致、集積
 ・人が人を呼ぶ連鎖と、循環、旧住民と新住民の知恵と経験の融合
 ・過疎を受け入れた上で、将来の年齢構成を維持する目標を設定
 ・多様な働き方を提案
 ・そこに何があるか?ではなく、そこにどんな人が集まるか

 経済とコミュニティを再生するためにアートを手段化する。つまり、①伝統的な文化システムから離れ、②アートの領域を広げる、③アートワークの粘り強さと新しい表現を確保する ということが必要であることが述べられました。
  ※吉本先生が紹介した神山町に2012年アーティストインレジデンスで招聘され、『隠された図書館』という作品をつくった出月秀明さんはベルリン在住。このシンポジウムに来場されておりましたので、私は早速、お話を伺わせていただきました。
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 私は発表された先生たちの話を聞いて、今後の人口減少・高齢した社会において、「人間が生きる上で何が大切なのか・何が人間らしい生なのか」、「価値の転換」、「原理原則とされていた物の見方を変えらざるを得ない状況」に直面しているのではないかと感じました。

また、新自由主義への懸念・憂慮を述べられていた先生もいらっしゃいましたが、私も同じです。市民の自由や権利の保護より資本の自由な活動を優位に置くという特徴を持つ新自由主義は、社会的包摂を含むのならいいのですが、そうはならないように思えました。新自由主義が「普遍的価値ではなく、人気取りの価値を優先させる。」というのは私には腑に落ちるものでした。


       以上 9月4日ベルリン・日独センターにて開催されたシンポジウムより

                              岩   井



 




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