建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 この日はソーシャリーエンゲージドアートについての講義でした。ソーシャリーエンゲージドアートを一言で言うと、「art for positive social change」です。「<あるべき社会>への変化のためのアート」とでもいうのでしょうか?
 スザンヌ・レイシーによるアーティストの4段階として、経験者としてのアーティスト(プライベート・孤高)、報告者としてのアーティスト
分析者としてのアーティスト、アクティビストとしてのアーティスト(パブリック・協働)というのがあります。そして、ソーシャリーエンゲージドアーティストは、この第Ⅰ象現にいます。
え
 因みに報告者としてのアーティストは、米国のニューディール時代の郵便局壁画に当時の労働者の様子が描かれたものがあります。分析者としてのアーティストとしては、岡本太郎がメキシコのホテルの為に描いた「明日の神話」があります。これは、第五福竜丸の被ばくを描いたもので、被ばくを乗り越えていこうというものだということです。
 アクティビストとしてのアートとは、GranFuryのエイズ防止プロジェクトのようなものがあります。
米国において、ソーシャリーエンゲージドアートは一般大衆が自由にアクセスできるパブリックアートから発展してきたものと考えられている。コトやモノ志向のパブリックアートが、コミュニティと密着し、社会問題が深刻化するという背景をもとに、ニュージャンルパブリックアート(スザンヌレーシーが作った分野)ができ、それがソーシャリーエンゲージドアートになった。
 ニューパブリックアートの特徴として、
 1)伝統的表現手段を超えるーインスタレーション、パフォーマンス、メディアアートも活用
 2)幅広く多様なオーディエンスとのインタラクティブなアートワーク
 3)生活に直接かかわる問題をテーマにーsocial change志向

 クリエイティブタイムのnato thompson は、「Living as Form: socially engaged art from 1991-2011」という本のなかで「過去20年来、美学を用いて社会変動に影響を与えようとするさまざまな表現活動がうまれた。この種のアートワークはアーティスト一人の手でつくられるのではなく、集団で制作されたり、コミュニティの営みの中から生まれてくる。参加、対話、行為に重点を置き、その範囲は演劇からアクティビズム、都市計画、ヘルスケアまで実に幅広い。この種のアートワークは人々の生活の中に織り込まれ、アートとライフの境界線をぼやけさせる」と述べている。」
 と述べている。
代表的事例:ウィメン・オン・ウェイブス「中絶船」キャンペーン 2001~

ソーシャルエンゲージドアートの特徴として、
・伝統的なアート概念を超える
・人々の参加を促す
・現実世界のなかに場を設定する。
・政治的な領域に踏み込む

問題点
 アートが安易にソーシャルワークの道具として利用されていないか
 目的が良ければそれでいいのか。アートとしての評価がされていない。 がある。

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 アメリカで使われている「アート」という言葉は、私の知っている「西洋美術」ではなく、「アーム(武器)」に近いように思われました。社会の問題をあぶり出し、人権を守る為の武器という感じです。
 
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 アメリカでのアートの実態をこの授業で学び、ちょっと複雑な気持ちになりました。今まで、このようなアートの実態を知らなかったからです。社会問題・政治問題にアートが入り込んでいくと、アート自体が荒んでいくのではないかとも思いました。日本ではこのソーシャルエンゲージドアートはどのように受け止められ、使われているのか知りたいと思います。

         秋葉先生 ありがとうございました。

                               岩    井
 


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