建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
ふ印ラボ(九州大学藤原惠洋研究室)の1年間を通した中でも重大事業とも言える文化経済学会〈日本〉松山大会へ向かう前日の7月2日(水)。なんとふ印ラボ総力をあげて建築家・青木茂先生の暑気払いパーティーに参加することとなりました。長らく交流のある青木先生より特別にご招待いただきました。緊張と緩和を地で行く、複雑な気分のままはじめての建築家アトリエ事務所へ参上することとなったのですが、そうした私たちをお迎えしてくださったのは破顔一笑、年齢不詳の万年青年とも言える青木茂先生でした。
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青木建築工房主宰の建築家・青木茂先生

福岡市南区塩原から青木茂建築工房のある北天神まで向かう道中、じつにいろいろなところで様々な課題や問題を掘り出しながら、立ち寄る場所々々でふ印ボス(藤原惠洋先生)によるアクティブな街角講義が行われました。
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いつも見かける天神の一角にたたずむ有名作品。でも、あらためてこの作家知っている?と問いかけが飛んでくる!と、おっといったい誰だったか?
オシップ・ザッキンによるパブリック・アート
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青木建築工房は北天神のとあるマンションの一室にありました。
ご招待されたお客様が次々と集まってきます。皆さん、ホンモノのクライアントさんだったり、融資でお世話になっているはずの銀行の方だったり、という複雑怪奇な職域の方々でしたが、皆さんとてもフランクで終始楽しげな雰囲気が続いておりました。
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青木茂先生は、もともと大分県出身の建築家です。リファイニング建築の提唱者として世界中から注目を集めています。
1971年から建築家としてのキャリアをスタート、77年にアオキ建築設計事務所を設立、90年に現在の青木建築工房に組織変更されました。
大分県別府市のアートホテル石松(1988年)や同県大野郡緒方町の緒方町役場庁舎(1995)、福岡県八女市の八女市多世代交流館「共生の杜」(2001)、同県北九州市門司港の三宜楼(2014)など民間・公共建築に限らずこれまで数多くの建物の再生を手がけられ、日本建築学会賞をはじめとする数多くの受賞をされています。

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北九州市 戸畑図書館(2014)1933年築の図書館をリファイニングした事例

リファイニング建築とは、再生建築、つまり老朽化した建物を再利用しながら建て替えよりもコストを抑えつつ用途やデザインを一新する手法であり、それらを繰り返すことで建物の長寿命化を図る手法です。既存の建物の80%を使用しながらも60〜70%のコストに抑える事ができるのだそうです。誰しも愛着ある建築や建物はあるかと思いますが、それが突如として見慣れた風景の中から消え去ってしまうと寂しく感じてしまいますよね。リファイニング建築の場合それがなく、むしろ新たに愛着を感じるきっかけになりそうです。なにより産業廃棄物やCO2の排出が殆ど無いため環境にやさしいのも特徴です。

青木建築工房 http://aokou.jp/
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そんな日本を代表する建築家の青木茂先生ですが、実際にお会いしたところ、非常に気さくでした。この4月より進学した私は、初対面にもかかわらずとてもよくしていただけました。

工房には現在「タイの東京大学」とも言える国立チュラーロンコーン大学から学生さんがインターンとして勉強に来られていました。チュラーロンコーン大学へ首都大学東京の教授として行った青木先生の講演がきっかけとなって留学を決めたそうです。二人とも大学院1年生で、英語がとても堪能でした…!
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学生インターンのスニダーさんとカッポルくん

福岡大学の建築学科の学生さんもインターン生として出席されていました。
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そして!サプライズ!!
七夕が誕生日の我らがふ印ボス藤原惠洋先生へのお祝いとしてケーキが!
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御歳は業務秘密とのことで内緒内緒。
でもしっかりとお誕生日おめでとうございます。(もう過ぎてしまっていますが)

青木茂建築工房の皆様、お招きいただき本当にありがとうございました!

(文責:吉峰) 

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