建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
2014年5月27日(火)18:30から九州産業技術史学会5月定例会が開催されました。

 この日の報告者は藤原先生で、「豊後森機関庫の魅力とまちづくり資源としての意義」と題し、「豊後森扇形機関庫の魅力とは?」「市民が支えた機関庫」「まちづくりの資源として」という観点からのお話がされました。
DSC01679

以下は先生のお話からの抜粋。

「機関庫の魅力は扇形車庫、その鉄筋コンクリートの存在感。転車台、なんとなく懐かしい、半円形の造形、細部にいたる技と技術、鉄筋コンクリートの造形性と表現、空間、巨大な窓、豊後森機関庫は国指定重要文化財の京都梅小路蒸気機関車館と比較するのがいいであろう。

前近代にはなかったが、近代は移動の速さをもって、付加価値を高めていった。鉄道が近代化に果した役割は大きい。飛行機には飛行機の鉄道には鉄道の役割があるが、鉄道は一つの集合体として半永久的に残るだろう。産業革命以降、直線的に進んできた移動が、ほっとするものになるのは鉄道があったからである。

 まちづくり資源としても捉えることができる。昭和9年にできた豊後森機関庫は国指定の登録有形文化財なのでこれを地域固有資源として共感し合う。この機関庫は住民参加の取り組みをしてきた
が、更に新たな視点を加えた参加型の取り組みをすることができる。

 地域固有のまちづくり資源として活かしていくためのキーワードとして、

 1.文脈  この地の歴史的な由来・来歴を知る資源として

 2.矜持  プライド 自尊心感情 を高める資源として

 3.紐帯 絆 コミュニティ、を生み出す資源として 

 がある。

大きな物語ではなく小さな物語へ(30年後のまちづくりへむけて)として、
①政策 ②エリアマネジメント ③担い手と場が必要である。」
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 私の地元でも蒸気機関車が走っておりました。しかし、私はその様子を見たことはありませんし、現在、野ざらしに置かれているその機関車をみても、その汽車が担ってきた役割を想像することさえ困難です。イキイキした蒸気機関車や機関庫を見てみたくなりました。


 次回の産業技術史学会6月定例会は6月24日(火)18:30-21:00です。台湾行政院文化部(日本の文部科学省)文化資産局(日本の文化庁)官僚の柯さんの発表になります。


                                          岩 井

















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