建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 糸田祇園山笠・中下地区の山笠の組み立てとお潮井とりを見せていただきました。間近で見たのが初めてだったせいか大変興味深い体験をさせていただきました。
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  ↑お潮井採りに出発する直前のみなさん。この状態に至るまで、色々と組み立てをしました。
  ↓朝8:30、みなさんとご挨拶。山車の構造を研究をしている倉敷市立短期大学の松内先生と、松内先生に同行させていただくことができた私:岩井もご挨拶をしました。
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  土台はこのように↓なってます。一部ボルトを使っている部分がありますが、それ以外、釘は使われておりません。これにかづらをまいて座る部分を作ったり、かき棒をとりつけたりします。土台組み立て作業を中心的にしていたのは、はじめさん(中央)です。
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 まず、4月27日に採取して、柔らかくするために、水につけておいたという藤蔓を取りに行きます。
↓の写真は水を抜いたところ。既に使う部分ごとにまとめられています。
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 ↓は藤のかづらを巻いているところ。かずらを巻くのは、強度を増すためと安定を得るため。かづらを束ねていますが、これを束ね、縛るのに用いるのはかづらの皮。
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 ねじるのが大切。
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 20年ほど前までは、ハリガネを使っていたそうです。それをある方の提案で元のかずらに戻すことにしたそうです。かずらは年によって、沢山ある時と無い時があるとのことで、とるのも大変の様です。
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 上の部分もおなじようにしてかずらで固定します。固定されたことを「すわった」と表現されてました。
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 ↓写真は皮の部分をたたいて広げているところ。
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 大人たちの作業を見ている子どもたちが、糸田祇園山笠では重要な役割を担います。
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 かき棒を入れるところを初めて見ました。
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 ↑2本のかき棒の幅は、ロープを使ってしめてメジャーを使って空間を測り、決めたら、かずらで土台と結びつけていました。かき棒自身の長さは、10.47mです。
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  内側では子供が鉦をたたいております。この鉦は各地域で音が違うので、担ぎ手は他の地域の鉦と自らが属している地域の鉦の音を聞き分けることができるそうです。
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 上では太鼓をたたきます。これらリズム楽器が大切です。ヤマを担ぐ男衆はこのリズムで進んだり、ヤマを持ち上げたり降ろしたりするのです。お潮井とりの間中彼らは、一定のリズムを刻んでおりました。乱れることはありませんでした。
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 完成です。

 近くの公民館で昼食を食べてから午後2時に出発します。
 松内先生と私もみなさんと一緒に昼食に呼ばれました。
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 ↓ 山笠の話はもとより、炭鉱の話など色々お話を聞かせてくれた佐々木和彰さん。
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 ヤマの飾りにつかうそうです。↓
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 出発直前。担ぎ手のみなさん、なにやら肩からぶら下げております。これは三角の肩当てです。
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 ↓担ぎあげる姿を見て、ちょっと変な感じがしました。ここ糸田祇園山笠は棒の外を担ぐのではなく、内側をかつぎます。外から支援する交代要員はおりません。この40名弱が二人一組で持つ場所を交代しながら進みます。これが特徴のように思えました。
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 出発!これから1㎞くらいの道のりをお潮取りに行きます。ヤマの重量はこの飾り無い状態で2トンくらいと聞きました。飾りの替わりに上には幼児が乗っております。担ぎ手も上に乗るのも男の人のみ。女人禁制です。
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 ↓前にいる方は、このヤマのドライバー、役割を「棒しぼり」というそうです。この方が後方の棒しぼりと合図をしあって、ヤマを上げたり下げたりするのを担ぎ手に伝えます。
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 途中で2度、休憩を入れました。担ぎ手は34名です。
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 また合図とともに持ち上げます。↓
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 ヤマを担ぐ時は、背の低い人はヤマに近い方を持ち、背の高い人はヤマから離れた部分を持ちます。
ヤマを担いでいる間はこのように↓二人一組で、互いに腕をつなぎ、持つ場所を短い間隔で右、左入れ替わりながら持ち、進みます。担ぐ時は下を見てはいけないそうです。前述の佐々木さんも担いでおりましたよ。そして、若者に「前を見ろ」と言っておりました。

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 お潮井とりの川に到着。

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 お潮井とりは山笠期間中の無事安全を祈願してと聞きました。
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 ヤマは年に3日しか動かしてはいけないそうですが、その動かしていい1日がこのお潮井とりにあてられます。『棒しぼり』の方の首の後方を見せて・触らせていただきました。担ぎダコというのでしょうか、膨らんでおりました。
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 ヤマの向きを変える時はスイッチバックをします。一人ひとりがくるっと回れ右をすることで、ヤマの向きも変わります。スイッチバックという呼び名はこの地域が炭鉱の町がだったことからきた呼び名だそうです。
 帰り道には上り坂がありました。
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 各家々には↓のような和がかけてありました。これは、祇園山笠が終わったらその飾りをもらって一年中かけておくそうです。
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 ヤマは無事、元の場所にかえってきました。
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 この↑の写真は昨年のものです。
 今回、山笠のヤマの構造を研究している松内先生とともに糸田祇園山笠の中下地区のみなさんのヤマをつくるところ、お潮井とりにいくところを見せていただきました。始めは調査の一環と思っていたのですが、みなさんがヤマをつくりそれを運んでいる姿にとても感激いたしました。糸田祇園山笠は、1706年か1708年に始まり、戦後は昭和22年から再開されたとのことです。私は、この山笠は観光ではなく、神事だと思っております。みなさんが、それぞれ自らの役割を認識しながら働いているように思えました。
 やや感傷的ですが、ヤマの上に載っていた幼児や周りにいた子供たちはやがて、太鼓や鉦をたたくようになり、時がたてば、ヤマを担ぐようになり、そして、年を経て、ヤマをコントロールする立場になるのだろうと思いました。5月4日のヤマの組み立てとお潮井とりを見せていただき、この祭りが300年以上も続く理由をもう少し知りたくなりました。

     今年の糸田祇園山笠は2014年5月10日と11日に開催されます。
      http://www.town.itoda.lg.jp/news/detail/29/year:2014/back:1

                                                 岩    井










Comments

    • ぐじ's comment
    • 2014年05月22日 17:22
    • はじめまして

      播州姫路から5月10、11日に「糸田祇園山笠」に行きました。
      ブログで記事を書いていると正確な用語を知りたくなり検索して辿り着きました。

      中下山笠に私もお世話になったのですが、一部用語を使用させて頂きました。
      ご報告まで。ありがとうございました。
    • 岩井's comment
    • 2014年05月22日 22:40
    • ぐじさん どうもありがとうございます。私の記事がお役にたって何よりです。祇園山笠好きですか?来年、また、糸田に来て下さい。これからもご交流をよろしくおねがいします。

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