建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

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 韓国踏査の目的:
 今回の韓国踏査の目的は、韓国の芸術教育及び、韓国の文化遺産の調査で、韓国の釜山をはじめソウル、慶州を巡った。この踏査の参加者は大阪の相愛大学・砂田和道先生、藤原研では、韓国の留学生の張さん、そして、私(カ)でした。私は韓国の芸術や文化への知識を広げ、同時に楽しいもの・面白いものをみつけてやるぞという気持ちで臨みました。

 まず、釜山の町の紹介から

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福岡と釜山は意外に近くて写真のようなビートルというジェットフォイルでで3時間くらいで行くことができる。料金は片道13,000円くらいである。


2014年3月26日

博多―釜山
博多からビートルで釜山に入る。釜山国際旅客ターミナルで今年4月から九州大学藤原研究室に入学する張慶彬(ジャン・ギョンビン)さんが笑顔で迎えてくれた。韓国滞在中は、ジャンさんのお世話になる予定である。
 まずはロッテデパートで昼食。
韓国料理を満喫するところから始まった。私にとっては二回目の釜山。これからの旅が楽しみである。
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美味しいごはんを食べて韓国の列車の乗り放題券を買うために釜山駅に向かった。
釜山駅の広場では大勢の人が集まって北朝鮮の攻撃により、殉職された軍人たちの追悼式が行われていた。この日は、2010年3月26日に韓国の西海で起こった「天安艦被撃事件」から4年目のということであった。
 このように釜山駅広場ではいろいろな集会や行事が行われており、釜山市民に様々な利用のされ方をしている。


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コリアン鉄道券を購入した。鉄道での移動が便利で早い。
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釜山市内の赤煉瓦建物~百済病院~

 建物の案内板には以下のことがかかれてあった。
「1922年、韓国人により設立された5階建ての様式の高層建築物で、釜山初の近代式個人総合病院 「百済病院」 として使用されていた。1932年に閉院した後、建物の所有者は釜山の歴史と共に変わった。蓬莱閣という中華料理店から日本の暁部隊の将校の宿所として、終戦後には治安隊事務所、中華人民共和国の領事館として使用され、そのたびに所有者も変わった。

1953年には新世界結婚式場として使用されていた。そして1972年に火災で建物内部が全焼した際に5階部分が取り壊され、現在は4階建ての一般的な商店街として利用されている。」

案内板によると、商店街として利用されているとのことだが、一部、事務所として使われている以外は空いていた。今後所有者を含めた市民全体で新たな活用方法を考えて、この歴史ある建物を活用しながら維持・存続させ、建設当初のようにみなさんに親しまれる建物として生まれ変わってほしいと思っている。
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イバグ道~物語の道~
 山に囲まれた港町・釜山。山肌にたくさんの家屋が並んでいる光景をを目にすることができる。そんな家屋が並ぶ集落の1つが、釜山駅から山側に広がる町・草梁(チョリャン)。釜山市は「ルネサンスプロジェクト」としてここに「イバグキル(物語の道)」を整備。釜山駅からもほど近いため、列車の待ち時間の間に訪れる観光客も多く、多い日には一日に千人もの観光客が訪れるなど、今では列車に乗る人の立ち寄り必須コースと言っても過言ではないほど人気スポットになっている。

 ストーリーテリングを通じた地域再生の現場である。このエリアに入ると、壁にこのエリアの昔話や様々な光景が現れてくる。変化のある通り、大変興味深いものであった。
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 釜山近代歴史博物館 2003年オープン。
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去年の忘年会に来たが、スケジュールの都合でゆっくり鑑賞できなかったので、今回はゆっくりみたいと思っていた。
 釜山近代歴史博物館は、白い西洋風の建物で、外観はごく普通の建物。しかし、釜山の人々にとっては、悲しい歴史の象徴となっている。この建物は、日本の植民地時代の1929年、朝鮮の経済を支配する目的で作られた「東洋拓殖株式会社」の釜山支店として建てられたもので、第2次世界大戦後はアメリカの海外広報の拠点である「釜山美文化院」として使われた。1980年代以後、韓国の民主化要求が強まり、アメリカとの関係を再度検討する動きとアメリカ軍基地返還要求が高まると共に、この「釜山美文化院」の返還を求める市民運動が行われ、その結果、1999年韓国政府に返還され、その年の6月釜山市が引き継いだ。釜山のつらい歴史を伝える教育空間としてふさわしいと言うことから、主に、釜山の近代史と韓米関係史で構成された展示を行う近代歴史館として生まれ変わったのである。

ここではあるスライドが目をひいた。日本統治下における韓国人居住区、東萊集落である。ある叔父さんと子ともが電車に乗り、市街地を通って運動場へ向かっている。途中でたくさんの立派な近代建築の官庁、日本人街を見ながら、植民地についての会話をしていた。最後、叔父さんが「あの子が強くなるこそが大事なことだ」と言っていた。同じように日本統治下にあったある時期の台湾でもそういう「会話」が存在したかもしれないと思った。

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2014年3月27日
釜山ーソウル(KTX

 朝から心がワクワクする。初めての韓国鉄道旅行とソウル見学である。遊び心半分でゆったりと沿道の景色を眺める。列車が釜山から出て数分間後トンネルに入る。トンネルが多く、なんと居眠りをしてしまった!

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ソウル駅

釜山から2時間30分でソウルに着く。ターミナルはとてもお洒落である。首都の駅らしく、様々な人が行き交う。今回の踏査の目的の一つは近代建築「ソウル駅旧駅舎」を訪ねることである。新ソウル駅舎を出て左手に「ソウル駅旧駅舎」がある。

ソウル駅旧駅舎は日本統治時代の京城(けいじょう)駅現在役割を終えて保存されている旧駅舎は、東京帝国大学教授・塚本靖の設計によるもので、19259月30に竣工しました。建築規模は、東洋第一の東京駅に次ぐ東洋第2の駅舎と呼ばれるほどの規模であった。20118月9、「文化の駅ソウル284」という名前で複合文化空間が旧駅舎内にオープンした。ソウル駅旧駅舎は韓国史蹟284号に指定されているため、「文化の駅ソウル284」と名付けられたとのことである。
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崇礼門(南大門

1392李氏朝鮮を建て漢城に遷都した太祖・李成桂は、1395に都の城門の建設に着手し、1398に完成した。南側の主要な門である崇礼門は、俗に南大門と呼称される。ソウルで最古の木造建築であり象徴のひとつともなっていたが、20082月の放火によって石造の城門を除いた大部分が焼失してしまう。2008520日、韓国文化財庁は「崇礼門復興基本計画」を発表し、200912月までに発掘調査、考証、設計を行い、復元工事は20102月10に工事が着工し、20134月に復元工事が終了し、同年54日に復元記念式典が開催された。
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釜山芸術教育支援センター

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釜山文化芸術
育支援センタは、地域ネットワクの構築をもとに文化芸術育の現地性と率性を高めるため、地域の文化芸術育の活性化の必要性にじて、釜山域市の推薦で20105月の文化体育光部からの位地域の文化芸術育のサポトセンタに(財)釜山文化財が指定した
地域密着型の文化芸術育支援システムの構築・文化芸術育の活性化のための釜山市と市育委員会の協力体系を構築し、釜山市の文化芸術育政策と連携した地域ベスの事業の推進にあたるものである。

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2014年3月28日
釜山―ソウル

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この日は私がまたKTXで釜山よりソウルに、そして、砂田先生と張さんが飛行機でソウルに移動し、皆でソウル駅で合流した後、世界遺産・昌徳宮を見学に行った。そこで案内をしてくれたKimさんは張さんの高校時代の同級生、現在は高麗大学の景観建築学科の後期博士課程に在籍中で、専門は韓国の伝統造景についての研究とのことである。

キムさんは韓国の文化遺産に対して非常に秀でており、外国人の砂田先生と私に韓国の文化遺産を認識してもらいたいがために、「World Heritage in Korea」の本を贈ってくれた。皆、ワイワイと韓国冷麺を食べながら、韓国の文化遺産に関する話をした。

昼食後、昌徳宮は午後1時に開館するので、さっそく昌徳宮へ移動した。この時間による入場制限は、多すぎる観光客を防ぎ、世界遺産を保護するのが目的である。文化遺産マネジメントという面から捉えると非常に良い方法だと思います。

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昌徳宮

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昌徳宮は、正宮である景福宮に対する離宮として創建された。現在の韓国国内の宮殿の内、最も創建時の面影を残している宮殿であり、日本の梨本宮家から嫁ぎ、大韓帝国最後の皇太子李垠の妃となった李方子(まさこ)もこの宮殿で暮らした。正門にあたる敦化門は大韓民国最古の門といわれます。儀式の執り行われた正殿の仁政殿など13棟の木造建築が現存しており、宮殿の北に広がる李朝時代の王朝庭園である後苑秘苑とも呼ばれ、園内には多くの東屋や人工池などがあり、韓国造園技術の極致といわれる。昌徳宮の建造物群は、1997ユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録された。

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韓国芸術文化教育振興院

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韓国芸術文化教育振興院は、芸術・文化教育の進歩、促進を目的とし、韓国における初めての政府機関で、2005 年2月に設立され、同12 月に、世界で初めて国家レベルで団体や機関が学校と連携して文化・芸術教育の支援に当たるための法律、「文化芸術教育支援法」が制定され、学校や地域社会における芸術・文化の教育を支援する機関として活動を始め、現在に至っている。

芸術・文化教育を支援するために、情報を誰もが見ることができ、平等に教育を受ける機会を提供することができる環境を整えることを目的としている。
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BY D1 柯勝釗

                                   後編につづく。











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