建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

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九州大学公開講座では藤原惠洋先生のご企画のもと、20世紀に花開き世界を席巻した
欧州デザインへの探検をテーマに、世界的に有名な椅子コレクターでデザイナーの
永井敬二先生をお招きし講義をいただいています。

第一回ドイツバウハウスのデザイン、第二回デンマークのデザイン、
第三回フィンランドのデザインと続き、そして4回目はドイツデザインの全般に
及んだものとなりました。

 

生活に深く介入するドイツのデザイン

ドイツではミュージアムでプロダクトデザインを網羅し、収集、アーカイヴ
公開が徹底的に行われている。デザインミュージアムはドイツ中に多々あり
1888年に設立されたケルンのミュージアムでは、20世紀のデザインがほとんど
網羅されておりしっかりとしたアーカイヴも構築されている。シュトゥットガルト
市立美術館のデザインミュージアムも著名。プロダクトのみならず、焼物
産業遺産、など多様なミュージアムが充実してる国である。

 
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ケルン応用美術博物館 

http://www.museenkoeln.de/home/Museen

シュトゥットガルト市立美術館 http://www.hascherjehle.de

 

ドイツのデザインは機能的でシンプル、無機質で計算された質感も好む。

生活の中で使うプロダクトに対する姿勢にこだわりが感じられる。例えば、お茶を
飲む人数に合わせて、それぞれの大きさのティーポットを使ったりする。

例えば6人用、4人用、2人用など、大きさの異なるものをいくつも持っている家庭も
多く、シチュエーションを楽しんでいる。

 コダックのスライド映写機一つにおいても、アメリカ製品とドイツ製品とは
異なっている。ドイツデザインはとても機能的で合理的、シャープで一見無機質に
見えるようなカチッとしたものである。

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日本においてはシェービングのブランドとして有名なブラウン社は、家電製品を
作っている。特に昔のトースターのデザインはシャープで美しい。
永井さんはこのトースターを使いたくて、なんと200Vニクロム線の数を100V
調節して、日本でも使える電圧に変換したとのこと!ブラウン社のデザインは
長年ドイツのデザイナーであるディーター・ラムスによって行われていた。
永井さんはハンブルグにて雑誌から追跡。ブラウン社はのちにアメリカのP&G
買収されることになるが、それ以前の純粋なドイツデザインは美しいものが
多かった。 ブラウン社のプロダクトは、2008年に東京府中市美術館、大阪
サントリーミュージアムで行われたディーター・ラムスの展覧会にて展示された。

 

ヴィツゥ社 ディーターラムス グッドデザイン10の原則

https://www.vitsoe.com/jp/about/good-design

 
 
 

ディーター・ラムスの影響?

アップル社へ移ったデザイナーの西堀晋氏

パナソニックにおいて1996年発売された『P-CASE』が話題になった。

直線でありながら柔らかなデザインを入れることができる仕事をする西堀氏。
しかしp-caseはディーターラムスの仕事そのもの

 
 

ディーター・ラムス(1932〜):

ドイツのインダストリアルデザイナーで、家電製品メーカーであるブラウン社と
密接に関わるとともに、インダストリアルデザインにおける「機能主義」派の人物。
ラムスは、1943年から1957年にかけてヴィースバーデン製作技術学校で建築
ならびに大工技術を習得した。


 

西堀晋(1966〜):
200220127月まで10年間、アップル社のインダストリアルデザイナー
ジョナサン・アイブ率いる工業デザイン部門(IDG)で活躍した人物の一人。

 


 

デザインでノンバーバルコミュニケーション!

ドイツには一年に一度、コレクターの集まるショウがある。永井さんもそこに通い
フリーマーケットのような形で買い集めていた。永井さんは蚤の市にも出かけたり
する。おばさまが出品するものから欠けたパーツを物色したりする。ニューヨーク
には、SONY製品のコレクターがいたりする。

 

ショウの中で出会ったドイツ人に、柳宗理のバタフライチェアと交換して、4脚
セットの椅子を1脚だけ分けてもらうことができたこともある。

初日に出会ったコレクターの自宅に泊まったり、テクタ(バウハウスの流れを組む
デザインの工場)を見学させてもらったり、ケアホルムのイージーチェアの
ハイバック(建築家の特注!)を見せてもらったりしたこともあるという。
日本からはランドセルや補助鞄などをプレゼントし、永井さんはドイツの小学生が
使う通学鞄を分けてもらったりした。
 

1976年 イタリアカッシーナ社の工場に見学に行った時、言葉が喋ることができ
なくても、カタログを見て見て見まくっていたので知識が溢れてコミュニケーション
を取れることができた。永井さんにとっては本当にプロダクトがコミュニケーション
ツールとなっている。

 
 

カタログの存在

永井さんにとってはデザインはカタログから情報を得ることが多い。現地で製品
カタログを入手してくまなく目を通したり、雑誌から情報を得ることも多い。
年号、品番、サイズなどきちんと把握されているものも多いが、これまでに間違い
を発見し指摘したことも少なくないという。ブルータスは情報量が多いが、写真が
小さく美しく見えない。昔発行されていたジャパンインテリアデザイン、
GA JAPANMD(メーデル・デザイン)などをずっと見てきた。

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本日お見せいただいたもの 

 
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ウィルヘルム・ワーゲンフェルドのポット(190019901923年にバウハウスに
入学し、1924年に24歳の若さでデザインしたバウハウスランプは名作)

1938年からずっと作り続けているカップソーサーなど
ウィルクハン 、ヘルベルト・ヒルヒェのチェア

ルフトハンザエアラインで使われた、スタッキングできるプラスティックの器  

ペリカンのインク壺(1950

パーカー社のshorty(アメリカでは販売されていない製品であり、永井先生は
イタリア経由で10本購入したとのこと。)
レコードを入れるだけで自動再生ができるポータブルマシンは講座でも大人気! 

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ドイツデザインは、シンプルにシステム化された機能美の中に、綿密さや丁寧な
仕事が細部に宿っているものばかりでした。モノトーンや無機質な素材のシャープ
さが目立ち、計算されたフォルムがひときわ際立って見えるものが多くありました。

日本においても引き算をする伝統的な美学がありますが、日本的な間合いを強調
するそれというよりも、機能性、合理性を重視した美しさを感じました。
 

いよいよ公開講座も最終段階に入ってきました。1222日は、なんと唐津の洋々閣
という旅館において永井先生が直接コーディネートを手掛けられたインテリアの
見学と藤原先生、永井先生、女将大河内はるみ氏との鼎談が開催される予定です!

 
 

D3 國盛

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