こんにちは。芸術工学部芸術情報設計学科3年の古賀と申します。
私たちのグループは芸術文化企画演習という授業のなかでフラッシュモブを実施しました。
以前からフラッシュモブって面白そう!やってみたい!と思っていました。
また更にこの授業を通して、ただ楽しむだけではなくて、なにか社会へ提言できないかと考えました。
特に都市部で見られる光景として、隣に人がいるのに、いないかのように振舞う人が多いように感じていました。よく言われる例としては、電車に乗ればみんな携帯を取り出して自分の世界に入っていること、近くで何か起こっても全く気にかけない人が多いことなどが挙げられます。
かく言う私もそんな現代人の一人ですが、これでいいのだろうかという疑問を感じていました。
そこでフラッシュモブの可能性を考えました。
いつもはただ行き過ぎるだけの人や場所が、突然パフォーマンスを繰り広げることで、隣にいる見ず知らずの人と少しでも何か共有できたらいいなと考えました。
もちろん、そこにいる人同士が仲良くなれるというわけではありませんが、同じ空間・時間を共有する機会を提供することは意味があるのではないかと思いました。
そういった思いもあり、初めは天神で実施しようと思いました。
いくつかよく人が集まる場所で候補を考え、その土地の管理者に許可を取ろうとしました。
ですが、そもそもイベントを許可していなかったり、使用料が高く、学生が実行するのは厳しい状況でした。
また、時間的な制約なども考え、大橋駅前の歩道での実施に変更しました。
南警察署に足を運んで道路使用許可を取ろうとしましたが、騒音や交通の邪魔になる可能性があるため許可をとることはできませんでした。
そのため、人数や使う場所において安全面を考慮し、近くのお店に出向いて事前に事情を説明してから実施することにしました。
曲は映画ハイスクールミュージカルより「We Are All In this Together」という、初めて聞く人でもノリよく楽しめる曲を選びました。
芸術工学部のダンスサークルに声をかけて出演者を募り、体育館に集まって練習をしました。実施する日まで日が浅かったなか、快く協力してくださった方々に感謝です。
多くの人に見てほしいと考え、平日の夕方の帰宅する人が多い時間帯に実施しました。
直前まで成功するか不安も大きかったのですが、たくさんの人に見ていただいて、実施後に通行人の方にとったアンケートでも「楽しかった」という意見をたくさんもらえたので良かったです。
ですが、今回は場所の検討、許可の申請に時間がかかり、十分に演出を考えられなかったのが心残りです。
また、アンケートでも「通行の邪魔になっていた」といった意見も少なからずありました。
多くの人にフラッシュモブを受け入れていただくにはまだまだ課題があると思います。
今回の取り組みにより、フラッシュモブを実施しようとしている団体の方から声をかけていただきました。
今後別の機会にまたフラッシュモブを実施することができるかもしれないので、より良いものを目指したいです。
古賀
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
藤原先生が教鞭をとられる芸術文化企画演習では、学生が地域社会をフィールドに
何かしらの取り組みを起こすことで、地域との接点を持ち、それらを解決に導く
ような実践的な場を設けるものです。
ブラウンフィールドからクリエイティヴシティへ、衰退する地域社会を創造都市へと
導くためにはクリエイティヴなアイデアと実践力、地域の声を忠実にすくいあげる
ことが必要です。そのような力を付けるための一歩として、この授業は位置付け
られています。
そんな授業の取り組みの中、フラッシュモブに注目したチームが大橋駅前で
実施!
http://www.youtube.com/watch?v=YO5Nr_9pzzg
近年頻発するフラッシュモブ。きっかけは自分たちも企画し実施してみたいと
思ったことからだったそうです。
フラッシュモブとは…
ネット上で事前に集ったメンバーが、現地にあたかも偶発するような形でダンスや
パフォーマンスに参加。終了後は群衆の中に三々五々解散していく素振りを
見せることで、日常→非日常→日常の瞬間的な展開を見せる行為。
開催までの流れ
天神駅周辺各地に申請。警察を通しても許可がおりなかった。大橋駅周辺は
規定が曖昧であったため、安全面を考慮して開催。芸工生の15人程度有志を募集し
1週間練習のち実施。
参加者・周辺の観客からもアンケートを募集し、フィードバックをとった。
後日youtubeなど動画にて公開。
授業では成果発表の際に以下のような質疑応答も行われていました。
Q : 福岡ではどこが最初に行ったのか?
A : 最初かどうかは分からないが、g.u.がキャンペーンで行っていた。またプロポーズ
をフラッシュモブで支援する団体も存在する。このきっかけで福岡大学が大規模な
フラッシュモブを行いたいと連絡をくれ、見に来てくれた。
今後コラボレーションする予定。
Q:改善点は、どんなことを行いたかったのか?
A : 人数を増やし、演出も凝って行いたかった。歌ったり、市民参加型にしたかった。
Q:メッセージ性はどこにある?
A : 日本において、観客の意欲は薄いので巻き込まれないと思った。そこで近隣の人が
観客として幸せな体験をしてほしかった。
評価:よく許可がおりるまで粘り強く交渉し実現化させた。観客も参加できるように
なるにするには、振り付けを簡単なものにしたり時間を長く設けることで躊躇
から参加できる人もいるのではないか。場を変容させ緩やかな関係性を築くと
いう点において、期待できる表現方法である。
今後ともさらなるブラッシュアップを図り、他大学との連携を図る動きを発足させて
いるそうです。授業がきっかけとなって実社会へプロジェクトを仕掛けていく
試みとなっているのは、素晴らしい出来事だと思いました。
D3 國盛