建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
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 第6回菊池まちづくり道場が開催されました。

 今回の藤原先生の対談相手は渡辺義文さん。菊池市隈府にある「有限会社渡辺商店」の店長さんです。もともとは酒屋でしたが、安心・安全で美味しいものをお客様に提供したいということで、無農薬の米を栽培し、その米を使ったお酒を作ったりしているとのことです。また、安全な農産物作りにこだわりを持つ生産者の集まりである、「自然派きくち村」を運営なさっているとのこと。この「自然派きくち村」は渡辺さんのように、安心・安全をモットーにしている生産者の方がインターネットで、その商品を販売しております。商品をみてみると、お米でも、無農薬栽培米が前提で、自然栽培と有機栽培があります。無農薬・合鴨農法米や、無施肥米もありました。私が気になったのは、コーヒーのフェアトレード商品。健康はもちろん、経済においても考えている製造者が自然派きくち村のメンバーなのだということがわかりました。


 そして、私が自然派きくち村のサイトをチェックした時から気になっていた商品が目の前に来た時は、「びっくり」より「やった!」の気持ちが大きかったです。北海道にいた時はビールを飲むことが多かったのですが、九州に来てから日本酒を飲むことを覚えました。
 『無濾過生原酒 純米吟醸菊池川』登場です。来てよかった。渡辺さん、ありがとうございます。
      (製造年月日:2013年1月の『菊池川』)
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 (↓2枚は「自然派きくち村」HPより)
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 自然派きくち村のサイトによると、「千代の園酒造の醸造所では、一月の冬の冷たく引き締まった厳かな空気の中、いよいよ醸造タンクで眠っていた菊池川のもろみからお酒を搾ります。辺りはお酒の芳醇な香りに包まれます。磨かれた酒造米に十分水を吸わせてから蒸します。蒸した米を使い麹と酒母を作ります。蒸し米に種麹を混ぜて麹を作り、蒸し米に日本酒酵母と仕込み水と合わせ酒母タンクで寝かせます。出来上がった麹と酒母をあわせたものが「もろみ」です。もろみタンクで25日程寝かせます。次は上槽(圧搾)です。もろみを袋に入れ、袋の口を畳んだものを重ねて積み上げ液状部を搾り取ります。(袋しぼり)この時残った絞り粕が「酒粕」で、アルコールを含んでいます。この搾りたてのお酒の上澄みを、ろ過処理と加熱殺菌を行わずそのまま瓶詰めしたお酒が『無ろ過原酒純米吟醸 菊池川』となります。生きた酵母の活動で、お酒が噴き出すこともあります。瓶をボウル内などに置き、飛んだ栓で電気などが割れないように「シャンパンを開けるように開封して下さい。生ものですので冷蔵で保存して早目にお楽しみ頂くのがおすすめです。さらに濾過して風味を磨いたお酒が、生原酒『菊池川』(アルコール度数17度)です。」

  米の品種は「雄町」、もちろん、無農薬・無肥料。菊池環境保全農業技術研究会が菊池の水を使って育てているとのことです。酵母は「熊本酵母」。通常は加熱殺菌するところをしない、だから、酵母が生きており、お酒が噴き出すことがあり、冷蔵庫保存とのことです。 
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 渡辺さん、ご自身で酒米をつくっていらっしゃいます。渡辺さんは本来は酒屋さんです。そこまでする必要はないように思いますが、強い思いがあってなさったようです。お米を作る時は、ご両親の反対を押し切って取り組まれたとのことです。よくそこまでやるものだと感心するやら驚くやらです。
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 しかし、渡辺さんの活動は、自然派食べ物のネット販売「自然派きくち村」、千代の園酒造と共に米作りから始めた『菊池川』にとどまらず、更に、2012.1.21には「自然派レストラン~郷乃恵(さとのめぐみ)」↓をオープンさせました。この名前は渡辺さんのおじいさまの名前が郷恵というところからきているとのことです。
 (↓の写真は郷乃恵HPより)
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 私は郷乃恵に行ったことが無いので、インターネットで調べたところ、↓このような食事ができるとのことです。

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 更にさらに、↓このような企画も行われたそうです。結果は大成功。
「お米や野菜を、「誰が」「どこで」「どのように」作っているのかを知るために、“菊池で有機栽培や自然栽培で農作物を作っている田んぼや畑を見学し、生産者から農法や安全性、農業に対する思いを直接聞いたり質問できる場を設けたい”と企画されたのがこの体験型農業ツアー「百姓三昧」です。」おるが自慢大宴会では生産者の農作物や菊池で育った無農薬栽培の農作物を使った料理、また無農薬米で作った焼酎や日本酒という「おるが作った自慢の一品」を食べたり、柔らかくヌルヌルすべすべとした肌触り、良質で肌に吸いつくような濃厚な湯の菊池温泉に泊まれたそうです。
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  渡辺さんは、このまちづくり道場の後の食事会の中で、美味しい漬物を作ってきた方に、「これを売りましょう」と声をかけていらっしゃいました。私は驚いて質問すると、「ぐずぐずせず、すぐ取り掛かることが大事。考えすぎていては何もできない」とのことでした。
 -生産者と消費者が共存共栄、win-winの関係になる仕組みづくりを自らの使命と考えてらっしゃるような方、渡辺さん、『菊池川』ほんとに美味しかったです。ありがとうございました。
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  ところで、渡辺義文さんと藤原先生の対談が行われたのが、松倉邸というところ、
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 国登録有形文化財になりました。
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  このまちづくり道場に参加した人たちは、みな、文化財の中でためになるお話を聞き、そして、私は文化財の中で『菊池川』を飲んでいたのですね。-幸せなひと時でした。

                                 岩    井

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