建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

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 やってきました清水中央公園再整備WS最終回。前回は最後にドッジボールコートをどうするかで議論になりました。さて、今回は最終回です。どのような提示がなされ、住民のみなさんはそれをどのように受け止めるのでしょうか。プロの仕事と住民の考えの現場に臨ませていただきました。
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 今までのB案、C案を考えあわせて区とコンサルさん側が提示したのが、下の案です。
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 第1回目はこんな↓感じでした。上と比べると、やっぱりプロの方ってすごいのがわかります。
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 「自由広場」「遊びの広場」「憩いの広場」 全てB案より大きくなったように見えます。
ゾーニングと動線を考えての案とのことです。これにより、性格の異なる3つの広場ができました。動線は園路でぐるっと回遊できます。ケヤキや桜は残し、木陰も確保。駐輪場をつくり、手すりをつけ、健康遊具や幼児用遊具も設置。近くに保育園や高齢者施設があり、両施設利用者はこの公園をよく利用するとのことで、幼児・小学生・親子・高齢者と幅広い年代に対応可能のように思えます。そして、自由広場と遊びの広場の間の「みどりの丘」は、木々がありちょっとしたアップダウンになっているとのことでした。みどりの丘は、自由広場でなされるボール遊びのボールが「遊びの広場」に来ないようにするため、2つの広場の間を仕切る緑の壁の役割も果たします。参加者からはゾーニングが良かったなどの意見がありました。私もなんて素晴らしく考えられた公園だ!と思いました。しかし、地域住民のみなさんから、気になる点が数個あげられました。
 ①自由広場にもう一つフェンスをつける  ②トイレの位置を動かす ③遊具について です。
 ①提示案では上図・左の駐輪側と上図・下の手すり側に既に3メートルのフェンスをつけることになっております。しかし、参加者から、「憩いの広場」側にもフェンスをつけてほしいという要望がでました。理由は、憩いの広場の利用者となるであろう幼児のところに、自由広場でされるボール遊びのボールが飛んでくるのを防ぐため、また、自由広場でボール遊びをする方も幼児に気兼ねなくボール遊びがしたいので、憩いの広場側にフェンスがほしいとの意見でした。私はできるだけフェンスという圧迫感を感じるものは無い方が良いと思うのですが、この公園は近くに住宅や会社の事務所があったり、周りを道路で囲まれていたり、様々な年代の様々な体力の人々と街区公園という空間をシェアをしながらやっていくことが求められるので、憩いの広場側にフェンスをつけるのは必要なのであろうと思いました。しかし、さらに、みどりの丘側にもフェンスをつけてはどうかというのにはびっくり。私は地域住民ではないので何とも言えませんが、せっかくの「みどりの丘」の良さを損なうことはしてほしくないなと思っておりました。四方をフェンスで囲むことを提案した方は、自由広場で思いっきりボール遊びをするためにフェンスがあった方が良いというものでした。しかし、別の参加者からは、「四面をフェンスで囲うとかえって激しい遊びにつながり、夜遅くまで遊ぶ中高生が出て、かえって騒音等の問題が起こるのでは。」「子どもが考えて遊ぶことを促した方が良い」「遊び方は親や地域が子どもに教えるべき」といった意見がでました。みどりの丘は緩衝地帯、人との関係性を重要視するところなのでフェンスは無い方がよいとコンサルさんも言っておりました。私ももうこれ以上フェンスはいらないと思いました。
 ②トイレは位置が問題になりました。入口近くにトイレがあると、その近くに車をとめ、公園を汚く使ったり、弁当ガラをポイッと捨てていったりする人がいるのでトイレはもっと公園奥に設置してほしいという意見が出ました。また、憩いの広場近くにトイレを置く方が子どもにはいいのではないかというのもありました。これは、トイレは人目がある外側に置くのが一般的である、トイレを動かすとなると桜の根を切らなければならなくなる、移動先に落葉する木がありこの葉っぱがトイレの屋根に積もって手入れが大変ということから、提示案のままになりました。
 ③の遊具に関しても、数を増やす方がよいのではなどの意見がありました。
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 ↓青いポストイットは提示案の良い点、黄色は気になる点。
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 コンサルさんが一つひとつ説明してくれました。
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 樹木に関しては、常緑樹では、シラカシ マテバシイ ソヨゴ クロガネモチ カクレミノ  落葉樹では ヒメシャラ オオシマザクラ コナラ コブシ ヤマボウシ が植えられるそうです。

 地域住民のみなさま、区とコンサルティング会社の関係者の方々、お疲れさまでした。私は9月に行われた第1回目から今回の第4回目まで全て参加させていただきました。ワークショップとはどういうものかを全体としてとらえることができ多と思います。地域住民の要望と、担当者やプロとしての意見の両方をこんなに長期間、当事者の近くで聞いたことは今までありませんでした。要望は要望として表明することって大切だと思います、と同時に区の公園担当者やプロの方の言ってることを聞くのも、より良い公園づくりには必要だということがわかりました。ここに参加した方々は地域住民全員ではないので、これが全住民の総意とは思いませんが、参加した方々、提案をなさった方々、双方の熱意あるワークショップにより、地域のみなさまにとってより良い公園ができるのではないかと感じました。
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                                  岩 井



 










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