建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
 【バリで一番良かったところ】

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                         (参加者の小瀧さんと現地のおじさん)
  私がバリ島FWで私が一番心に残った風景はこのテガラランの棚田。(以下は木嶋光宏「神々と人々によって守られてきたバリの棚田」『建設コンサルタント』vol230より。)「棚田の発達には当地が火山島であることが大きな要素である。棚田が広がる山々の中腹部一帯は火山性の多孔質な岩体で構成され、表層には植物の育成に欠くことのできない養分を多く含む火山噴出物が厚く堆積する。インド洋沖で発生したモンスーンが島の山々に当たり、ここに降った大量の雨は地中に浸透し、伏流水となって中腹の随所から良質で豊富な水源として噴出る。このような自然環境のもと、紀元前5 世紀頃から紀元後1 ~ 2 世紀にかけて、中国南部からベトナム北部を発地として東南アジア一円に広まったドンソン文化が青銅器や鉄器の製造技術とともに稲作を伝えた。人々は鉄製の農耕具によって、山岳地という水耕には不利な立地条件をいともなく改変し、自然発生的に湧水を水源とする稲作が進められていったと推測される。無論、棚田の開墾と維持には大変な苦労が伴う。伝説では、稲は黄泉の国を司る男神ヴィシュヌと母なる大地の神サンヒャン・イブ・プルティウィが交わり産み与えた神聖な食物とされている。そのため人々は稲を特別な存在として扱い、耕作自体が神聖な行為とされている。このような稲に対する尊敬と畏敬の念が、棚田が維持されてきた根底にあると考えられる。」同資料によると、バリでは古来より棚田の形は変えてはならないとされているため、現在の棚田は、当初からの地形がそのままに生かされたものであるという。耕作は三期作が可能ではあるが、土地がやせるため、二期作に畑作または休閑を挟んでいる。12月と7月にはいっせいに田植えが始まり、雨の少ない5月と6月に畑作が行われるとのこと。又、棚田は古くからスバックと呼ばれる強固なつながりのある水利管理組織により維持されてきた。スバックでは神を祀り、スバック長を中心に農業用水の公平な分配と水利施設の維持管理などを行っている。
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北海道の米の生産地出身の私は、こんな斜面に水田を作っても農業機械が入れないので作業が大変であろう、できた米も収量が少ないであろう、ここの土壌はいいのか、病気を防ぐため稲には風通しが必要だと思われるが大丈夫なのか、品質はどうなんだろう、働き手はいるのかなど、農業への疑問と美しい風景の両方が頭の中でグルグルしてました。因みにここは観光客でも棚田の下まで降りていけます。行くのであれば運動靴をオススメします。
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 次!
   
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【ジェゴグって知ってますか?】
ガムランを知っている人は多いと思いますが、ジェゴグはどうでしょか?ガムランは鉄琴のようなものをたたいて音をつくりますが、ジェゴグは大きな竹を用いて音楽にします。私はこの力強くダイナミックなジェゴグが大好きになりました。もともとジェゴグには踊りはなかったそうですが、人々に喜んでもらうため、踊りをつけたとか。写真向かって左は私が小学校で使ったことのある木琴の竹バージョンのようなものでしたが、右側は楽器自体が大きく、演奏者は楽器の上に乗っかって演奏していました。この後、更に大きな竹を上からつるしたバージョンの楽器もでてきました。因みにバンドマスターは画面右側の太鼓です。私自身、ガムランワークショップに参加したのですが、この時は全ての支持は太鼓からだされました。演奏者はこの太鼓の音に耳を傾けその指示に従います。ジェゴグのプログラムの内容は、音楽のみがあったり、若い男女の踊りがあったり、暗い中で蝋燭でパフォーマンスしり、そうかと思えば大きな竹を立てた状態で演奏したり、最後は、観客を舞台にあげ、楽器の近くや楽器の真下で演奏を聴かせました。私は右の楽器の下に潜り込んでみました。音というより、振動でした。野外でのダイナミックな演奏と踊りは全て興味深く興奮させるものでした。私が観た舞台のsiteをつけておきます。プログラムはこのとおりでした。http://www1.tcn-catv.ne.jp/bintang/jegog.htm

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 【キンタマーニ】
 北海道出身の私はやはりダイナミックな自然に反応します。キンタマーニは高原地帯。写真正面の活火山バトゥール山(1717m)と左のアバン山(2153m)に囲まれたカルデラ湖・バトゥール湖のパノラミックな眺めが人気の景勝地とのことです。写真ではわかりづらいですが右にある青い部分が湖です。はじめてこのパノラマを見た時は、山と湖の位置関係がよくわからずエッシャーのだまし絵のようにみえました。皆この大パノラマを見ながらビュッフェ形式のお食事。私は景色にみとれてました。羊蹄山よりデカイ?(羊蹄山は1,898m)。もちろん食べましたが。DSC00916

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 私はイタリアやドイツの宗教画には興味ありますが、アジアには全く興味ありませんでした。今回、はじめてウブドを巡ってみて、自然や土着性のある芸術が好きになりました。特にヒンズー教と人々との関わりは発見でした。おおらかで自然と結びついていると思います。上にあげた棚田もジェゴクもキンタマーニも人と宗教と自然との関わりという鍵で見てこそ、意味を持つのかなぁと思いました。
           
                           (岩 井)

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