建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

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街角の歴史遺産が個性ある町づくりに一役買っている。

6月一福岡市で「全国歴史とまちづくりの福岡大会」が開かれた。
町歩きイべントもあわせて催され、参加者は小さな歴史の再発見を
楽しんだ。記者も張り切って参加。一実感したのは地域の記憶って、
なんて豊かでバリエーションに富んでいるんだろう!」。
 

海外との門戸を担ってきた福岡市周辺は文化遺産の宝庫だ。
これを生かさない手はない。地元にどんな名所旧跡や懐かしい風景が
あるのか−まずはそれを知ることから。というわけで、七つのルートに
分かれた「町歩き」の一つに加わった。天神中央公園から水宮天満宮、
赤煉瓦文化館、旧福岡公会堂貴賓館、中洲を抜けて博多の鎮守さま、
櫛田神社へ。

ボランティアガイドに連れられ、ぞろぞろ歩いたやや駆け足だったけれど、
見過ごしていた石碑や記念碑にびっくり。見慣れた町並みが違って見えた。
「こんな曰が来るとは思わなかった。
20年前は歴史的建築は次々と消えて
いったのに、見学の対象になるなんてね」。九州大学学院芸術工学研究院の
藤原恵洋教授は感慨深げだ。歩いた後は「城跡と城下町の文化的景観」の
分科会。終着点の櫛田神社を会場に、九州々の町づくり活動が報告された。
 

 

佐賀市が城下町地図

かつて鍋島氏が治めた佐賀市では、市が城下町マップを作って観光施設など
で配り、町歩きを呼びかけている。昔ながらの町割りを残しており、江戸時代
の地図と現代の地図を重ね合せたアイデアが好評で、年に4回開かれている
歴史探訪会は、テーマごとに研究史郷土史家を招いての解説つきで、毎回
100人もの参加があるそうだ。「自分の住んでいる所が、昔どんなだったか
知りたいう声も。リピーターが多いですね。」と同市市都市デザイン課の
武藤英海副課長。

 

今年3月にはー伝統的な風景に配慮した町並み整備に国が補助する「歴史
まちづくり法」基づく認定を受けた。補助金は歴史ある建建物の保存
・修復に役立てる予定だ。

 
住民ら将来像議論

こうした動きを踏まえて、シンポジウムでは、会場となった福岡市の
将来像についてホットな議論が交わされた。福岡市は、誇り高い町人の
町、博多と、黒田のお殿様を頂く武士の町、福岡がひとつになった珍しい
「双子都市」。ただ、住民の出入りは激しく、郷土意識も乏しいという
大都市ならではの悩みも抱える。

「博多っ子純情」の作者で『「博多町家」一ふるさと館』館長もつとめる
漫画家の長谷川法世さんは「博多と福岡、双方都市をもっと強調していい」
話す。特異な二重性を町の魅力として倍増させれば、そのまま町の個性に
なるというわけだ。
「博多のランドマークには、聖福寺、櫛田神社の
大イチョウがあるではないか。知ないだけ。足元を見てほしい。」と
強調した。また、「資本を投下しての観光化に効果はあるのか」
「今でなかったものをポコッとつくって愛着がわくだろうか。今あるものを
生かすべきだ」といた意見も。住民自らが町の魅を知る必要性を説く意見が
相次いだように思われた。たとえば福岡県朝倉市の一地区。小京都ともいわれる風情で知られ、国の重要伝統的健造物群保存地区(重伝建)に払ばれて
いるが、「住んでいるとなかなか良さが分からない」と同市の元担当者。
「でも周りから萩月いいですね、と言わると、地元に誇りがも出てくる」
 

いま全国では、歴史遺産を生かした個性豊かな町づくりが潮流になりつつある。
九州でも、熊本市は全国有数の集客を誇る熊本城を核に整備を進め、エリアに
名所旧跡がひしめく長崎市は「さるく」(歩くといった意昧の長崎弁)を

キーワードにした散策観光で有名になった。文化庁もこのほど、
「文化遺産を活かした観振興・地域活性化事業」をスタートさせた。

藤原さんは「歴史的建造物持つ空間の付加価値を積極的にいかし、
人材を養成しながら創造性を深め、経済活動にもつなげていくような
議論が大事だ」と話す。


(編集委員・中村俊介氏)

 

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