「大震災を知る、見る、考える」というテーマのもと、文献調査から現地調査を
通して震災を考えていく取り組みをしています。
講義:包清博之先生【課題】被災地(石巻)に関する地図を収集し,次の内容を説明できるように調べる
(1)地形図又は空中写真(1/25000,1/10000,1/2500の各縮尺)からみた被災地の特徴
(2)被災地の被害状況を示す地図の種類と特徴
(3)被災地復興に関連して作成されている計画図(地図)等の種類と特徴
(4)被災以前に被災地で作成された総合計画,都市計画等に使われる計画図
(地図)等の種類と特徴
次のWebページを参考に、この他 各自が集めた被災地の地図を用いても可能・google map
・google earth
・石巻市震災復興基本計画・国土地理院の標高がわかるWeb地図
・基盤地図情報の閲覧 |石巻市の被災状況と今後の展開 徳永竜之介
沿岸から高低差のない地形が広がり、内陸部まで津波が遡上している。
→地図として見てみると、広がっているところの全てが遡上している訳ではない
川の流域も遡上しており、津波が川を遡上したと思われる。
→川の流域全てが遡上したわけではなく限られている。遡上した場所と、
していない場所の違いは?
日和山に学校や病院など公共施設が集中している→公共施設の分布図が必要。
被災以前の土地利用方針図
・湾岸地域は工業専用地域 準工業地域として制定2010年度 湾岸は住宅地、商業地として開発される予定であった。この
近辺が津波の被害を受けている →総合計画とはどういうものなのか
被災後の土地利用構想図
・湾岸地域は工業専用地域 準工業地域として制定
・避難緑地が広域において設定されている
移転候補地は? 水田地域の外側に移転しているが、ごく一部の集落しか移転を予定していない。→なぜか?
川沿い、港湾、高台はどのように活用されているか。
沿海部には住宅地、内陸部は田が多い。河川に沿って田や住宅地が点在している。
河川中心の津波の被害
北上川流域は土地が低い 河川周辺に見るか被災地の被害状況旧北上川の水路周辺は被害拡大 河川部を中心に住居と流された地域が広がっている
農地の被害面積が大きい
津波浸水図 浸水被害の状況
市内には比較的川幅の広い2つの河川が流れて市を3つに分けている
・浸水の基準は?
・湾岸地域の工業地帯は建物が流された、という情報ではなく津波の到達圏と
して位置付けられている。
・水準点は直近の水面からの高さ 海面に対する対地上高
・TP4.1m →東京湾平均海面からの高さ
(地球は球体のため、北海道や沖縄の海抜は低くなる)
被災後の土地利用構想図
143カ所の堤防の亀裂、沈下、護岸の崩壊→河川に堤防を広く展開
被災地の河川周辺 対策状況と誤算→堤防に関する計画が不明瞭であった
震災以前の計画では堤防が十分でないことへの指摘はかねてよりあった
|宮城県石巻市に関する地理的分析 鶴田拓児
東側地域に山間部と、旧北上川に沿って広がる西側地域の平野からなる。
市内には比較的川幅の広い2つの河川が流れて市を3つに分けている
平地には住宅、水田 高台に住居は少ない
被害状況を示す地図の種類と特徴
① 市街地 ②川南 桃生 ③河北 雄勝 北上 ③牡鹿エリアに分けられる
災害復興計画は市街地エリアと総合支所のある6つのエリアに区分
地域儀とに課題を決めて、防災を視野に入れた将来構想を作成
市街地−−−護岸防潮堤 高盛道路
それ以外−−−外周道路 幹線道路 高台への集団移転 海岸保全施設など
→領域を決める基準とは? あいまいなスケール、エリアの区分と明確な区分がある
航空写真による被害状況の比較 濱口梨花
1/25000←地形と家屋が集中している場所を把握するスケール
東に蛇行した旧北川川が対岸に牧山がある。
中心市街地1/10000←土地利用の特徴を知るスケール
建物が密集 沿岸沿いは工業地域
1/2500←街区 地割り、サイズ、駐車場や建物の方向などが把握できる。
撮影年の異なる写真を比較、時間経過によって津波の被害が把握できる。
震災後は頻繁に撮影されている。←河川地域にある黒いものはなにか?
石巻市が公開した地図 復興基本計画市民検討委員会より
全壊と半壊のプロット ←国土地理院が発行したものと判断基準が変わっている
国土地理院 1/2500災害復興計画基図
石巻市 都市基盤復興基本計画図 →とにかく津波対策
範囲をいかにして決めるのか?判断基準が重要となってくる
石巻市総合計画2007 土地利用方針図
大まかな分け方 津波被害の大きかった地域は中心市街地として設定されていた→なぜたくさんの地図が作成されるのかを考える。
石巻市に関する様々な地図から被災状況を読み取り、震災の前後の
地形や
復興における都市計画、住民の移転など各自の視点による解釈のアプローチが
なされました。
つづく