建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、藤原惠洋(ふじはらけいよう)教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

第三回環境・遺産プロジェクト演習Ⅲは「大震災を知る、見る、考える」という
テーマのもと、様々な調査方法により震災を考えていく取り組みをしています。
 
岸泰子先生による建築史学会大会シンポジウムのご報告の続きをご紹介致します。




建築史学会大会シンポジウム
東日本大震災における歴史的建造物の被害傾向と保存対策

筑波大学 藤川昌樹氏 報告

調査区域:茨城県中心 初動調査の重要性 3ヶ月の間にどれくらい動けるか
報道の少なさと被害の広範さ 復興の足取りが遅い

 

調査スケジュール
323 学会GW開催 対応が遅いので翌日から調査
1次調査 登録文化財231
2次調査 県・市町村指定290県   
津波・地盤の液状化がひどい。文化財の現状は放置といっても過言ではない。
重伝建でも復旧は以前としてなされていない。
真壁地区 修理の9割が補助されることとなった。補助上限の撤廃。
 (※補助は市町村単位で決定される。上記は特異な例といえる)

真壁地区建築物例 

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1
割の資金調達が可能か、資材・職人待ち・他地区との格差・未指定文化財の
消失の危機など問題は多々ある。

文化財を壊す場合:委員会の協議によって登録解除がなされる→特定物件解除→解体 

いつの時代に修復するのか?
→基本的には建設当初。証拠、資料等が残る中で最古の時代を設定するのが主。
住民は最も栄えた時代に戻したいと思う。現在も使用している物件は所有者の
生活との兼ね合いが必要。→修復によって町並みがテーマパーク化してきている?

地方の力が弱体化
管理状態の悪さが震災などの被害を大きく受けてしまう原因になっている。
しかし空家を修復し文化財化しても手入れをするのは難しい。 

 

|千葉工業大学 山崎鯛介氏 報告

文化財ドクター 古文書等の洗浄、美術品、工芸品等の修復
調査スケジュール
323 日本建築学会 小委員会開催
阪神大震災の時の調査シート取り寄せ
阪神大震災の時の注意点を把握 調査の身分証等を常時形態

兵庫県文化財課からも資料・データ提供
先例として報告書等での公表の重要性
324文化庁へDB提供依頼
47 文化庁から応急危険度判定を受けた文化財の取り扱いに対して、
すぐに取り壊さないように呼びかけ
425 東北調査解禁

 

先例:阪神・淡路大震災と歴史的建造物
震災:平成7年1月17546 東経135.3度 深度20キロメートルM7.2 淡路島下 
被害:神戸市中央区 芦屋市周辺
文化庁・兵庫県・神戸市など国・市町文化財担当者による調査、
日本建築史学会→再建、復興へ

再建不可能物件の発生(人命救助最優先のため部材の残りが悪かった)→
文化財指定解除
→解体へ  倉は転用材や質が落ちる部材を使用するので崩壊が著しい

 

今後の課題
問題点:学会・JIA・建築学会をとりまとめる方法の構築
広範囲な被害の場合の対応システム構築の必要性
データベースの整備 メンテナンス+精度を上げる
記録保存の要望への対応
データベースの精度を上げる+保存・活用・公開を促す

 


 
 

建築史学会の報告をいただき、災害による文化財がどのように扱われるのか、
調査報告を通して知ることができました。特に震災後3週間の間が調査の要で
あること、調査時には必ず身分証を形態するなど混乱の状況の中過酷な
調査がなされていることを知りました。阪神・淡路大震災の時に作成された
報告書やデータベースが有効活用されている事例の紹介もいただき、災害大国と
言われる日本において、このような技術や情報の蓄積と連携の大切さを
改めて感じました。次回授業は
石村先生による講義で「市町村史に見る災害の歴史」
という主題のもと市町村史から災害の歴史をたどります。


[D3 國盛] 

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