大学院授業の1つ「環境・遺産デザインプロジェクト演習Ⅲ」では
「大震災を知る、見る、考える」というテーマのもと、文献調査から現地調査を
通して震災を考えていく取り組みをしています。
第二回講義:災害復興学のビブリオグラフィI
講師:福島綾子先生
テーマ:震災に関するテーマを設定し文献を収集、ビブリオグラフィの作成
作成手順
研究テーマの設定のちビブリオグラフィの作成
論文を収集する意義
論文は著者以外に査読者が存在するので研究に信憑性があり、社会性が
担保されている。報告・記事も参考にはなるが、学術論文、学術書は重視すべき。
福島先生は阪神・淡路大震災の時、被災した文化財を救出するボランティア団体の
東京支部で事務をされていた。当時は指定文化財が被災した場合、誰が確認・
調査し、どこに報告すれば良いのかは体系化されていなかったが、震災以降
文化財の災害に対するマネジメントが形成されていった。

Ref Works
Mendeley 主に英語の文献を収集・管理することに適している
インターネットでフリーソフトとしてダウンロードできる
Mendeley
1 論文データベースで検索
2 文献ソフトなどを用いて管理、書き出しを行う[ex:Mendeley フリーソフト
サーバーがあり、ネットと同期しPC上で文献データを管理]
3 CiNii などのサイトから文献を検索→Mendely,Refworks などで書き出し
論文内容が公開されている場合、論文も管理できる。
①オープンソースにアクセス
②論文データをデスクトップに保存
③My Mendeleyにある論文項目にドラッグ&ドロップ
[注] 文献の書き方にはルールがあるので文献の表記ルールを把握する
学会などは必ずフォーマットをインフォメーションしている
著者名順にリストアップのち文献をナンバリング
電子出版の場合、参照(2012 05 10)など表記
表記例
1) 著者名「論文タイトル」『雑誌』発行所 *雑誌の場合、刊号とページ(年)
2) 著者名 (年)「論文タイトル」『雑誌』発行所
3) Author, year, title, volume title (editor), pp. xx-xx, cits,pob
ページ全体の表記はp.
諸先生方より
・文献やリストは常日頃収集しストックしておく必要がある。
・どのような体系で論文を収集しているかを明確にしておく
(時系列なのか、キーワードや特定の視点なのか)
・文献を収集した後 見識等を具体的に書き添えておくことを習慣化する
・文章に言葉を引用した場合、5 など上付きで引用元を表記しておく
次回の授業では、作成した文献一覧に記した概要に講評・考察を加え、
(批判的な視点の必要性)より文献を読み解いていきます。
前回と同様に小テーマを設定した上で、阪神・淡路大震災もしくは東日本大震災に
関して発行された報告書(各府県市町村もしくは学会が作成したものに限る)
を一覧にし、より専門性を持った調査をしてゆきます。
ビブリオグラフィとは参考文献のことですが、初歩的な所から解説してくださり
文献調査の段取りを知ることができました。たくさんの文献の中でも
履修生の関心のあるものは、「コミュニティの再生」「文化財の保存修復」
「瓦礫のゆくえ」「防災意識の変化とまちづくり」などでした。
次回は岸先生による、建築史学会「 東日本大震災における歴史的建造物の
被害傾向と保存対策」についてのご報告をいただきます。
[D3 國盛]