9月14日17:30〜20:00
大分県日田市天神町にある旧横尾家の離れ「シタンキャ」では
大分技術市場交流プラザ日田と連携し「Q大日田ラボ」としてまちづくり、
まちそだての活発な活動がされています。今回は特別講演会として
「日本全国スギダラケ倶楽部の活動とスギの可能性」が開催されました。
Q大日田ラボ特別講演「日本全国スギダラケ倶楽部の活動とスギの可能性」
講師:日本全国スギダラケ倶楽部
南雲勝志氏(ナグモデザイン事務所代表)
若杉浩一氏(内田洋行テクニカルデザインセンター部長)
千代田健一氏(パワープレイス福岡デザイン部ディレクター/大分技術市場
交流プラザ日田アドバイザー)
モデレーター:藤原惠洋先生(九州大学教授、Q大日田ラボ代表)
会場はパトリア日田という平成19年に開館した公共ホールです。地場産の
木材や小鹿田(おんた)焼の陶土を使用した床面、漆喰仕上げの壁という
素晴らしい場所です。会場のしつらえにはスギダラケ倶楽部(以下スギダラ)
の製品が使われ、藤原先生の書による垂れ幕で雰囲気抜群!スギのいい香りも
漂ってきて講演前からわくわくしました。
スギダラの7年間に渡る活動の経緯とその活動の原動力について、
3人の絶妙な掛け合いによって進められていきます。日本では近年杉の
間伐材の活用、転用が問題となっていました。かつては大切にされてきた
素材であったのに、経済、効率主義の流れによって追いやられてしまった
杉材をスギダラの方々は再評価するべく積極的に活用していかれます。
スチール家具メーカーの内田洋行さんに活動拠点を置かれていたので、
最初は杉材を使う仕事・お金にならない仕事を続けるのは大変だったそうです。
けれども官民交えての活動、地産地消の杉材を使うこと、教育、環境、あらゆる
面での社会貢献が評価され、現在は本社もスギダラケになってしまったとのこと!
「面白いと思ったことを大切にする。笑えること、心が温かくなる事に
本質がある。」 「かつての日本人の生活は自然と共にあり、杉も重宝されていた。
けれども経済や効率、過度の安全安心を重視するあまり、自然な魅力を持つ
杉がなぜか追いやられるようになってしまった。」「地産地消で木材を
使っていくことで、地域の人々、企業、行政、教育が結びついていく。
ただの資源ではなくて財産ということに気付くべき。」「地域の方々を
巻き込んで皆で協力して公共のモノや場を作る機会を設ける。関わった人が
地域に対する愛着や、達成感や自然環境、デザインに魅力を感じるなど、
人を幸せにする場を作ることがデザインである。」
多くの成功事例と共に、時に笑い、時にじーんとしながら一同真剣に
聞き入っていました。
講演会終了後は懇親会が開催され、熱気あふれる交流の時間になりました。
とても印象的な時間をいただきました。