2011.08.02(火) 16:30〜
第14回 ふ印ラボ 定例ゼミ 議事録
出席者:藤原先生、市原、三浦、塚本、小井塚、國盛、平川、北岡、與田、瀧口
司会:北岡 記録:瀧口 *512教室にて開催
1.報告
・7月16日(土)~18日(月/祝日) 熊本県天草市高浜町フィールドワーク・ワークショップ
現地では5つのテーマ別グループに分かれて活動を実施、地域の課題や問題に対してのデザイン提案をしてプログラムを終えた。
現在、参加者からの感想文を集めていてブログにも紹介中。後日編集して現地の方に送付予定。締切はお盆まで。(三浦)
ブログは必要に応じて編集して公開しています。(藤原先生)
・7月19日/7月26日/8月2日シュタイナー学園土曜学校壁塗りワークショップを実施しています。最終作業は8月13日(土)午前9時から続きの壁塗りを行います。(國盛、塚本、藤原先生)
・7月27日(水)芸術情報学部 卒業論文中間発表会
数多くのアドバイスをいただいたので、それをもとに進めていきたい。(與田)
先生たちからアドバイスや指摘をうけました。今後は、文献を探して進めていきたい。(瀧口)
・7月26日(火)第7回軍艦島研究会
小山秀之進の足跡をたどった。長崎放送から取材がきていた。小山薫堂さんと藤原先生の対談あり、長崎の土地を巡る取材あり。(藤原先生)
2.審議
・HPの充実、ブログの更新(ブログは記録、レポートとしての意義を果たします)
・8月7日(日)オープンキャンパス 展示物について
8月5日・7日に学生がボランティアで参加。與田・瀧口を中心に行います。
当日、7号館1階ワークショップ室にご研究室紹介パネルを展示します。(瀧口)
3.フィールドワーク参加希望の確認
(1)8月3日(水)19時~21時 日田ラボ 参加希望者:市原、小井塚
(2)8月4日(木)18時~ 唐津城内まち物語ワークショップ 参加希望者:
(3)8月 5日(金)~6日(土)公開講座修学旅行・天草市 参加希望者:市原、北岡、
(4)8 月8日(月)~11日(水)早朝 福岡シュタイナー学園土曜学校韓国修学旅行へのスタッフ参加希望者:
(5)8月13日(土) 福岡シュタイナー学園土曜学校壁塗りワークショップ 参加希望者:
(6)8月17日(水)夜 日田ラボ 参加希望者:
(7)8月19日(金)~22日(月)利賀インターゼミ 参加希望者:市原、北岡、岡田裕佳、藤原旅人
(8)8月23日(火)~25日(木)日本建築学会 参加希望者:
(9)8月27日(土)~28日(日)銀座ギャラリー GGJ 個展「be with underground」準備作業:國盛、藤原、藤原旅人、藤原風人、小瀧弘幸
(10)9月5日(土)~11日(日) 「海外フィールドワーク」インドネシア・バリ島+シンガポール踏査
参加希望者:
4.輪講
【近況報告】
■小井塚ななえさん:音楽教育との出会い
音楽教育とは
学校内外において、教育を目的として人間が音楽と取り組む全ての営み
音楽の教育(知識・技能の伝達)鑑賞に必要な知識
音楽のための教育(音楽的成長)子どもへの音楽教育
音楽を通しての教育(人間的成長)音楽的成長の中で社会との関わりを通しての成長
音楽による教育(音楽外的手段)治療手段
音楽教育の授業やプロジェクト
音楽教育特殊研究(ゼミ形式)
研究手法(観察・実験分析・質問紙・哲学)
新しい分野のため、研究手法が定まってない。
個別の研究発表
他大学でのシンポジウムでの発表
音楽づくりワークショップ
ガムランなどの民俗音楽ワークショップ
教育系大学との連携ジュニアゼミ、研究報告会
専門の器楽レッスン
音楽づくり←今、注目している分野です。
重要だと感じたものは…
・音楽は自給自足
民族音楽を通して、”あるもの”を使って自分たちの音楽が作られていることに気づいた。
・音楽づくりに間違いはない。
簡単な規則を設けるだけで、誰もが楽しめる内容になる。
一人一人が主役になれる。
・5分で音楽づくり
グループワークによって、身近に感じてもらえる。
・模倣からの創造
過去の偉大な作曲家の方法を単純化して創作に利用できるのでは。
*RichardMcNicol≪Create&Discover≫
→誰もが音楽を楽しむことができる。
*今まで、自身が苦手としていた即興の面白さを発見したことでアウトリーチに応用できるのではと考えている。
研究について
音楽大学におけるアウトリーチ活動を通した演奏家養成教育に関する研究
目的
アウトリーチ活動を通して公共を意識することの意義を考察することを目的とする。
研究方法
①音楽系大学の調査
②アウトリーチの実践
③音楽大学におけるアウトリーチカリキュラムの提案
質疑応答
研究において難しいところ→アウトリーチの有効性を明らかにする方法論がつくられてない。小井塚さん自身で、アウトリーチが有効かどうかの評価軸を作るべき。模倣からの創造は重要だと思う。RichardMcNicol≪Create&Discover≫は、翻訳されていないのか。日本では実際にやっている人はいないのか。(藤原先生)
翻訳されてないし、研究室内で行われていない。中学校の音楽の先生が1章2章やったという記録はあるが、すべて行ったという記録はない。25日に実際にRichardMcNicol≪Create&Discover≫の方法を音楽学会や音楽史学会の教育者を前に発表予定。(小井塚)
RichardMcNicol≪Create&Discover≫は他の分野でも応用できる。(藤原先生)
アウトリーチの現状は?(國盛)
今までのアウトリーチは、演奏家の人材派遣みたいになっている。演奏家自身は難しい言葉で武装しているよう。(小井塚)
アウトリーチ活動で、演奏家側が何かを届けるということになっているのでは。まずは、演奏家も一緒に何かを得るものとして動機付けができているのか。(三浦)
「一番重要なのは本物を届けることである」というアウトリーチ活動を行っている人もいる。近年、やっと演奏家も成長している「らしい」という気付きが生まれた。(小井塚)
欧米では、成長していると社会的に評価されているのか。(北岡)
欧米では、音楽教育に関してはオーケストラの要請教育みたいになっている。実際にアウトリーチで音楽家が育っているかどうかの情報はまだ得られていない。欧米の大学にもアウトリーチの研究が盛んとみている。(小井塚)
藤枝守先生は「音楽」ではなく、「音の響き」という表現をする。本当に音楽とは、「音」を「楽」しむものなのでしょうか。小学校の音楽の授業などで音楽嫌いになった人もいますよね。楽しむことができるには、ということを数十年の課題として考えてはどうでしょう。(藤原先生)
学校教育と世間一般の音楽との差があって、交じり合っていない。
それをどうやって一体となるのか。(市原)
ここ10年教科書には純粋な曲ではなく、ポピュラー音楽に属するような曲に編曲されている。
文科省は音楽の授業をなくそうとしている動きがある。
音楽がなぜ必要なのか文科省に純粋に主張できないという実態がある。(小井塚)
音楽は自給自足というが、現在の音楽教育は西洋音楽が中心で、日本独自の音楽の教育はほとんどされていないのでは。(三浦)
明治期に取締が始まっていた時期から、日本音楽と西洋音楽との分裂があった。
当時、日本の音楽にはたくさんの流派があったため、扱いにくかった。
そのあと、日本音楽も大切だということで、教科書に取り入れていく動きはある。
「ある民族の音楽だ」というばかりで、「日本人みんなの音楽だ」としてこなかった。(小井塚)
題名のない音楽会は、アウトリーチという観念からみるとどうお考えでしょうか。(塚本)
常識にとらわれない試みには、アウトリーチの要素がある。(小井塚)
【輪講】
■國盛:≪’文化‘資源としての<炭鉱>展≫
紹介
2009年11月4日~12月27日。東京の目黒区美術館で開催。主催者は、正木基さん 目黒区美術館学芸員。日本三大奇人学芸員といわれている。
内容
当事者による表現と発信
「サークル」
1960年代はテレビの普及率が少なく、発信者と受け手の差が少なかった。
筑豊≪サークル村≫1958年~
1950年朝鮮戦争のあと、日本が復興している時期
目的:人間の温かさにあふれたユートピア的なコミュニティである一方、
貧困・人員整理・重労働・苦難に満ちている炭鉱環境を社会に発信
社会に文化発信して社会的弱者の立場の救済を目的とした。
中心人物:上野英信 山口生まれ。広島にて被爆。京都大学中退後、福岡に。
千田梅二 童話を制作。版画を精力的に制作。
上田博 幼いころ、画家を目指したが、日高炭鉱の工夫となった。
山本作兵衛 63歳より炭鉱の記録を残そうと1000枚以上の絵を残している。作品は世界記憶遺産に登録。
北海道のサークル
出版などは行っていない。
皆で一つの作品を作成する。
三菱美唄美術サークル
メーデーに作品を作成
美術展の開催
当事者にとっての炭鉱・美術・サークル
・美術を通して人と人を繋ぐプロセス
・普及力を考えて安価な版画
・油絵が多いのはなぜか?(欧州の文化が入りやすいから・日本画のような脈からも遠い)
サークル以外でも個人で発表した人物
立花重雄
築山節夫
立石大河亜
野見山暁治
畠山哲雄
倉持吉之助
小林正雄
木下勘二
実際の炭鉱夫の様子が描かれたものはなかなかない。
景色が多いのは、働いた帰りに見る景色に心を奪われるのではないか。
質疑応答
≪’文化’資源としての<炭鉱>≫というネーミングはどう思うか。(藤原先生)
労働してお金を稼ぐという行動を文化や美術として位置づけるのは傲慢ではないか、という意見をもらったこともある。個人として労働をする中で自分の労働を残すものとして昇華しようとした心理はあっていい。私は傲慢ではないと思う。(國盛)
川俣正 論
個人→油絵→インスタレーション→ワーキングプログレス→コールマイン、根源的に樹木が好きだという人と鉱物が好きだという人がいる。油絵:鉱物好きは油絵が好き。インスタレーション:炭鉱時代の物をずっとみていたものから。以前≪筑豊、空知、ルールでの展開≫は輸車路からではないか、という話もあった。國盛)
ワーキングプログレス:プログレスとは、展開中という意味。石炭は堀り続けるもの。(藤原先生)
負の体験を基に正の動きとしての制作・活動を行っているのではないか。と、考えると炭鉱が根底にあるという先生の意見は最もだと思う。(國盛)
近年、文化資源の価値が社会的に認識されてきたので、川俣正さんの作品が芸術として認められてきた。日本三大奇人学芸員の行動は、アートの範囲を広げた。國盛さんもこの範囲を拡張する大きな流れに乗っているのではないか。(藤原先生)
5.今後の研究調査・計画
(1)定例ゼミ
第14回 8月2日(火)午後4時半〜7時 発表:小井塚(東京芸大院)、輪講:國盛
第15回 8月16日(火)午後4時半〜7時 発表:佐藤(熊本県立大学4年)、輪講:鄧瓊、北岡 長崎・天草出張のため藤原帰着は遅れますが開催しておいてください。
第16回 8月17日(水)午後3時〜5時 臨時ゼミ・利賀インターゼミ参加者の事前ゼミを開催します。希望者は藤原研究室学生研究室に集合してください。(17日〜19日は大学院修士入試・博士入試が実施されていますが、学生の学内利用はできます)この後、日田ラボ・ご隠居カフェへ移動します。宿泊可。
8月19日(金)〜22日(月)利賀インターゼミ
8月23日(火)休止 日本建築学会(東京)のため
第17回 日程変更(代替)8月26日(金)午後4時半〜7時 発表: 輪講:
第18回 8月30日(火)午後4時半〜7時 発表:粟畑夕子(YCAM,青山学院大学大学院)、輪講:
9月6日(火)休止 学部演習・海外フィールドワーク(インドネシア・バリ島)のため
第19回 9月13日(火)午後4時半〜7時 発表:、輪講: 、対馬博物館構想委員会出席のため藤原帰着は遅れますが開催しておいてください。
第20回 9月20日(火)午後4時半〜7時 発表:、輪講: 、
9月27日(火)休止 学部3年生合宿研修に参加のため不在
第21回 日程変更(代替)9月30日(金)午後4時半〜7時 発表: 輪講:
前期は以上。
(2)研究会
■九州大学軍艦島研究会 毎月1回第四火曜日の夜18:30〜20:30まで開催
8月23日(火)第8回研究会 休止順延(9月後半に) 日本建築学会参加のため
■産炭地アートプロジェクト研究会COALS
8月29日(月)〜9月3日(土) 東京銀座ギャラリーGGJにて個展 準備は28日(日)夕刻 現地にて
10月〜 芸術工学部「芸術文化企画論」万田坑ガイド実習
11月3日(木) 大牟田市近代化遺産公開デー プロジェクト実施
(3)今後の予定(8月~9月) ●研究会 ★ワークショップ ☆フィールドワーク ■学会 □調査
8月
4日(木)★午後6時〜唐津市城内まち物語 ワークショップ
5日(金)~6日(土) ☆●公開講座学外演習「熊本県天草市における文化財と文化資源」
7日(日)九州大学大学院芸術工学研究院オープンキャンパス
8日(月)5時限め 芸術文化環境論定期試験
11日(木)〜12日(金)□世界遺産暫定リスト・九州山口近代化遺産造船比較調査 長崎調査
13日(土)午前9時〜★シュタイナー学園土曜学校漆喰壁塗りWS
14日(日)午後1時〜★●菊池たてもの応援団現地調査+懇親会
15日(月)~16日(火)□長崎・天草 長崎放送取材
17日〜19日 大学院入試
17日(水)夜7時〜●日田ラボ
18日(木)直方駅舎に関する講演会 直方市内
19日(金)~22日(月)■●利賀インターゼミ
23日(火)~25日(木)■日本建築学会 東京都内
29日(月)〜9月3日(土)銀座ギャラリー GGJ 個展「be with underground」(國盛)
31日(水)夜7時〜●日田ラボ音楽祭
9月
3日(土)~11日(日)☆学部「海外フィールドワーク」インドネシア・バリ島+シンガポール踏査