7月24日に熊本県菊池市にて公開講座「文化財vs文化資源」学外演習が行われました。
参加者は約20名。月に一度第4日曜日に開催される「軽トラ朝市」を体験するため、8時に大橋キャンパスを出発しました。
「軽トラ朝市」は菊池中心街の中央通りを歩行者天国にして、農産物や海産物を積み込んだ軽トラックが並び、地元商店の方も店の前にテーブルを出して商品の宣伝販売を行っています。変わったところでは、「マッサージやります」というお店や崇城大学の環境を考えるゼミが竹炭を売るお店を出したりしていました。
お店ばかりでなく、スタンプラリー抽選会やじゃんけん大会なども行われ、ちょっとしたお祭のような雰囲気です。今回は約50店舗が出店していました。
おのおの買い物や出店者とのやり取りを楽しんだ後は、菊池神社にて宮司様より菊池一族の歴史を伺い、菊池一族が蒙古襲来で活躍した話や西郷隆盛は実は菊池の出身であったことなど、興味深い内容を聞かせていただきました。
次に「旧松倉邸」に場所を移し、今度は菊池の方も交えて菊池の文化資源の活かし方についての検討が行われました。
菊池からは行政の方ばかりでなく、建築に係るプロの方々、まちづくりを考える養生塾の方々など沢山の方々がお集まりになり、旧松倉邸は廊下から玄関までぎっしりと人で埋まりました。
藤原先生からは、菊池の魅力の磨き直しについて、建物応援団の結成や市民を巻き込んだ研究会の実施など様々なアイデアが提案され、文化資源は「何が菊池の文化資源なのか」の見極めプロセスから市民がかかわり、文化資源への理解を深めてそれをどう「活かすか」が大事であるというお話がありました。
その後、全員で御所通りという古い蔵や家が残る通りに繰り出し、明治11年に建てられら旧右田蔵を中心にまちの中に残る古い建物やまちなみ全体を見て回りました。
演習のまとめでは、公開講座のメンバーから「これまで菊池に来てもまちの中をじっくり見たことがなかった」という声が多く聞かれ、立派な蔵や古いまちなみが残っていることに改めて驚きの声が上がっていました。
その一方で「まちなかを人がほとんど歩いていない」「朝市が思っていたよりも寂しかった」との感想も出されました。
外部の目、内部の専門家の目、そして菊池市民の目でもう一度菊池の文化資源を見直し、磨き直す作業は緒に付いたばかりですが、今回参加された菊池の方から「菊池はまだまだやれると思った」との力強い感想が述べられ、この熱意があれば、菊池のまちは必ず動き出すとの確信を持ちました。 (同人 三浦)