建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
国際交流基金の谷地田です。以前も告知をさせていただき、震災の影響で延期になってしまっていた以下のイベントですが、再開を告知したところ、たくさんの方からご応募をいただき、追加席を設けることとなりましたので、お知らせいたします。
文化政策の研究や実践に携わる皆様に、ぜひ見ていただきたい作品ばかりです。国際交流基金のこれまでの活動にあまり触れたことの無い皆様にも、ぜひお越しいただきたいと思っております。
1人でも多くの方に会場でお会いできることを楽しみにしております。
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JFICイベントVol.4 国際交流基金招へい・制作 現代演劇記録上映シリーズ  
記録映像で見るアジア現代演劇—— 1990年代から2000年代へ
http://www.jpf.go.jp/j/about/jfic/event_s/cmp/110312/index.html
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日時 (開場は開演の30分前)
第2回 2011年5月28日(土)14:00 
「リア」
ゲストトーク 片桐はいり

第3回 2011年6月4日(土)14:00 
「コーランに倣いて」
解説 鴻英良

第4回 2011年6月11日(土)14:00  
「演じる女たち—ギリシャ悲劇からの断章」
ゲストトーク 内野儀

会場 国際交流基金 JFICホール[さくら](東京都新宿区四谷4-4-1)
入場 無料(要予約/定員70名)全作品日本語字幕付き

申込み 
㈰お名前、㈪人数、㈫連絡先をご記入の上、お申し込みください。
infoアットマークjfic-event.name 
FAX:03-5369-6044

主催 国際交流基金 http://www.jpf.go.jp
企画監修 畠由紀
問い合せ 国際交流基金 情報センター(JFICイベント事務局)
TEL 03-5953-1731  
Email: infoアットマークjfic-event.name

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作品紹介
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第1回は終了しました

第2回 2011年5月28日(土)14:00 
【リア】Lear
ゲストトーク=片桐はいり

東南アジアでは80年代の終わりからポストコロニアル演劇を脱する動きが見られ、90年代に入るとトランスナショナルに思考しようとする新世代演劇の台頭が見られた。「リア」は、アジアのそうした新世代演劇人と取り組んだ共同制作であ
る。タイトルが示すようにシェークスピアの「リア王」に着想は得ているが、物語は大きく解体され、父王の権威を脱し、その権力を奪取しようとする娘が父殺しをするという物語に再構築され、また、原作には登場しない亡き母という存在を創り出して救済のテーマを盛り込んでいる。能の梅若猶彦がリアと亡き母の2役、京劇俳優(男優)の江其虎が長女というように、6ヵ国から参加したキャストは言語もバックグラウンドもまったく異なったが、自己の持てるものを解体し、再構築することで物語の構造に呼応しようとした。作品はまる2年をかけて完成し、日本の後、東南アジア、豪州、欧州の7ヵ国で上演され、マルチカルチャリズムについて問題を提起する作品として各国で大きな注目を集めた。

ゲスト・プロフィール
片桐はいり(女優)
ブリキの自発団を経て、松尾スズキ、宮本亜門、蜷川幸雄など、様々な演出家の
作品に出演。「リア」では、リア一族の世界に外から入り込んでしまった漂泊者
的な役柄を好演。独特の存在感はますます厚みを増し、昨年の小野寺修二演出「
異邦人」では体で不条理を表現するという難題に挑み、高い評価を受けた。

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第3回
2011年6月4日(土) 14:00
【コーランに倣いて】Imitations of The Koran
解説=鴻英良

イルホム劇場は、1976年に演出家マルク・ヴァイルがソ連(当時)のタシケントに設立したソ連初の独立系劇団で、<インスピレーション>を意味するイルホムの名はソ連全土ばかりか海外にも知られ、次々と話題作、問題作を発表した。本作品はプーシキンの発禁処分になった詩を題材とし、映像、音楽、ダンスの融合したマルチメディア・パフォーマンスの形を取って、預言者、偽預言者、ナイトクラブの女といった象徴的人物を登場させて、コーランの神学的問題や人間の原罪についてのプーシキンの詩句を読み解いていく。ライブの音楽がすばらしい効果を発揮する。
作品は2年を費やして制作されたが、その終盤で9.11事件が勃発。イスラーム保守派と反イスラーム派両方から攻撃されるが、屈せず初演。ドイツ公演では、「世界に名だたるイルホム劇場が、またもや禁断のテーマに挑んだ。コーランとその
思想に息を吹き込むと同時に、コーランの教えを独自のやり方で翻訳してみせた」と評された。しかし、日本公演のわずか半年後、ヴァイルが暴徒によって刺殺されるという悲劇が勃発。BBCによって、保守派による犯行との報が伝えられた。

ゲスト・プロフィール
鴻英良(演劇批評、ロシア芸術思想)
主著に「野田秀樹の赤鬼の挑戦」(青土社)、「反響マシーン−リチャード・フ
ォアマンの世界」(共著、勁草書房)、「二十世紀劇場—歴史としての芸術と世
界」(朝日新聞社年)など。訳書にタデウシュ・カントール「芸術家よ、くたば
れ!」(作品社)、「イリヤ・カバコフ自伝」(みすず書房)ほか。「コーランに
倣いて」では字幕翻訳。

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第4回
2011年6月11日(土) 14:00
【演じる女たち—ギリシャ悲劇からの断章】
Performing Women-3 Reinterpretations from Greek Tragedy
ゲストトーク=内野儀

第1部:ウズベキスタン【メデイア】 Medea
夫イアソンの理不尽な裏切りへの復讐として我が子を殺すメデイア。その行為をオヴリャクリ・ホジャクリは、世界の不調和を断ち切るための社会的行為と捉える。そして、男優にメデイアを演じさせることで、解釈をさらに複層的なものにしている。オペラ的なスタイルで、メデイア役のムザファルジョン・ハミドフの歌がすばらしい。

第2部:イラン【イオカステ】 Jocasta
そうと知らずに父を殺害し、母と結婚して王となったオイディプスが、やがて真実を知り、自らの両目を潰すという「オイディプス王」が下敷きであるが、モハメド・アゲバティは、これを母と子の悲劇でなく、現代イランの女と男の意識的行為として、<罪>と<タブー>の問題に静かに、深く分け入っていく。

第3部:インド【ヘレネ】 Helen
大神ゼウスの娘にして絶世の美女、ヘレネ。その美貌ゆえにトロイアの王子に連れ去られ、10年にも及ぶトロイア戦争の元となった女性。アビラシュ・ピライはヘレネを、<世界戦争を引き起こす石油のような不確かな存在>、<見せかけのイデ
オロギーを備えた約束の地のようなもの>に例え、今日の権力主義的で暴力的な世界にイメージを引きついでいく。

ゲスト・プロフィール
内野儀=東京大学大学院総合文化研究科教授
研究テーマは、90年代以降のアメリカのパフォーマンス・アートの展開をポストコロニアル以降の批評理論や身体論によって歴史化すること、および日本の現代舞台芸術を欧米の理論的文脈に位置づけること。著作に「知の劇場、演劇の知」
(共著、ぺりかん社)、「J演劇をマッピング/ザッピングする」(「ユリイカ」2005年7月号)
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企画監修・進行:畠由紀 元国際交流基金 舞台芸術専門員
お茶の水女子大学博士課程修了。音楽学専攻。修士課程在学中より国際交流基金
の「アジア伝統芸能の交流」プロジェクトのスタッフとして、各国の舞台芸術の紹介に携わる。1989年より、国際交流基金に開設されたアセアン文化センター(後にアジアセンターに改組)の舞台芸術専門員。2004年より舞台芸術課専門員。一貫して、アジアの現代舞台芸術の紹介、共同制作に携わる。

問い合わせ
国際交流基金 情報センター(JFICイベント事務局)
TEL 03-5953-1731 、Email infoアットマークjfic-event.name
谷地田未緒 
................................ 
国際交流基金情報センター 
Mio_Yachitaアットマークjpf.go.jp 
T: 03-5369-6075 (tokyo +81) 
F: 03-5369-6044   
A:〒160-0004 東京都新宿区四谷4-4-1 
U:http://www.jpf.go.jp/ 

公式ツイッター http://twitter.com/japanfoundation 
公式ブログ http://d.hatena.ne.jp/japanfoundation/ 
をちこちMagazine  http://www.wochikochi.jp/

 

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