2011.5.23.(月) 5限
教室がいつも満席で人気のある藤原先生の学部生授業「芸術・文化環境論」
にゲスト講師として三浦 浩子さんがお話されました。
三浦さんは伝統的産業の継承と普及を研究のテーマとされていらっしゃる
藤原研究室の一員です。今回は鹿児島県の柳谷(やねだん)の地域再生を目的とした
「やねだんアートプロジェクト」の調査報告をいただきました。
やねだんは、かつては地方地域の特徴漏れることのない、高齢化、過疎化に悩む
集落でした。しかし補助金に頼らないまちづくりがされています。
大工、左官、職人さんが腕によりをかけて、まちの食堂や集会所を作ります。
元の工場跡地を運動公園へ作り替えたり、菜園を整えることでした。
柳谷の集落の自主財源はうなぎのぼり。売上金はお年寄りへの緊急警報
スイッチやカートのプレゼント、週一の寺子屋の開催、住民へのボーナスなどに
あてられました。集落の特産品「土着菌」という家畜の消臭肥料や自家製焼酎
「やねだん」は大ヒット。空き家はなんと「アーティストインレジデンス」拠点へ!
まちづくりを先導していく豊重館長は「命令しないで感動を与えること」と、
自ら率先してまちづくりをおこなうことで、地域住民の一体感と自主的な
参加を実現しました。
アーティスト、やねだん出身の若い家族のUターンによって人口は増加。
「めったにみられない芸術祭」も2008年に集落主体で開催されました。
アーティストと地元住民の芸能の披露が共になされるあたたかいプロジェクトです。
現在は「故郷創世塾」というワークショップも開催されるようになりました。
やねだんの活動を見た三浦さんの考える、今後必要な課題や考察としては
・地域経済に還元できるアートプロジェクトを引き続き自立して行っていくこと
・ アートプロジェクトの質の向上を集落がどうおこなっていくかが重要となる
・ アートは、排他的ではない社会をつくること、地域を巻き込む力をがある
ということを考えられました。
藤原先生からは「地域社会にだれが介在するか」これは諸刃の刃になりうる。
地域社会と関わりながらことを起こす時には、地元住民との親和性が大切であり、
介在する側の態度が問われる。といったこともお話いただきました。
今後三浦さんは、伝統伝統工芸の継承と普及を、地域のコミュニティと
関わりながら行っていくような研究を目指されるそうです。
私も伝統工芸や生業、技術に興味があるので関心を持って今後も勉強したいです。
(D2 國盛)
内容も私が言いたかったこと含め、良くまとめてくださいました。ありがとうございます。