建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

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2011.5.10.福岡市天神IMSホールにて谷川俊太郎講演会

「ぼくはこうやって詩を書いてきた 谷川俊太郎、詩と人生を語る」を拝聴しました。

火曜日の定例ゼミ後、先生が研究室として参加を申し込みしてくださり、ゼミの後

そのまま流れ込む形で参加しました。

講演会は谷川俊太郎氏、編集者の山田馨氏、リーゴーランド店主増田喜昭氏、三人の対談形式で行われました。

 

出演:谷川俊太郎(詩人)/ 山田馨(編集者)/ 増田喜昭(メリーゴーランド店主)


進行:目黒実(九州大学特任教授)

時間:19:00〜21:00

場所:天神IMS イムズホール9F

 

みな谷川氏がどのような生活や哲学から詩を紡がれているのか興味津々で、

会場は会場はほぼ満席でした。

谷川さんは大学教授のお父様とお母様の間に生まれ、18歳で詩人のデビューを

果たします。詩人になろうと思ってなった、というより元々はプロダクトデザインに

関心があったそうです。しかし物を描くことより言葉を書く方が向いていると感じ、

詩人として生計を立てるようになります。

谷川氏が18歳の時に書かれた詩を、増田氏は18歳で読まれ、それが衝撃的な出会いで

現在まで繋がっているそうです。作者と編集者の域を越えて、山田氏とは仕事も

プライベートもよくご一緒されるそうで,ログハウスやツリーハウスなどを作ったり

されていたこともあるそうです。

そのような親しいご関係から、今回の本が出版されることになりました。


小学5年生の時に書かれた詩、対談の中で出てきた詩を惜しみなく次々と

朗読してくださる谷川氏に、聴衆はしんと聞入り、心地よい拍手が続きます。

震災から生まれた詩、ビートルズの歌詞の翻訳などもご紹介いただき、

会場には涙する方も少なくありませんでした。


ホールという日常と切り離された空間で、出演者のお話を通して生まれる

会場の一体感と共に自分自身と対峙するような機会は、改めて場やホールの良さも感じました。

日本語の美しさ、言葉の持つ力、想像すること、文学を通し本質を考えることなど、

和やかな対談の中では考えさせられるヒントがたくさん詰まっていました。

情報としての言葉が溢れる日常の中で、文学としての言葉に触れる機会が

少なくなっていたなと身につまされ、また文学のよさを実感した一時でした。

「本を開けばその人に会える」

増田さんが最後におっしゃっていた言葉は、作者と読者の関係のみならず

本を贈った相手、本について語った相手とも会えるのだと思うと、

本を贈ることや、文学を共有できるということがとても尊いものに感じ

日常の中に取り入れていきたいと思いました。




(D2 國盛)



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