雛祭りアートキャラバン
2月6日、福岡県飯塚市にある嘉穂劇場が80周年を迎え、記念式典が
行われました。式典に合わせて、5日〜6日には、田川の料亭あをぎりの
オーナーを始めとするアート団体iArt Revo主催での「芸術家達からの祝宴会」
が開催されました。
アートキャラバンの目的は、アートを介して筑豊の町をつなげ、文化の交流を
きっかけとした街の振興です。田川・直方・飯塚が混じるメンバーで、人力車
の生まれの地である直方を出発し、飯塚の嘉穂劇場までお祝いに行きます。
嘉穂劇場では、アートイベントが催され、参加型ワークショップ、アート
パフォーマンス、各町の特産品を集めた屋台も出店され、
とても賑わった一日となりました。
2月5日
人力車で直方から嘉穂劇場まで走らせ、イベントのPRを行います。
4時間以上かかる道のりを、スタッフやボランティアで参加してくださった方々が
歩きました。直方の5日市の商店街は、とてもレトロで趣深く、また人力車を
なつかしむ人から沢山の拍手や当時の様子のお話を聞かせてもらいました。
昔をたどり,記憶を掘り起こすとはこういうことなのか、と心がじんとしました。
一方で、嘉穂劇場では式典に向けてのセッティングも行われます。
田川産業の漆喰タイルをモチーフにしたLimix展、安部泰輔さんの
ワークショップと作品展示、レインボー岡山さんのワークショップの仕込み、
屋台の仕込みなどなどです。私は展示や空間作品の手伝いなどを行いました。

アーティストやスタッフの創造的で主体的な現場の雰囲気はわくわくし、
またこのような形で嘉穂劇場と関わりを深めることができることを
ありがたく感じました。
2月6日
朝のミーティング、準備を済ませ、10時からは記念式典が始まりました。
私はオープニングにLimixに伊東英子さんの肖像画を描くお話のいただいたので、
COAL PAINTと名付けた石炭・石炭灰から作った絵具で描かせていただきました。

安倍さんの作品と一緒に展示
オープニングセレモニーで、飲食店ボンフリーの山下さん、
伊東ご夫妻に
人力車で運んできたお祝いと花束を、肖像画の元に供えてもらい
振る舞い酒でオープニングを迎えました。
お客さんはとても多く、用意した屋台メニューは完売し、Limixの作品が
多く売れていました。黒田征太郎さんのライブペインティング、
開場外ではユキンコアキラさんのライブペインティング
が行われました。

ユキンコアキラさんは音楽を自ら奏で、踊りながら真剣に絵を描くので
子ども達も食い入るように見つめ、声援を送っていました。
安倍泰輔さんの作品は、古着から新しい作品を作るものです。
参加者がその場で描いたものを、実際のぬいぐるみに安倍さんが
制作するものでした。

五右衛門をモチーフにした作品も制作・展示
レインボー岡山さんは虹をモチーフにした参加型のワークショップを
作品としている作家さんです。子どもや大人の手で、小さな虹をかけたり、
大きな虹をかけたりするものです。その手法やアイデア、ユーモアは温かく
面白いものでした。メインの劇場内に大きな虹をかける企画は、風船を200個
使い、7色のスズランテープを空中に浮かせて完成させるものです。
客席を使った参加型のワークショップは、これまでにない空間の活用法だったと
伊東ご夫妻も喜ばれていました。

ユキンコアキラさんは商店街にも進んでパフォーマンスをしに出向かれ、
劇所内でもトリとしてパフォーマンスをされました。躍動的な表現は格好よく
アンコールが求められ、式典は盛り上がりをもって閉幕しました。

イベント会場は、老若男女、いろいろな立場の人がない混ぜになった空間
となり、今までに見たことがないようなアートプロジェクトの光景と
なりました。企画や役割に、垣根なく多彩な分野の人を集めていた主催者の
母里さんの理想であったと思います。
母里さんは「企画事体も、民衆の力でものごとを起こすことを大切にはしていた
けれど、大衆演劇場である嘉穂劇場の場のよさを知った。自由にできるマス席で
幅広い人世代の人が力を抜いた状態で空間を共有できた」と話されていました。
私は、観客からいつでも参加者になれるようにステージではなくマス席で行った
ワークショップの企画を行ったこと、アートとフードのイベントを食事ができる
マス席で行ったことが、そのような空間を活かした鍵になったと思いました。
また参加アーティストさんの意識が高く、質が高く分かりやすさもある
芸術を見せてもらえたことも大きな収穫となりました。


筑豊などの特産品を集めた屋台。
伊東さんが持っているのは、大分から駆けつけてくださった加茂さんのひゅうが丼!
企画にはモダンアートの要素と、どんな方でも分かりやすいイベント的な
要素のバランスがよかったところも長所だったと思います。
驚いたところでは、筑豊の方々の芸術に対するニーズの強さです。
ワークショップの参加者は有料でも多くの方が参加し、打ち切りとなった
ものもありました。Limixの作品も控えめに販売していたのですが、
たくさん売れていました。開場は最後まで多くの人で賑わい、
パフォーマンスに感動して涙される方々もいらっしゃいました。
中小炭鉱や大衆演劇が盛え、市民の力が長く文化を培ってきた筑豊での、
あるべき芸術の姿を垣間見たような気がした瞬間でした。
課題としては、このような企画を大小関係なく、継続させていくための
システム作りが大変重要になっています。一度限りにならず、
企画に参加してよかったと誰しもが思える為の工夫は、どんなアート団体も
四苦八苦していると思います。これからも様々なアートプロジェクトに関わり
ながら研究を重ねていきたいです。
雛祭りアートキャラバンは3月2日まで続きます。
予定は各町の商店街にて、以下の通りです。
「田川の宿」
2月15日(火)〜2月23日(水) 後藤寺商店街・料亭あをぎり
「直方の宿」
3月1日(火)〜3月6日(日) 明治町商店街 駅前通り
問い合わせ先:アイアートレボ事務局(NPO法人設立申請中)
〒825-0016 福岡県田川市新町21ー28








