建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
丸尾焼五代目窯元金澤一弘さんのブログには、人を、組織を、ものづくりを、そして生き方を学ぶ随想が溢れています。

先月の後半、意外な論議が祭り集団としての「丸尾會」でなされていることを知りました。

以下、2011年1月24日 金澤一弘さん「窯元日記」より抜粋

丸尾會の新年会。今年は少し遅めの開催となった。牛深のハイヤ祭りが今年40周年を迎え、前夜祭のステージに前年度道中優勝チームとして、招待されていたのだが・・・リハーサルを含めると前後4日間の参加と言うことになり、社会人混成チームの丸尾會は、前夜祭に出るのかでないのかを議論する必要があったのだ。平日を含め4日間の牛深がよい墓なりの覚悟が必要で、前段からの練習を加えて考えれば、かなりのハードスケジュールと言うことになる。全体の合意がなければ會長と言えども勝手な判断は出来ないのだ。全体の合意を形成するという作業はとても難しい点でもある。全員の納得の上での参加が一番だが、なかなかそういうわけにも行かない。基本はしっかりと話し合いを重ねて、出来るだけ多くの人が行こうという気持ちになるように作り上げることが重要だ。

新年会がある程度進んだところで、牛深ハイヤについての参加の話し合いを始めた。競演隊長が多数決をとろうとしたので、私は競演隊長の話を途中で止めて・・・隊長自身はどう思っているのかを聞いた。私は祭りに多数決の論理は似合わないと考えている。多数決とは民主主義の方式だが、祭りは決して民主主義ではないと私は思っている。祭は長が仕切る出来事だと私は考えている。長は長としての判断を持っていなければならない。それが祭だと思う。だからやたらに変なジャッジメントを下すわけにはいかない。長の役割は長期的な視野に立って・・・最終的にはみんなが納得する、落とし所を決めることだと私は考えている。村社会の論理とでも言えば良いのだろうか・・・それがあるからこそ長く続いていくのだと思う。競演隊長の意志が行きたいと言うことであれば、行くという方向で努力をする。みんなが応分に協力するという姿勢が祭の本質ではないかと私は思っているのだ。

勿論、今の時代・・・頭ごなしに命令していっても物事は上手い方向へ進まない。全員がどう考えているのか、それを行うことで、會としてどういうメリットがあり、どういうデメリットがあるのか・・・そういうことも踏まえてしっかりと判断するという姿勢が長の役割だと私は考えている。今年は牛深ハイヤ道中総踊りが始まって40周年の記念の年。39回目の総踊りの優勝チームとして出場要請があったわけだから、會としては大変名誉なことである。我々がハイヤの本家であると認識している、牛深ハイヤ祭り前夜祭は相応に礼を尽くすというのが會として当然のことだと思う。会長としての見解を示せば上に書いたことに集約される。長としての私の立ち処だ。その下で競演隊長の思いがあり、さらには実行する人達の意志がある。それらを一つに束ねてみんなが納得出来るものに作り上げる行為が祭だと私は考えている。

昨日の意見の中に楽しいから良かったという意見があった。牛深ハイヤは道中総踊りが楽しいのだから、道中踊りだけの参加で良いのではないかという意見だ。今の若者・・・と言うより若者の空気かも知れないが、私は孤の意見には与しない。勿論楽しいことはとても重要だけれど、會として出る以上は起承転結が不可欠であり、一つ一つをしっかりと積み重ねていくことが無ければ、祭を取り仕切る意味がないとさえ思う。丸尾會が競演を依頼されることは大変名誉なことである。我々がこの6年間・・・毎年牛深ハイヤに参加して、牛深の人達から信頼された結果としての競演出場だと私は考えている。彼らならやってくれるだろうという期待の表れなのだ。長としての結論は最初から微塵も動かない。私の本心を察して動け・・・というのが私の願いである。民主主義ではないが・・・そこにも本当の姿があると私は信じている。

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