建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
藤原恵洋さま

先日来より何かとお世話をかけています。さて数年来の悲願でありました田川・日本料理「あをぎり」の国指定登録有形文化財化も無事遂げて(大変お世話になりました)、この間に様々な相談を受けてきた母里聖徳氏の企画するライミックスの企画展がいよいよ実現する運びとなり、2月6日から福岡の嘉穂劇場において開催の運びとなりました。

当日私は勿論、天草ですが、この日は黒田征太郎さんも参加するので少し後ろ髪をひかれていますが辻孝二郎さん・小林澄夫兄いと天草の「白い粉」の魅力には勝てません(笑)

これは母里君が発案した趣旨を別府プロジェクトの仕掛け人の芹沢氏に送った賛文です。母里氏は今回のライミックス展に作家の意義を見つけたようです。

別府プロジェクトの芹沢氏が先日訪ねてこられました。このとき3時間もお話できました。内容は石灰物語。この時に生まれたのが、この駄文です。ユーチューブでみんなの作品が世界に同時発信されます。津久見の恵介は砥石に変化させたものと●●を2点。コレに刺激されて私は世界初の「白い●」と海鼠壁の写真を漆喰タイルに転写した作品。また友人の音楽家はライミックスの●を製作するなど、コレまでのライミックスの使い方とは全く異なるモノが仕上がってきています。プロの慧眼からご指摘・ご指導いただければ幸いです。                    藤田洋三



嘉穂劇場のライミックス展によせて                

「美とは何か、人とは何か」の神経科学をアートする。美とは一生見つからない、見つけようとするプロセス。生きている実感、生きる時間とのコミュニケーション。役者は別人格になる美的感覚(嘉穂劇場)で生きることの意義を創出し、青山二郎は美についてウェルチャー(自閉症)な自己表現を絵にする行為、ゴッホは水と食べ物を同じようにフラクタクルを描いた二十世紀の自己表現と証言した。


「私を取り巻く感動は、心よきものに“なんだろう”が付随するもの。」

「かなしきは小樽(田川)のまちよ 歌うことなき(おらびたくる) 人々の声の荒さよ 」

石川啄木の歌に筑豊を重ねた手紙を旅人から貰ったと苦笑しながら、美とはなにか、人はなぜアートをつくるのか。対称と非対称から生まれる左右のバランス。垂直と水平という変化のないものの美を脳の反応で理解することが二十一世紀の美と脳。脳内機盤について神経科学も視野に入れ、左右のバランスが良かった加藤陶九朗についても学んでいる。


彼はネイチャープロジェクトの視点と三方両得という「利他の精神」でホモファーベル(手の人)とホモルーデンス(見る人)の両面を併せ持つシノイキスモス(両性具有者)的人種とうそぶきながら「体と技と個性を見ることは出来ても、魂や心の才能を見ることは出来ない。」 自らリスクを背負うことで地域的価値を創出し、根源的な「自然共生コミュニティ」の再生を目指すともいい、忽然と消えた英国のケルト模様と筑豊のコールマインはよく似ていると建築家の鶴岡真由美さんが提言した「装飾する魂」を王塚古墳に重ね、花を手向ける人間の初源的行為に魂を震わせ、美について産業革命から生まれた一部の人間による権威的アートの振り子が下降してきている。次は産業を支えた「町方の産業アートの時代」だと断言
する。そこにマイケルムーアーがいう「矛盾だらけの資本主義は敵。」の言葉をバネに新たなアートを世界に同時発信できる“ユーチューブ”展開を考えている。

*****

アール・ブリュットという「加工していない生の芸術」が話題を呼んでいる。七十年代に話題を呼んだカウンターカルチャー(対抗文化)は、商品にならないものとして体制に抵抗したヒッピーの「商品化以前の原点に戻って芸術を考える行為」。あれは商品化以前の芸術に遡る行為が健全にすると考えた、難解なハプニングやコンセプチャルアートも飲み込んで多分に通俗化していく意識で、通俗化すれすれのところを表現するものだったが、このライミックス展は、そうしたものも飲み込んで越えたところにあるアルカリ(中和・ニュートラル)の新たな産業芸術。

母里聖徳は、これを無名人へのオマージュと位置づけこれに立ち向かっている。その根源には「無駄の積み重ねが遊び心を生む、見る天国と行動する地獄を味わっている。」と苦笑しつつ、カネモチではなくヒトモチになると豪語する。黒田武士の末裔である母里の槍先にあるものは、未来なのだろう。

*****

「見本があればどこからでも対話が始まり、夢が膨らむものだ。」 断片的な出来事をつなぎ合わせると別のものが見えてくる。空白の部分を考えれば、ブラックマターが見えてくる。皆がビルダー(作り手)で「手仕事を礼賛」すれば、京都議定書以来、きれいごとばかりを発する人を「利が用と美の邪魔をする。」と一蹴し、「酒は詩を釣るオールドパー」と生きてきたが、いまではこれと縁を切り「価値や美しさを感じる心に年齢や経験は関係ない。それだけのものがライミックスにある。」とエクストリームな(究極の光)を信じ、中和(ニュートラル)アートに賭けている。 

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