あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
こんにちは。藤原研究室学部4年の小井塚ななえです。
私は、昨年末12月27日に東京赤坂の財団法人地域創造事務局において平成23年度公共ホール音楽活性化事業登録アシスタントの最終面接を受けました。今回はその時の体験とこの事業自体についてレポートさせていただきます。
財団法人地域創造は、平成6年に設立されて以来、芸術文化の振興によって豊かな地域づくりを実現すべく様々な事業に取り組んできました。音楽の分野では、平成10年に「公共ホール音楽活性化事業(おんかつ)」をスタートさせ、オーディションで選考された演奏家を全国各地の公共ホールに派遣しコンサートやアウトリーチプログラムを実施してきました。これらの活動は全国各地で大きな成果を残してきたと言えます。
今回私がエントリーしたのは、全国各地で実施されるおんかつ事業プログラムを企画実施していくコーディネーターのアシスタントです。アシスタントの役割としては、以下のことがあげられます。
①公演企画制作過程や、ホールの下見・打ち合わせ等への参加(コーディネーターの補佐)
②実際の公演時にスタッフとして派遣
③報告書の作成
私自身、「音楽家が主体となったアウトリーチの成立と展開」と題し、卒業研究を進めており、卒業後も東京芸術大学大学院にてアウトリーチの研究を継続していく予定です。一からアウトリーチ活動が組み立てられていく現場に身を置くことで、今まで見えなかった問題点や課題を発見できるのではと考えています。
<オーディションの過程>
〇第一次審査
申込書と小論文をもとに選考
テーマ:芸術と私と家族 1600字程度
〇最終選考
面接(個人面接30分)
・応募動機について
・申込書をもとに次のような質問
大学での研究について
今までやってきた活動の詳細など
・現在のアウトリーチ活動の問題点
現在全国各地でアウトリーチが実施されるようになりました。しかし、そのプログラムは実に様々でアーティスト派遣というアウトリーチのある側面のみに留まった活動も少なくありません。更に、地域の中での芸術、公共の芸術に関して考える機会が日本の音楽大学にはまだ少なく、アウトリーチそのものに対する演奏家の認識も浅い状態です。面接でも話題になったのは、「演奏家を育てる重要性」でした。アーティストとの本当の意味での協働を実現するために、演奏家教育という点で地域創造が果たすべき役割が存在すると感じました。
今回の面接には、児玉真さんをはじめとする地域創造のチーフコーディネーター、コーディネーターの方々がいらっしゃいました。全国に先駆けてアウトリーチ活動をスタートさせた地域創造は、自らおんかつ事業を新しいステージへ押し上げようとしているように感じました。
無事採用されましたので、来年度からアウトリーチ活動の最前線でしっかり勉強したいと思います。
(学部4年小井塚ななえ)