建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!

先月のことになりますが、2010年11月12日~14日にかけ、日田市で開催されたお祭り「千年あかり」に九大学生が参加しました。

大分県技術・市場異業種交流プラザ日田というゆるやかでユニークな地産地消研究会の異業種交流まちづくり団体が発案した「日田カレー」に、「芸術文化企画演習」の学部学生諸君が参加し、祭りの店舗を通して、オリジナルカレーの紹介と販売、アンケートの収集と集計を行いました。その研究成果を交流会の後、同会の忘年会も兼ねた12月定例会の中、日田市豆田町で知られたレストランのごうや亭会場にて発表を行ったものです。

18:00~日田商工会議所での交流会に参加 
          ゲスト講師に、Obisugi Design http://www.obisugi-design.comの千代田健一氏より「スギダラケ倶楽部」という杉を活用した活動組織の楽しいお話と、実際の杉を生かしてしつらえられた空間デザインのお話をいただきました。 

(1)日田市 千年あかり における「日田カレー」のカフェレストラン「プラザのぷ」
DSC02579
右手奥の屋台が、日田カレーの販売の際に作っていただいたカウンターです。
あたたかみがあり、シンプルでお洒落、機能的な屋台で、混雑する作業も
スムーズに行えるような造りとなっていました。

千代田さんはNYでインテリアデザインを学んだ後帰国されました。
造船業の為に先人が植林した杉材が余る日本の現状に着目し、資源の活用と新しいライフスタイルの提案を、杉材を使ったインテリアや空間デザインを通してされてきました。公共スペース、オフィス、ショーブースなどの様々な現場にニーズに、メンバーで楽しみながら創発的に応えていくような様子をお伝えいただきました。

 

19:30~ レストランごうや亭へと移動。日田カレーが出来る経過を藤原先生によりご紹介いただき、いよいよ学部生による日田カレーのアンケートの集計結果の発表が行われました。
じゃじゃ~~~~ん!!
IMG_0254
藤原先生による日田カレーが出来るまでの経過のご紹介

IMG_0256
続いて学部生による研究発表。資料も配布し、利用者の細かなコメント
もお伝えされました。
 

日田カレーの評価は、五段階で4.6以上の好成績。値段も販売価格の300円を上回る、500円で販売してよい
という意見が多数寄せられました。また杉材トレーも好評で、スプーンを持って帰られる方も
いらっしゃったそうです。カレー用の深いトレーを開発されたら、もっと活用の幅が広がりそうです。
カレーに限らず、日田の魅力やイメージについての質問なども印象深く、やはり水郷の印象が
 強いことが明らかになりました。ほかにも人柄が印象的であったり、日田杉のブランドイメージも強く根付いているようでした。 

課題となったのは、ネーミング。日田の梨を使用しているカレーですが、日田カレーだともったいない!とのこと。中学生の意見に、「日田○○カレー」と称したらよい、というアドバイスをいただき、今後検討してみたいとの意見でした。

学部生は今回カレーの販売とアンケート収集、分析がメインとなりましたが、「開発から関わってみたい」
「自分たちの得意技でもってPRしたい」という積極的な姿勢に驚きました。
パッケージを考案して、お土産にしてみたいという提案も出ています。最初から関わったわけではなかったプロジェクトにも関わらず、関心を寄せるようになった要因に、カレーが好評だったことはもちろん、様々な人のアイデアによって生まれた特産品であったこと/プロジェクトを通して関係者との交流があったこと(ごうや亭のシェフに、厨房で調理の指導をいただいたり、夜はプラザ日田の代表、タカクラさん宅に数日泊めていただきました)
/
地元をPRするための方法をカレーを通して考える作業であったこと/などがあるのかな、と思いました。
少ない時間の中、連携が取れた学部生の取り組みも印象的でした。このような機会が、ものづくりへのさらなる関心や、経験となるのだろうなと思われせられる時間となりました。


(D1 國盛) 

 

 

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