こんにちは。
この週末に目黒区美術館で行われている‘文化’資源としての<炭鉱>展を
見に行ってきました。
この展覧会は三部に分かれています。
この週末に目黒区美術館で行われている‘文化’資源としての<炭鉱>展を
見に行ってきました。
この展覧会は三部に分かれています。
PART1は<ヤマの美術・写真・グラフィック>
驚くべきは本展覧会に出展した作品の充実ぶり
初めて山本作兵衛の水彩画や千田梅二力強い版画。
水彩画にはメモ書きのように、当時のエピソードが書いてあり
これがすごくおもしろい。
写真もすごく良い写真があり萩原義弘が上空から撮った写真は
何か重苦しい何かをみた人に感じさせる重さがあり、
土門拳の写真には炭坑の街における生活感が漂う写真が
僕らに炭坑時代を痛切に感じさせる写真でした。
炭坑時代を生きたおばあちゃん達のインタビューはすごく
おもしろく小さなエピソードがいくつもありました。
PART2は川俣正コールマイン・プロジェクト
この作品は地下室全体が炭坑町の風景全体化としています。
川俣氏は「この風景こそが私たちが高度経済成長の中で
私たちのために働いてくれた炭坑夫の存在を思い出させる原点に
戻るためのきっかけになるんじゃないだろうか」という思いのもとに
この作品をつくったらしいです。
PART3は特集上映<映像の中の炭坑>
少し場所を移動して東中野にある「ポレポレ東中野」において
『女ひとり大地を行く』という映画を見ました。
上の写真が「ポレポレ東中野」の入り口の写真なんですが
あいにくの雨のための少し分かりにくいです。
美術館の展覧会企画と映画館上映が共同企画されるのは
おそらく日本で初の試みとのこと。
この作品は父親を炭坑のガス爆発事故でなくした一家が
母親を中心にして懸命に生きて行くというひたむきさが映像に
表れでている作品でした。主人公の母親の役を演じた女優山田五十鈴の
演技力が飛び抜けていて印象的な作品でした。
まる1日をかけて炭坑に触れました。
僕たちの世代はこの展覧会に溢れた炭鉱の歴史や社会的背景等の多くを知らないまま過ごしており、直接炭鉱(炭坑も含めて)とは関係がないように思えていまうことも多いのですが、でも展示を通して初めて近づくことで、このような過酷で劣悪な労働環境や生活環境の中でしか成立しえなかった刺々しいまでに人工的な町から、その後の豊かな日本の経済発展と人間成長が生み出されてきたことは間違いない事実であるだろうし、その蓄積や経験の果てに生み出された一見「ハッピー」な現在を生きる僕らは「彼ら」のことを忘れずに後世に語りつないで行く必要があるなぁと感じないではいられませんでした。
忘れ去られようとしている、風化してしまおうとしている、そうした足跡をきちんと見つめ直し、今と未来の創造にしっかりとつなげていくためのプラットフォームのような頑強な文脈の布置、その再発見と議論の形態が、今回の展覧会の基軸とされていた「‘文化’資源」という概念なのではないでしょうか。
あらためて、より包括的な理解と未来創造を促す展覧会の仕掛けに感動しないではいられませんでした!ミシュラン風に言うなら、この展覧会は三カ所併せて★★★★★です!!(TF)
驚くべきは本展覧会に出展した作品の充実ぶり
初めて山本作兵衛の水彩画や千田梅二力強い版画。
水彩画にはメモ書きのように、当時のエピソードが書いてあり
これがすごくおもしろい。
写真もすごく良い写真があり萩原義弘が上空から撮った写真は
何か重苦しい何かをみた人に感じさせる重さがあり、
土門拳の写真には炭坑の街における生活感が漂う写真が
僕らに炭坑時代を痛切に感じさせる写真でした。
炭坑時代を生きたおばあちゃん達のインタビューはすごく
おもしろく小さなエピソードがいくつもありました。
PART2は川俣正コールマイン・プロジェクト
この作品は地下室全体が炭坑町の風景全体化としています。
川俣氏は「この風景こそが私たちが高度経済成長の中で
私たちのために働いてくれた炭坑夫の存在を思い出させる原点に
戻るためのきっかけになるんじゃないだろうか」という思いのもとに
この作品をつくったらしいです。
PART3は特集上映<映像の中の炭坑>
少し場所を移動して東中野にある「ポレポレ東中野」において
『女ひとり大地を行く』という映画を見ました。
上の写真が「ポレポレ東中野」の入り口の写真なんですが
あいにくの雨のための少し分かりにくいです。
美術館の展覧会企画と映画館上映が共同企画されるのは
おそらく日本で初の試みとのこと。
この作品は父親を炭坑のガス爆発事故でなくした一家が
母親を中心にして懸命に生きて行くというひたむきさが映像に
表れでている作品でした。主人公の母親の役を演じた女優山田五十鈴の
演技力が飛び抜けていて印象的な作品でした。
まる1日をかけて炭坑に触れました。
僕たちの世代はこの展覧会に溢れた炭鉱の歴史や社会的背景等の多くを知らないまま過ごしており、直接炭鉱(炭坑も含めて)とは関係がないように思えていまうことも多いのですが、でも展示を通して初めて近づくことで、このような過酷で劣悪な労働環境や生活環境の中でしか成立しえなかった刺々しいまでに人工的な町から、その後の豊かな日本の経済発展と人間成長が生み出されてきたことは間違いない事実であるだろうし、その蓄積や経験の果てに生み出された一見「ハッピー」な現在を生きる僕らは「彼ら」のことを忘れずに後世に語りつないで行く必要があるなぁと感じないではいられませんでした。
忘れ去られようとしている、風化してしまおうとしている、そうした足跡をきちんと見つめ直し、今と未来の創造にしっかりとつなげていくためのプラットフォームのような頑強な文脈の布置、その再発見と議論の形態が、今回の展覧会の基軸とされていた「‘文化’資源」という概念なのではないでしょうか。
あらためて、より包括的な理解と未来創造を促す展覧会の仕掛けに感動しないではいられませんでした!ミシュラン風に言うなら、この展覧会は三カ所併せて★★★★★です!!(TF)