建築史家でまちづくりオルガナイザーこと、九州大学藤原惠洋(ふじはらけいよう)名誉教授の活動と、通称ふ印ラボ(ここで「ふ」の文字は意味深長なのでちょっと解説を。ひらがなの「ふ」は「不」の草体。カタカナの「フ」は「不」の初画を指しています。そのまま解釈すれば「つたない」かもしれませぬ。しかし一歩踏み込んで「不二」とも捉え「二つとないもの」を目指そう、と呼びかけています。ゆえに理想に向けて邁進する意識や志を表わすマークなのです。泰然・悠然・自然・真摯・真面目・愚直を生きる九州大学大学院芸術工学研究院芸術文化環境論藤原惠洋研究室というわけ、です!)の活動の様子をブログを介して多くの同人・お仲間・みなさまにお伝えしています。 コミュニケーションや対話のきっかけとなるようなコメントもお待ちしております!
11月7日(金)は、毎週金曜日の4・5限に行われている
学部3年生向けの授業「芸術文化企画演習」の学外演習で
玄界島のフィールドワークを行いました。

朝8時半、受講学生・研究室メンバー約20名が博多埠頭に集合。
8時50分発のフェリー「ニューげんかい」で玄界島に向かいました。

何をするために玄界島に行ったかというと…
「芸術文化企画演習」の大きなテーマは‘アーツリマップ’です。
ある土地を自分たちの感覚でとらえ直し
その土地の芸術文化資源を発掘する。
そのフィールドの一つが玄界島です。

片道35分、あっという間に玄界島に到着。
初めて玄界島に来たという学生がほとんどでした。

まずは、玄界島の雰囲気を感じながらのんびり歩き
玄界アイランドスクール(旧玄界中学校)へ向かいました。
そして、玄界小中学校校長の長野先生のお話を聴きました。

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「私は玄界島の広報担当だと思っています」
とおっしゃる長野校長先生は
小中学生が玄界島のマップを作成する活動をしたり
他の小学校が玄界島へ遠足に来ることを提案したり
小中一貫校同士での生徒エクスチェンジ活動を提唱したり
様々なアイデアで玄界島を元気づけていらっしゃいます。

地震によって玄界島の風景や暮らし、人間関係は
大きく変化してしまいましたが
その中で、島の人々は新しい自分たちの
「玄界島」を創り出していっていると感じました。

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持参した昼食を食べた後は
それぞれ自由に玄界島の調査を行いました。

島を1周してみようと歩き出すグループ
島で一番高いところに行こうと獣道を登っていったグループ
みんなそれぞれの視点で玄界島を感じました。

事前調査で一度玄界島を訪れていた私TAの東は
今回は「玄界島の女性」をテーマに
数名のメンバーと一緒に歩き始めました。

まずは郵便局を訪れました。
中には3名の女性職員の方がおられました。
島の見所を尋ねることから始まり
震災の復興によって暮らしがどう変ったか
良い点も悪い点も含めてざっくばらんなお話を伺いました。
そして別れ際に玄界島のワカメをいただいちゃいました!!

その後は公民館をのぞいてみたり
犬の散歩をしている人に話しかけたり
とにかくたくさんの人に突撃で声を掛けました。

「玄界島の女性」をテーマにしたのは
漁に出掛ける男性たちとは違い
地域のつながりに日常的に関わっている女性たちに
普段の暮らしについて聴きたいという思いからでしたが
島の男性は漁師の方が多く、なんとなく無口なイメージがあり
話し掛けにくいという理由も一理ありました。
しかし、慣れてくると男性にも話し掛けられるようになり
貴重なお話をいろいろ聴くことができました。

庭先で植物の手入れをしていた
80歳を越えていらっしゃるおじい様に
玄界島の暮らしについて伺いました。
昔は隣近所は本当に仲が良く
よその家庭のこともみんなよく把握していたけど
今は誰かが病気になっても亡くなってもわからない
そういう寂しい関係になってしまった。
親戚も昔はちょっとお茶を飲みに来たり
頻繁にお互いの家を行き来していたけれど
最近は全く会わなくなった。

そのように話され、とても寂しそうでした。

小さな男の子が庭で遊んでいる横で
漁の準備をしているおじい様にもお話を伺いました。
港の近くで男性お二人に話し掛けて
魚をさばく様子も見せていただきました。

5時を過ぎ、辺りも暗くなり始めた頃
フェリー乗り場に再集合して
5時35分発のフェリーで博多埠頭に戻りました。
フェリーでは、週末を福岡の自宅で過ごされる
長野校長先生や教頭先生と一緒になりました。
船の中で先生方とさらに話が盛り上がりました。

cf3c29a1.jpg

6時10分、博多埠頭に着いて現地解散となりました。
途中小雨の降る肌寒い天候の中でしたが
学生たちはそれぞれ玄界島の自然や暮らしや人々に
出会うことができたのではないかと思います。


TA(ティ-チング・アシスタント)東真理絵

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